夏モデル最強スペックとも噂されるASUS(エイスース)のスマートフォンがZenFone 5Z。先行して発売されたZenFone 5のスペックをさらに強化したハイエンドモデルとして注目を集めています。
台湾に本社を置くASUSは、主にPCと周辺機器を手掛けるメーカーです。近年、日本のSIMフリー市場に本格的に参戦し、コストパフォーマンスに優れた端末を販売していることで、日本国内でも人気を獲得しています。
本記事では、そんなZenFone 5Zを辛口レビュー。基本スペックから各社の販売価格にいたるまで、まとめて紹介します。
ZenFone 5は多くの格安SIMで販売されていますが、ZenFone 5Zは現在「IIJmio、NifMo、LinksMate、エキサイトモバイル、DMMモバイル」の5社のみが取り扱っています。
機種 | Xperia 5 V | AQUOS sense8 | TORQUE G06 | Xiaomi 13T |
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本体 | ||||
価格 | 82,800円~ | 39,100円~ | 59,800円~ | 39,790円~ |
特徴 | 高性能チップ搭載 ハイエンドスマホ | コスパに優れた ミドルレンジスマホ | 小型&軽量な 高耐久スマホ | 高性能カメラ搭載 ハイエンドスマホ |
購入 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
ZenFone 5Zの特徴
画像引用元:https://nifmo.nifty.com/promo/smp_set/z5z.htm
基本スペック
■ZenFone 5Z | |
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サイズ(高さ×幅×厚さ) | 約153mm × 約75.6mm × 約7.7mm |
重さ | 約165g |
ディスプレイ | 約6.2インチ |
解像度 | フルHD+(1,080 × 2,246) |
OS | Android 8.0 / ZenUI 5.0 |
CPU | SDM845 2.8GHz オクタコア |
GPU | Adreno 630 |
メモリ(RAM/ROM) | 6GB / 128GB |
外部メモリ | microSD (最大2TB) |
バッテリー | 3,300mAh |
連続通話時間 | 1,680分 (VoLTE) |
連続待受時間 | 396時間 (VoLTE) |
アウトカメラ | 約1,200万画素 + 800万画素 |
インカメラ | 約800万画素 |
Bluetooth | 5.0 |
通信機能 | 無線LAN: IEEE802.11a/b/g/n/ac (周波数帯域:2.4GHz/5GHz) |
キャリアアグリゲーション | 2CA / 3CA |
SIMカードスロット | nanoSIMスロット × 2 |
生体認証 | 指紋認証/顔認証 |
おサイフケータイ | × |
カラー | スペースシルバー/シャイニーブラック |
デザインは流行りのベゼルレス&極小ノッチ
ZenFone 5Zはベゼル(額縁)を可能な限り狭くし、上部にはノッチ(切り欠き)を取り入れたiPhone Xライクなデザイン。さらに縦横比19:9の縦長「Super IPS+液晶」を採用することで、画面占有率90%の6.2インチの大画面を実現しました。
背面には2基のカメラと指紋センサーを配置し、表面は特殊なガラスパネルで覆われています。ZenFone 3から継承されているスピン加工が施されたアルミニウムボディもクールな印象です。カラーはスペースシルバーとシャイニーブラックの2色展開。
他社ハイエンドモデルとのサイズ比較
サイズを他社のハイエンドモデルと比較すると以下のようになります。
ZenFone 5Z | iPhone X | Galaxy S9+ | |
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サイズ(高さ×幅×厚さ) | 153×75.6×7.7mm | 143.6×70.9×7.7mm | 158×74×8.5mm |
ディスプレイ | 6.2インチ | 5.8インチ | 6.2インチ |
重さ | 165g | 174g | 187g |
ディスプレイのサイズが近いハイエンド機であるアップルのiPhone XとサムスンのGalaxy S9+に比べ、横幅はわずかに広めですが、重さは165gで最軽量。6.2インチの大画面と携帯性を両立していると言えます。
スペックは2018年夏時点で最強クラス
画像引用元:https://mvno.dmm.com/terminal/asus-zenfone5z-zs620kl.html
CPUはスマホ向けプロセッサ市場を独走するQualcomm(クアルコム)の最新プロセッサ「Snapdragon 845」。最大2.8GHzのオクタコアが備わった現時点で最高のプロセッサで、2018年夏モデルではGalaxy S9やXperia XZ2にも採用されています。
複数のアプリケーションを起動した際などに必要になるメモリは6GBを搭載し、データを保存するストレージも128GBと大容量です。ベンチマーク計測の定番アプリ「Antutu」でも、iPhone X並みの27万点前後のスコアが報告されており、間違いなく夏モデル最強クラスのスペックを誇ります。
◎大画面&高スペックでゲームや動画再生向き
6.2インチの大画面ディスプレイは、明るく、発色に優れるSuper IPS+液晶。大迫力で高精細な映像を再生できるので、NetflixやHuluなどの動画配信サービスや要求スペックの高いゲームとの相性が良好です。
高負荷な処理も難なくこなす高いスペックはゲームプレイ向きで、流行りのモバイル向けFPS/TPSの「PUBG MOBILE」や「荒野行動」、「アイドルマスターシリーズ」など3Dライブ機能がある音ゲーなども快適に動作します。
また、ゲーム向けのカスタムされた「Game Genie」は、ゲームプレイ時のボタン入力を無効にすることで誤動作を防いだり、ゲームプレイをそのままライブ配信したりできるゲーマーフレンドリーな機能です。ZenFone 5Zは、スマホをゲームや動画再生でフル活用したいというユーザーにはぴったりの1台でしょう。
△19:9対応コンテンツが少ない
19:9の6.2インチディスプレイは魅力ですが、現状縦長ディスプレイに対応したコンテンツがほとんどないのは残念。全画面で表示すると、上下が若干切れた形で表示されることがあります。ですが、縦長ディスプレイは現在のスマホのトレンドのひとつですから、今後対応アプリやコンテンツが増えていく可能性が高いです。
実際App Storeでは、2018年7月以降、アプリケーションのiPhone Xへの対応が必須となりましたので、Androidにもその流れが来る日は近いのではないでしょうか。
画質最強は有機ELディスプレイか?
