そろそろ夏本番。海水浴やプールの予定を立てている方も多いのではないでしょうか。最近のスマホに防水・防塵性能は標準装備となってきましたが、防水・防塵といってもランクがあるのをご存知ですか?
この夏、海水浴やプールに持って行きたいおすすめスマホ7選と防水・防塵性能ランクのチェック方法をご紹介します。
防水・防塵性能にもランクあり。あなたのスマホはどのランク?
こんな状況が多いあなたに防水・防塵性能は必須
海水浴やプールなど特殊な環境下以外にも、日常の生活の中でスマホを水に濡らしてしまう状況は数多くあります。
- お風呂でスマホを楽しむ方
- お料理をしながらのスマホでレシピをチェックする方
- 屋外で遊ぶことが多い方
- 屋外でスマホで写真を撮ることが多い方
- 小さなお子さんがいて片手でスマホを利用することが多い方
- 赤ちゃんやお子さんがスマホに興味を持っていて触られることが多い方
このような状況下にある方にとってスマホの防水・防塵性能は有難いものです。
スマホは水に濡らしたらダメというのはもう昔の話。最近では高い防水・防塵性能がついているスマホが増えてきています。しかし、防水・防塵だから大丈夫と盛大に濡らしてしまうと性能ランクによっては簡単に壊れてしまうのです。
防水・防塵性能の欄に記載される「IP規格」とはなんなのか
防水・防塵性能といっても、ちょっとした飛沫に耐える程度のスマホからハンドソープで全体を洗えるスマホまで様々なスマホがあり、スペック情報には「防塵・防水性能」という欄に「IP規格」が表示されています。
キッチンでレシピを見たり写真を撮る程度の方ならIPX4以上、アウトドア好きならIPX6以上で防水だけでなく耐衝撃性能も欲しいところです。もしお風呂で利用したい場合は湿度も考えてIPX7以上の高い防水性能を備えたものが安心です。
しかし、スマホを購入する際にこの「IP規格」を正しく理解している方は案外少ないのです。防水と書かれているだけで安心してしまい、自分の利用しているスマホがどの程度の防水・防塵性能を備えているのか理解している方は多くありません。
夏になると海水浴やプールなど水辺で端末を利用する機会がぐっと増えてきます。楽しい夏の思い出を写真や動画に収めようと肌身離さず持ち歩く前に、あなたの利用しているスマホはどの程度の防水・防塵性能がついているのかをチェックしてみましょう。
水やホコリへの強さを示す「IP規格」をチェックしよう
水やホコリへの強さを示す「IP規格」はそのスマホがどの程度の水やホコリに耐えられるかをテストした結果が表示されています。「IP規格」のIPは「International Protection」の略で機器の保護性能を表すための国際標準として、国際電気標準会議(IEC)によって定められています。
「IP〇〇」の1桁目の数字は防塵性能、2桁目の数字は防水性能の高さを示し、それぞれの部分にXが入っている場合は省略や未検証を表しています。
防水規格は「IPX1~8」で表示され、数字が大きいほど防水性能が高いことを意味しています。防塵性能も1~6までの6段階に分かれており、こちらも数字が大きいほど高い防塵性を備えているという意味になります。
自分の利用しているスマホはどの程度の防水・防塵性能があるのかを、実際に確認してみましょう。
防塵性能の規格(1桁目の数字)
等級 | 種類 | 説明 |
---|---|---|
0 | 無保護 | 特に保護はされていない状態 |
1 | 50mmより大きい固形物に対する保護 | 直径50mmを超える固形物や人体の手足 などが内部に侵入しない |
2 | 12.5mmより大きい固形物に対する保護 | 直径12.5mmを超える固形物や人体の指先、 または80mm以下の体の一部などが内部に 侵入しない |
3 | 2.5mmより大きい固形物に対する保護 | 直径または厚さが2.5mmを超える固形物が 内部に侵入しない |
4 | 1.0mmより大きい固形物に対する保護 | 直径または厚さが1.0mmを超える固形物が 内部に侵入しない |
5 | 防塵形 | 粉塵が内部に侵入することを防止する。 少量の粉塵が侵入しても、動作に支障を きたさない |
