スマホというと、皆さんはどのような形を想像するでしょうか。
きっとほとんど多くの方が、1枚の長方形の板にディスプレイが搭載されているシンプルなものを想像するのではないでしょうか。
そしてサイズは小さくても5インチ前後はあり、インターネット閲覧や動画視聴に長けている、スマホといえばそんなイメージが定着していると思います。
GalaxyやiPhoneやHUAWIなんかはまさにそういった機種ですし、日本でも世界でも受け入れられシェアを広げています。
そんなスマホ市場にあって最近、「Jelly Pro」や「M Z-01K」のような、まさかの個性派機種が出てきました。このページでは、そんな2機種を紹介します。
超小型!Jelly Pro
最初に紹介するJelly Proは、なんと2.45インチディスプレイという超小型機種です。
スマホといえば大画面が当たり前になってきた中、中国のスマートフォンメーカーUnihertzは、小型化と携帯性に重きを置いてきたのです。
Jelly Proのスペックは以下のようになります。
Jelly Pro | |
---|---|
OS | Android 7.0 |
CPU | MediaTek MT6735(1.44GHz) |
サイズ | 約92.4mm(高さ)× 約43mm(幅)× 約13mm(厚さ) |
重さ | 約60.4g |
ディスプレイ | 2.45インチ(432×240) |
RAM | 2GB |
ROM | 16GB |
外部ストレージ | microSD対応 |
背面カメラ | 約800万画素 |
正面カメラ | 約200万画素 |
バッテリー | 950mAh |
コネクタ | micro USB |
イヤフォンジャック | あり |
防水・防塵 | なし |
SIM | デュアルSIM、デュアルスタンバイ |
iPhone SEを遥かに下回るサイズ
Jelly Proで注目すべきは、やはりなんといっても約92.4mm(高さ)× 約43mm(幅)× 約13mm(厚さ)という小ささと、約60.4gという軽さですね。
参考までに、同じく小型であることを売りにしているAppleのiPhone SEでも約123.8mm(高さ)×約58.6mm(幅)×7.6mmで重量は約113gあります。
iPhone SEでも十分小さいとか、時には小さすぎるのがデメリットと感じることもあるサイズなのに、Jelly Proは本当に徹底して小型化されています。
ここまで小さいとただ文字入力するだけでも大変なのですが、どこまでスマホを小さくできるかという技術面での意気込みを感じます。
スペックは高くない
小さいだけであくまでAndroidなので、基本的に他のAndroid端末でできることはJelly Proでもできます。インターネット閲覧はもちろん、動画視聴やゲームだって動作します。
ただ、機種のスペックは低いです。
RAMが2GBしかないことや950mAhのバッテリーなどを見るに、快適に使える機種かは少々疑問です。
その代わり値段はAmazonで税込13,799円と安いです。コスパで考えるなら全然悪くありません。
Jelly Proの購入方法
Jelly Proは日本の通信会社からは発売されていません。
また、HUAWEIのように家電量販店の店頭で購入できるものでもありません。メーカーのUnihertzがまだ日本市場に本腰を入れていないためです。
こういった場合、海外のものを取り寄せるか、国内の中古ショップに出回っているのを買うなどの手段が必要になるのですが、実はJelly Proは日本のAmazonで扱われています。
それも、Unihertzが販売している正規品です。
こちらのページがAmazonの販売ページとなります。→Jelly Pro
すでに100件以上のカスタマーレビューがありますね。
やはり超小型機種であることにひかれて買われた方が多いようで、サイズに対する満足の声が目立ちます。
ただバッテリーが保たないという声も多いですね。スペック通りとはいえ、実際に使ってみると改めて不便に感じたのかもしれませんね。
また、説明書は英語のみです。
とはいえ、国内のAndroid端末と中身は同じなので、セットアップ時に言語を日本語にすれば問題ありません。
初回起動時の最初に言語選択画面が出てきますので日本語を選択しましょう。その後のWi-Fi設定やGoogleアカウントログイン等は日本で販売されているAndroid端末と同じです。
ちなみに対応言語は以下のようになっております。
アラビア語、ブルガリア語、ベンガル語、チェコ語、デンマーク語、ドイツ語、ギリシヤ語、英語、アメリカ、スペイン語、エストニア語、フィンランド語、フランス語、ヒンディー語、クロアチア語、ハンガリー語、アルメニア語、インドネシア語、イタリア語、日本語、カザフ語、韓国語、リトアニア語、ラトビア語、マレー語、ビルマ語、ノルウエー語、オランダ語、ポーランド語、ポルトガル語、ポルトガル語、ルーマニア語、ロシア、スロバキア語、スロベニア語、セルビア語、スウエーデン語、タイ、フイリピン語、トルコ語、ウクライナ語、ベドナム語、中国語、簡体字中国語、伝統的な中国語