2018年時点の最高画質は、好みはありますが、一般的には有機EL(OLED)ディスプレイといわれています。そのため、有機ELを採用しているiPhone XやGalaxy S9、HUAWEI P20 Proなどが現在の画質最強のスマホです。
とはいえ、Super IPS+液晶も十分に高画質なので、並べて比べないと違いがわからないレベルの話。ユーザーの評価を見ても、ディスプレイの評価は高いので、画質にこだわりがある方も安心して購入できます。
バッテリー持ちも良好
画像引用元:https://mvno.dmm.com/terminal/asus-zenfone5z-zs620kl.html
ZenFone 5Zのバッテリーの容量は3,300mAh。ZenFone 4の上位機種ZenFone 4 Proの3,600mAhから容量こそ落ちたものの、バッテリー持ち時間は良好で、VoLTE時の連続待受時間が約396時間、連続通話時間が約1,680分です。出先で動画を見たり、アプリゲームをしたりした場合でも、丸1日は充電が持ちます。
ほかにも「 ASUS Boost Masterテクノロジー」により、32分で約50%の急速充電が可能であったり、AI充電でバッテリーの寿命自体が延びたりと、バッテリー周りの機能が充実しています。
高速なキャリアアグリゲーション通信
LTE通信は3つの周波数帯を束ねて使用するキャリアアグリゲーション(3CA)に対応。通信時に速度が最大となる組み合わせを自動で選択し、下り最大800Mbps・上り最大150Mbpsの高速通信が利用できます。
ただし、あくまで通信速度はキャリア依存なので、最大の性能を発揮できない場合もあります。とくに格安SIMでは3CAの恩恵を感じにくいかもしれません。
2つのSIMが使えるDSDV(デュアルSIM・デュアルVoLTE)対応
2枚のnanoSIMカードを挿せるデュアルSIM仕様も特徴的。ドコモ、au、Y!mobileの3社VoLTEに対応し、LTE通信2回線を同時に待ち受けることが可能です。
仕事用とプライベート用の2つの電話番号を1台で運用する場合や、キャリアの通話SIM+MVNO(格安SIM)のデータSIMで使うなど、特殊なケースにも対応できます。
VoLTEとは?
VoLTE(ボルテ)は、LTE通信を利用した新しい音声通話システム。スマホでの音声通話は、これまでデータ通信にLTE通信、音声通話に3G回線を利用していましたが、VoLTEの場合はスマホの音声通話にLTE回線を利用します。ユーザーはより高音質で低遅延な音声通話のやり取りが可能になります。
描画力に優れたデュアルカメラを搭載
画像引用元:https://www.iijmio.jp/device/asus/zenfone5z.jsp
ZenFone 5/5Zは、ZenFone 4で採用していた1200万画素センサーと800万画素センサーのデュアルカメラを継承しました。メインカメラには暗所での撮影にも強いF1.8レンズ、セカンドカメラには集合写真や景色の撮影で活躍する120°の広角レンズをそれぞれ採用しています。
撮影時は高機能なAIシーン分析が被写体に応じて「ピープル / フード / ドッグ / キャット / サンセット / スカイ / フィールド / オーシャン / フラワー / グリーン / スノー / ナイト / ステージ / テキスト / QRコード / トライポッド」」の16種類から最適なモードを選択。シャッターを切るだけでプロのようなクオリティの1枚を撮影可能です。
さらに動画撮影も4K画質(3840×2160)で撮影できるので、写真と動画の好きな方で思い出を残しておくことができます。動画も撮影するなら、128GBの内部ストレージ、microSD(最大2TB)の外部ストレージ、ASUS WebStorage サービス(5GB無料)と保存容量が大きいのも嬉しいです。
ユーザーをサポートするAI機能
ユーザーの操作やスマホの快適な動作をサポートするAI機能も搭載されています。主なAI機能は以下の通りです。
- AI POWER:負荷のかかる処理のパフォーマンスを最適化
- AI充電:過充電を防ぎ、バッテリーの寿命を長持ちさせる
- AI Display:環境に合わせてディスプレイの色温度の自動調整を行う
- AI着信音:周囲の音に合わせて着信音を調節する
- AIシーン分析:被写体に応じて16のシーンタイプから撮影モードを選択する
- AI Photo Learning:好みの写真エフェクトを学習し、自動で加工を提案する
ZenFone 5の方には、さらに最大で15%性能をアップするAIブースト機能も搭載されています。
◎最新モデルのなかでも最高のコストパフォーマンス
ZenFone 5Zは、2018年夏モデルのハイエンド機のなかでも最高クラスのスペックで、デザインはトレンドを抑えたベゼルレス&縦長ディスプレイ。