6 | 耐塵形 | 粉塵が内部に侵入しない |
防水性能の規格(2桁目の数字)
等級 | 種類 | 説明 |
---|---|---|
0 | 無保護 | 特に保護はされていない状態 |
1 | 滴下する水に対する保護 | 鉛直(重力の働く方向)に落下する水滴を受けても、 有害な影響がない |
2 | 15°傾斜したときに落下する水に対する保護 | 対象物が正常な取り付け位置から15°以内の向きで 傾いているとき、鉛直に落下する水滴を受けても 有害な影響がない |
3 | 噴霧水に対する保護 | 鉛直から60°以内の範囲で水滴が噴霧状に落下しても 有害な影響がない |
4 | 飛沫に対する保護 | すべての方向からの水の飛沫を受けても有害な影響 がない |
5 | 噴流水に対する保護 | すべての方向からいきおいのある水流を直接当てても 有害な影響がない |
6 | 波浪に対する保護 | 波浪、またはすべての方向から強いいきおいの水流 を受けても有害な影響がない |
7 | 水中への浸漬に対する保護 | 一定の水圧で一定時間(30分間)水中に浸かっても 有害な影響がない |
8 | 水没に対する保護 | 連続的に水中に置いても有害な影響がない。 水没の条件については製造者が規定する。 原則的に密閉構造であること |
例えばiPhone Xを利用していると仮定して、スペック表をチェックしてみましょう。
iPhoneの場合はiPhone7から防水・防塵性能を備えていますが、iPhone XではIP67に適合しています。IP67というのは防塵等級が6で「粉塵が内部に侵入しない」、防水等級は7で「規定の圧力、時間で水中に浸漬しても有害な影響を受けない」という意味になります。
もうひとつ、arrows M04の場合も見てみましょう。
arrows M04はスペック表ではIPX5/IPX8/IP6Xとなっています。これは防水機能の「IPX5」と「IPX8」、防塵機能の「IP6X」の3種類のテストに合格しているということを表しています。しかし、なぜ2パターンの記載をするのでしょうか。
防水機能の場合は5と8では状況が異なります。5の場合は「全ての角度からの直接噴流に耐える」、8の場合は「水の中で使用が可能」ということになります。一見すると8の記載のみで十分なような気がしますが、状況によっては水没より噴流への耐性を重要視する場合もあります。
arrows M04の「IPX5/IPX8/IP6X」という表記はは「粉塵の侵入を完全に防ぎ、全ての角度からの水流にも水没にも耐えられる」ということを表しているのです。
ご自分のライフスタイルに合わせた防水・防塵性能を備えたスマホを利用すれば、安心してスマホライフを楽しむことができます。もしこれから買い替えを検討している方は、防水・防塵等級を細かくチェックしてスマホを選びましょう。
防水・防塵性能の高いSIMフリースマホ7選
最近はキャリア向けスマホ以外にSIMフリースマホでも防水・防塵性能の高いスマホが続々と登場しています。
それでは2018年夏におすすめの防水・防塵性能の高いSIMフリースマホを7種類ご紹介しますので、IP規格の表示を確認しながらチェックしてみましょう。
Motorola Moto X4
画像引用元:https://www.motorola.co.jp/products/moto-x-gen-4
「Moto X4」はスマートフォンとしては最高レベルのIP68相当の防塵、防水に対応。水の中でも使えるくらいの防水性能を誇るのでアウトドア好きな人におすすめ。高画質・広角も撮れるデュアルカメラを搭載し、使っていて楽しく快適に操作できるスマートフォンです。
Webサイトのパスワードを記憶しておいて指紋認証だけで簡単入力できたり、専用ソフトをインストールしたWindows PCのログオンをMoto X4の指紋認証で行うことができる新機能「Moto Key」や、4台まで同時接続して同じ曲を楽しめる「ワイヤレスサウンドシステム」などが特徴的。
Moto X4 のスペック
- 防塵・防水性能:IP68 防水
- バッテリー:3,000mAh
- 参考価格:53,800円(税抜)
- 販売時期:2017年秋モデル