国内特有のサービスには対応していない
Jelly Proは、おサイフケータイやワンセグ・フルセグなど日本ならではのサービスには一切対応していません。
そういったものを普段から使用されている方にはオススメできない機種となります。
また、防水・防塵使用でないことにも注意です。
Jelly Proのネットワーク周波数帯
Jelly Proの対応しているバンドは以下のとおりです。
GSM: 850(Band5)/ 900(Band8)/ 1800(Band3)/ 1900(Band2)MHZ
WCDMA: 850(Band5)/ 900(Band8)/ 1700(Band4)/ 1900(Band2)/ 2100(Band1)MHZ
FDD-LTE: Band 1/2/3/4/5/7/8/12/17/19/20
TD-LTE: Band 40
注意点としては、au回線のSIMではデータ通信のみの対応となります。
ドコモ、ソフトバンク回線のSIMでは通話含め概ね大丈夫ですね。ドコモのプラチナバンド(Band19)にもソフトバンクのプラチナバンド(Band 8)にも対応しています。
ただドコモでもFOMAプラスエリアには非対応となっています。
ご自身の環境で使用できるか、気になる方は通信会社に問い合わせたほうがよいと思います。
その通信会社が発売していない機種でも、対応バンドをいえば通信会社はわかりますし、SIMフリー端末でも回線については責任を持って答えてくれますので気兼ねなく聞いてください。
Amazonで買えるJelly Proは総務省の技適マークも付いているので安心です。後ろめたいことは何もありません。
機種に関するサポートはキャリアでは受けられない
通信回線についてはドコモなど通信会社が力になってくれますが、Jelly Proという機種に対するサポートはしてくれません。
例えば、Jelly Proの使い方がわからないから教えてもらいたいですとか、故障してしまったから修理してほしいですとか、そういってドコモショップやソフトバンクショップに持ち込んでもサービス対象外とされてしまうでしょう。
もしかして使い方についてなら、Android端末は共通しているので、その通信会社と契約していれば優しい店員が教えてくれるかもしれません。Jelly Proだけの特別機能というのはありませんので。
しかし故障については本当にどうしようもありません。
通信会社のサポートを手厚く受けたい方は、Jelly Proに限らず通信会社以外から機種を買うべきではないといえますね。
小さくてコストパフォーマンス抜群の機種!
総評としては、Jelly Proはコスパが高く、必要最小限の機能があればよく、携帯のしやすさを重視している方には嬉しい機種となっています。
動画視聴やゲームはしない、あくまでも携帯電話として便利であればよい場合は非常にオススメです。
サブ機として購入するのも非常にいいですね。
音楽プレイヤーとして使うのもあり!
逆にこれだけ小さければ、音楽プレイヤーとしては他の大きなスマホよりよさそうです。思えばウォークマンやiPodといった有名な音楽プレイヤーも、これくらい小さなものでした。
また、Jelly Proにはイヤフォンジャックが付いています。
昨今のスマホにはiPhoneを筆頭に、イヤフォンジャック廃止の流れがあります。確かにワイヤレスイヤフォンも普及してきてもいますが、まだまだ有線のイヤフォンやヘッドフォンを使いたい方が多いのも事実です。
Jelly Proは有線のイヤフォン・ヘッドフォンを使って外で音楽を聞きたい方にもうってつけの機種といえます。
画面が2つの折りたたみ式スマホ!M Z-01K
画像引用元:https://www.nttdocomo.co.jp/product/smart_phone/z01k/
次に紹介するのは、ドコモ発のM Z-01Kという機種で、製造は中国のZTEという米国のスマホ市場では4位のシェア率を誇る会社です。
この機種なんとディスプレイを2つ搭載した折りたたみ式のスマホです。
ぱっと見ではスマホが2台並んでいるようにも感じますね。
M Z-01Kのスペックは以下のようになっています。
M Z-01K | |
---|---|
OS | Android 7.1.2 |
CPU | Snapdragon 821(Qualcomm MSM8996SG) 2.2GHz(デュアルコア)+1.6GHz(デュアルコア) クアッドコア |
サイズ | 約151mm(高さ)× 約72mm(幅)× 約12.1mm(厚さ) |
重さ | 約226g |
メインディスプレイ | 5.2インチ、フルFHD(1920×1080) |
サブディスプレイ | 5.2インチ、フルFHD(1920×1080) |
RAM | 4GB |
ROM | 64GB |
外部ストレージ | microSDXD(256GB) |
背面カメラ | 約2,030万画素 |
バッテリー | 2,930mAh |
コネクタ | USB Type-C |
イヤフォンジャック | あり |
5.2インチ×2のディスプレイ!