想定販売価格は69,800円(最安値は後述)となっており、iPhone Xの端末価格は定価だと10万円を超えていることを考えるとコストパフォーマンスに優れた機種です。
△国内向け機能は非対応なのが残念
ZenFone 5/5Zは、おサイフケータイやワンセグ・フルセグといった日本国内向けの機能に対応していないのが残念なポイントです。
日頃の買い物にクレジットカードやカードでの電子マネー決済を使用している方は、あまり関係ありませんが、iPhoneではApple Pay、Galaxy S9ではおサイフケータイが利用できることを考えると、海外メーカーのハイエンド機の中でも、使い勝手が一段落ちます。また、防水防塵機能も非対応で、ハードな使い方には向いていません。
ZenFone 5Zの購入方法
ZenFone 5Zを購入するには、格安SIMの契約とセットで購入するか、SIMフリー端末を購入するかのどちらかになります。
ラインナップが弱いことが多い格安SIMで、正規に購入できるのは大きなメリットですが、一方キャリアユーザーにとっては、SIMフリー端末としてしか購入できないのはデメリットです。
格安SIMとセットで購入
ZenFone 5は多くの格安SIMで販売されていますが、ZenFone 5Zは現在「IIJmio、NifMo、LinksMate、エキサイトモバイル、DMMモバイル」の5社のみが取り扱っています。
格安SIM | 一括払い | 分割払い |
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IIJmio | 64,800円 | 2,750円×24回 |
NifMo | 64,445円 | 2,686円×24回 |
DMMモバイル | 69,800円 | 3,710円×24回 |
LinksMate | 69,800円 | 分割なし |
エキサイトモバイル | 64,800円 | 2,700円×24回 |
※表示は2018年8月時点の価格(税抜き)
価格は定価の69,800円(税抜き)か、もう少し安いくらいの価格です。キャンペーン等を利用すればいくらか割安で購入可能です。
開催中のキャンペーン
格安SIM | キャンペーン |
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IIJmio | 新規の音声通話機能付きSIMと契約でAmazonギフト券5,000円プレゼント(2018年8月21日まで) |
NifMo | 音声通話対応タイプ3GB契約で17,100円、7GB/13GB契約で20,100円キャッシュバック(2018年8月31日まで) |
DMMモバイル | ー |
LinksMate | ー |
エキサイトモバイル | ー |
キャンペーンを加味すると、NifMoの音声通話対応タイプSIMの7GBか13GBの契約なら、税抜きで実質44,345円と最安値になります。次いでIIJmioの音声通話付きSIMの契約で実質59,800円です。
オンラインショップでSIMフリー端末を購入
オンラインショップからでもSIMフリーのZenFone 5Zを購入できます。公式のASUSショップをはじめ、ヨドバシ.comやビックカメラ.com、通販サイトのアマゾンなどで販売されています。
2018年8月時点の販売価格は、いずれもほぼ定価で、割引キャンペーン等もないので、購入する場合はポイントの付く店舗がおトクではないでしょうか。
キャリアで使用したい場合はこういったショップで購入し、SIMカードを差し替えて使います。その際、キャリアの補償などは適用されないので、動作確認はしっかり行ってください。
ZenFone 5Zメリット・デメリットまとめ
ZenFone 5Zのメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。
【メリット】
- 処理落ちしないスペックとゲーム向けの機能が揃っている
- 流行のベゼルレスと大画面縦長ディスプレイ
- 格安SIMでハイエンド機を正規に購入できる
【デメリット】
- おサイフケータイなどの国内向け機能に非対応
- IPS液晶は有機ELより若干画質が落ちる
- キャリアで使いたい場合はSIMフリー対応のみ
ZenFone 5Zは買いなのか?
iPhone XやGalaxy S9+といった他社のハイエンドモデルと比べても遜色ない、現行最高クラスのスペックを誇るASUSのZenFone 5Z。ハイエンド機を手に入れたい格安SIMユーザーや、ゲームや動画を大画面で楽しみたいキャリアユーザーは買っても損はしない1台です。
一方おサイフケータイに対応していないなど、海外メーカー製ならではのデメリットもありますので、十分に検討してから決めましょう。
トップ画像引用元:https://www.iijmio.jp/device/asus/zenfone5z.jsp