Land Rover Explore
画像引用元:https://landroverexplore.fr/explore-outdoor-phone
四駆でおなじみの英自動車メーカー「Land Rover」から発売されたアウトドアスマホ。防水・防塵規格IP68をクリアしていて、海に落としても水深1.8メートルまでなら大丈夫。
またMILスペックの耐久性能を有しディスプレイにも1.8mからの耐衝撃に耐えるスクリーンプロテクターを装着。グローブをはめた手でもスクリーンを操作できるので便利。
※MIL-STD-810Gは米国防総省が制定した、米軍の調達規格であるMIL規格です。温度・湿度、高度、振動、衝撃などの過酷な状況下での試験にクリアした商品ということを表しています。MIL規格は「MILスペック」「ミルスペック」とも呼ばれています。
Land Rover Explore のスペック
- 防塵・防水性能:IP68
- 耐衝撃性能:MIL-STD-810G
- バッテリー:4,000mAh
- 参考価格:約74,000円前後
- 発売:2017年夏モデル
富士通 arrows M04
画像引用元:http://www.fmworld.net/product/phone/m04/design.html?fmwfrom=m04_index
水だけでなく耐洗剤で、泡ハンドソープで洗うことができる国産スマホ。5インチのディスプレイはCorning Gorill Glass3を採用し、画面周囲は0.3mmのフチがあるので万が一の落下時でも地面に直接画面が当たりにくくなっている。
防じん、耐衝撃、高温動作、耐日射、耐衝撃、高温保管、雨滴、氷結などMIL規格23項目準拠。しかし、スマホでゲームや動画を楽しんだりするようなヘビーユーザーにはスペックの面で物足りないと感じるでしょう。
スマホは最低限の機能だけあれば十分なライトユーザーや、泥だらけになって遊ぶアウトドア好き、綺麗好きで泡で洗えることが大きなメリットになる方にはおすすめ。
arrows M04 のスペック
- 防塵・防水性能:IPX5/IPX8 / IP6X
- 耐衝撃性能:米国国防総省の調達基準(MIL-STD-810G)23項目に準拠
- バッテリー:2,580mAh
- 発売:2017年夏モデル
AQUOS R compact SH-M06
画像引用元:http://www.sharp.co.jp/products/shm06/design.html
auやSoftBank向けに開発されたバージョンのSIMフリーモデル。自由な形と大きさに設計可能な液晶技術「IGZOフリーフォームディスプレイ」を初めてスマートフォンに採用した「EDGEST fit」でディスプレイにフロントカメラが埋め込まれた三辺狭額縁デザイン。
SHARP製の国産スマホで、防水・防塵、おサイフケータイなど充実した機能を搭載しており、IPX5/IPX8でお風呂での利用の際もIGZOディスプレイで濡れても画面が見やすい。防塵・防水機能だけじゃなく幅広く便利な機能を利用したい方におすすめ。
AQUOSのsimフリースマホはAQUOS R compact SH-M06の他にAQUOS sense plus SH-M07やロースペックだがコスパがいいAQUOS sense lite SH-M05も。どれもIPX5/IPX8(お風呂対応) / IP6Xとなっているので、価格やライフスタイルに合わせて選ぶことができる。
AQUOS R compact SH-M06 のスペック
- 防塵・防水性能:IPX5/IPX8(お風呂対応) / IP6X
- バッテリー:2,500mAh
- 発売:2017年冬モデル
iPhone 8 64GB
画像引用元:https://www.apple.com/jp/iphone-8/specs/
大人気を誇るiPhone 8。Counterpoint Technology Market Researchの調べによると、2018年5月のスマートフォン世界売上ランキングでiPhone 8は1位に輝いています。2018年4月に新色の新色の(PRODUCT)REDが発売されたこともあり、もうしばらく人気は続きそう。