画像引用元:https://www.nttdocomo.co.jp/product/smart_phone/z01k/
M Z-01Kは5.2インチディスプレイを2つ搭載しているわけですが、この2枚のディスプレイで別々のアプリを起動することもできれば、2枚でひとつのものを映すこともできます。
インターネットブラウザを開きながら友人とLINEするなどできるのはとても便利そうですね。
また、スマホで漫画や雑誌を読む際に、2枚のディスプレイでまるで本当に雑誌を開いているかのように読むこともできます。
4つのモードにかんたん切り替え
M Z-01Kには以下の4つのモードがあります。
- 大画面モード……メインディスプレイとサブディスプレイを1つの画面として使用したり、メインに一覧、サブに詳細を表示したりして使用できるモード。
- 2画面モード……メインディスプレイとサブディスプレイでそれぞれ別の機能やアプリを操作できるモード。
- ミラーモード……メインディスプレイとサブディスプレイに同じ内容を表示し、各ディスプレイから操作できるモード。
- 通常モード……メインディスプレイのみを操作する、普通のスマホと同じように使えるモード。
上で紹介した使い方の例に当てはめると、インターネットブラウザを開きながら友人とLINEするのは2画面モードですね。
スマホで漫画や雑誌を読む際に2枚のディスプレイでまるで本当に雑誌を開いているかのように読むのは大画面モードとなります。
これら4つのモードは、画面下部のナビゲーションバーに表示される切り替えメニューをタップするだけで簡単に切り替えることができます。
ディスプレイを折ってスタンドにすることも!
2枚のディスプレイは画面を表示するだけでなく、折ってスタンドとして使うこともできます。
スマホを立てるためにスマホスタンドを購入された経験のある方は少なくないと思いますが、M Z-01Kであれば角度調整も自由な「専用スタンド」が付いてくるわけです。
また、折っているときにも画面は表示できますから、向かいにいる友人と同じ画面を見て楽しんだり、話し合ったりすることもできますね。
スペックも悪くない!
こういった奇抜なアイデアのスマホは、どこかスペックは低いイメージがあるのですが、M Z-01Kはそんなことないですね。
普段使っていて遅いなどと体感することはほとんどないのではないでしょうか。
ただCPUのSnapdragon 821は決して最高クラスではないのでハイエンド機とはいい難いです。
ドコモから世界で販売!
M Z-01Kはドコモ発のスマホとして、海外でも販売されています。ドコモ発の端末がグローバル機種として発売されるのはこれが初めてだそうです。
もちろん日本では他の機種と同様に購入できます。
値段は税込92,664円です。決して安くはないですが、大きな個性を持った機種なのでそのくらいの価値があるといえそうですね。
2つの機種から感じる懐かしい香り
画像引用元:https://www.fmworld.net/product/phone/f-09a/
今回紹介した個性派スマホはどちらも斬新ですが、一方では懐かしさを覚えます。
まだスマホが世に出てくる前、日本の携帯電話市場は今とはまた違う熱気と賑わいに満ちていました。
国内電機メーカーの多くが自社の携帯電話の開発を手がけ、お互い競うように独特のデザインや機能を創造していったのです。
スライド式やキーボード付き、極小サイズや回転する画面等など――。
しかしそうした携帯電話の独創的な発展は、やがて「ガラパゴス」と批判的に評されるようになりました。
各社が内々に開発していたことと、国内サービスに特化していたせいで、世界の市場に売り出せなかったためです。
その反動なのか、国内メーカーは次々と携帯電話市場から撤退したり海外メーカーに買収されたりして、今では国産より海外産の機種のほうが多くなりました。
そしてスマホ市場は、良くいえば標準的な、悪くいえばどれも似たような機種で溢れるようになりました。
今回の2機種も、どちらも中国メーカーの開発であり、何よりAndroidという世界標準のOSを搭載しているため、ガラパゴス時代の日本メーカー産とはまったく違います。
ただ、そうとわかっていても、この2機種の独創的なアイデアとコンセプトからは、どこか懐かしい時代の匂いを感じます。
どちらの機種も需要はニッチでしょうし、売上が悪ければ後継モデルも出ないかもしれません。
逆に一定の売上を記録し、需要の高さを証明すれば、他社もそれに追随したり、新たな需要を創出しようと動いたりするかもしれません。
今後のスマホ市場がどうなるかという意味でもこの2つは注目の機種ですね。