防水・防塵性能もIP67と高いので、アウトドア好きから日常的な利用まで広いユーザーにおすすめ。
iPhone 8 64GB のスペック
- 防塵・防水性能:IP67
- バッテリー:iPhone 7とほぼ同じバッテリー駆動時間
- 参考価格:78,800円
- 発売:2017年秋モデル
HTC U11
画像引用元:http://www.htc-shop.jp/
auやソフトバンクで発売されているキャリアモデル「HTC U11」のSIMフリー版。最新のハイエンドSoC「Snapdragon 835」を搭載し、IP6/7等級の防水とIP6X等級の防塵仕様を備える。
SIMフリースマホとしては高額だが、ハイエンドモデル並みの機能を備えておりヘビーユーザーでも満足できる。
HTCの直販サイト「htc e-Shop」でキャリア版には無いソーラーレッドのみの取り扱い。
HTC U11 のスペック
- 防塵・防水性能:IPX7(IP67)
- バッテリー:3000 mAh
- 発売:2018年春モデル
HUAWEI P20
画像引用元:https://consumer.huawei.com/jp/phones/p20/
国内のSIMフリースマホではトップシェアのHUAWEI(ファーウェイ)のハイエンドモデル。AIに最適化した「Kirin 970」オクタコアプロセッサー搭載。Leicaのダブルレンズカメラ搭載で夜景の撮影や室内での撮影では特に威力を発揮する。
防水・防塵性能は少し落ちるもののハイスペック機種でカメラ好きには特におすすめ。価格で悩む場合はHUAWEI P20 lite(SIMフリー)も出ているが、防水・防塵性能はついていないのが残念。
HUAWEI P20 のスペック
- 防塵・防水性能:IP53
- バッテリー:3400mAh
- 参考価格:69,800円
- 発売:2018年夏モデル
防水・防塵性能を過信しすぎないで。海水やプールは保障対象外
最近では高い防水・防塵性能を備えお風呂やプールで使えるスマホも増えましたが、Appleの公式サイトでは
iPhone 8とiPhone 8 Plusは防沫性能、耐水性能、防塵性能を備えており、実験室の管理された条件下でのテストにより、IEC規格60529にもとづくIP67等級に適合しています。防沫性能、耐水性能、防塵性能は永続的に維持されるものではなく、通常の使用によって耐性が低下する可能性があります。iPhoneが濡れている場合は充電しないでください。クリーニングと乾燥の方法についてはユーザガイドをご覧ください。液体による損傷は保証の対象になりません。
と記載されています。
防水・防塵性能は実験室の管理された条件下でのものであり、防水のために部品の間に挟まれているゴムパーツは経年劣化で耐性が低下するということなのです。
防水・防塵性能の実験で利用されるのは常温(5℃~35℃)の水道水などを利用しており、海水(塩水)やプールの水(塩素水)、お風呂のお湯などは想定していません。最高レベルのIP68のスマホであっても海水やプールの水の場合は壊れる可能性があるのだということは覚えておきましょう。
そもそもAppleは液体による水濡れの故障は保証しないとしっかり記載しています。IP67等級に適合しているけれど、やはり壊れることもありますよということですね。
海水浴やプール、アウトドアなど屋外の水場やキッチン・お風呂の中などでスマホを利用する場合は、スマホの防水・防塵性能を過信しすぎずにスマホ用の防水ケースを利用するように気をつけましょう。
防水性能の高いアウトドア用やスポーツ用のハードケースは少し値段が高いのがネックですが、衝撃や砂埃などにも耐えるなど安心して利用することができます。
海水浴やプールの時だけの利用なら安価なビニールなどのソフトタイプが便利です。ストラップで首からかけられたり一緒に小銭など小物も入れることができるタイプは海やプールに最適です。
また、いくら防水性能が高くても水没したまま見付けられなかったらアウトですが、水中に落とした場合も沈まず紛失を防いでくれる商品なら安心してスマホを水辺に持って行けそうです。
防水・防塵性能の高いスマホにケースを併用して、夏のアウトドアを存分に楽しみましょう。