ソフトバンクのアメリカ放題の契約・設定・使い勝手と高額請求になる注意点

  • 24.03.14
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  • ※本記事は21.01.17に作成された記事です。最新情報は公式ページをご確認ください。

アメリカでの音声通話やモバイルデータ通信、SMSの送受信が無料となるソフトバンクの『アメリカ放題』。アメリカへ行くのなら絶対に利用したいサービスですが、契約や設定はどのように行えば良いのでしょうか。

今回はアメリカ放題の利用を検討している方に向けて、アメリカ放題の使い方、使い勝手、注意点などを詳細に解説します。

アメリカ放題は正しく使えばとても便利なサービスですが、使いこなすためには知っておかなければいけないことがいくつかあります。近々アメリカへ行くという方は是非参考にして下さい。

ソフトバンクのアメリカ放題とは

アメリカで音声通話やネット接続が無料になる

ソフトバンクのアメリカ放題はアメリカ国内での音声通話、ネット接続が無料になるサービスです。

音声通話だけでなくSMSの送受信やモバイルデータ通信まで使用可能なので、アメリカでも日本と同じ使い勝手で携帯を利用できるようになります。

海外パケットし放題とどちらがお得?

アメリカ放題と違い、海外パケットし放題は世界の99.6%もの地域で音声通話・ネット接続が出来るというメリットがあります。

アメリカ以外で携帯を使いたいのであれば海外パケットし放題一択となりますが、アメリカで使用する際はどちらがお得なのでしょうか。

 海外パケットし放題アメリカ放題
利用料金25MBまで0円~1,980円/日
25MB以上で2,980 円/日
無料(キャンペーン終了後は980円/月)
出来ることモバイルデータ通信音声通話・モバイルデータ通信・SMSの送受信
対応機種iPhone/iPad/Android端末iPhone6以降の端末/iPad mini3以降の端末/iPad Air2以降の端末/iPad Pro
申し込み申し込みの必要なし(自動切換)申し込みの必要あり(詳しくは後述)

図を見ると分かる通り、アメリカ国内での携帯利用はアメリカ放題の方が圧倒的に有利です。まず、海外パケットし放題は1日につき最大2,980円もの利用料金が掛かるのに対し、アメリカ放題ではなんと無料です。

また、アメリカ放題は音声通話・モバイルデータ通信・SMSの送受信すべてに対応していますが、海外パケットし放題はモバイルデータ通信のみの対応となり、その他の機能を使うためには別途利用料金が掛かります。

ただし、アメリカ放題は一部のiPhoneやiPadでしか使用することが出来ません。つまり、Android端末を使用している場合はアメリカ放題を使うことが出来ず、海外パケットし放題を利用しなければならないのです。

アメリカ放題の契約方法

世界対応ケータイに申し込む

アメリカ放題を利用するには、世界対応ケータイへの加入が必須です。世界対応ケータイは無料サービスであるため、契約時に加入をしている可能性もありますが、念のため出国前に加入しているかどうか確認しておきましょう。

世界対応ケータイに加入しているか確かめるためには、My Softbankにログイン後、オプション変更を開き、ページに表示されているサービス名称を参照する、という方法が一番手っ取り早いです。

加入していない場合はMy Softbankの「サービスを探す」から世界対応ケータイを検索し加入しましょう。

基本的には申請してすぐにサービスの利用が開始されますが、システムメンテナンスやタイムラグの影響を避けるために出国ぎりぎりで加入するのは避けた方が無難です。

アメリカ放題への申し込み方法は?

アメリカ放題は申し込み不要のサービスです。そのため、世界対応ケータイに加入した段階で利用する準備が完了している状態となります。

ただし、現在行われているアメリカ放題の無料キャンペーンが終了した後は、利用前に申し込みをしなければなりません

キャンペーン終了後の申し込み方法は今のところ不明ですが、現地へ行って利用できなかったという事態を避けるためにも、出国前には必ずキャンペーンが継続中かどうか確認しておきましょう。

アメリカ放題の設定方法

出国前にやっておくこと

まずはホーム画面から設定を開き、キャリアをタップします。すると、自動という項目が出てくるので、オンにしておきましょう。スライドして緑になっていればオン状態となります。

次に、同じく設定画面からモバイルデータ通信を開きます。そこで通信のオプションを選択し、データローミングをオフ4Gをオンにします。これで出国前にやっておくべき準備は完了しました。

アメリカに着いてからやること

アメリカに着いたら携帯の電源を入れ、ネット接続が正常に行われるか確かめましょう。電源を入れてしばらくすると、画面左上に「Sprint」の文字が表示されるはずです。

大抵はスムーズにSprintへ接続されますが、別の携帯キャリアのネットワークに接続してしまうことがあります。しばらくするとSprintに切り替わるので別のキャリアに接続してしまった場合は少し待ちましょう。

別のキャリアに接続してしまっても出国前にデータローミングをオフに設定しているため、モバイルデータ通信が行われることはありませんが、稀に別のキャリアからSprintへ接続が切り替わらないことがあります。

しばらくしても接続が切り替わらない場合は再起動を行ってみましょう。正常に接続できたらアメリカ放題の利用が開始されます。

日本に着いたらすること

アメリカ放題はSprintの電波をキャッチすると利用が開始され、ソフトバンクの電波を受信すると通常回線に戻ります。切り替えは自動で行われるため、自分で何かする必要はありません。

ただ、機内で携帯を使用し、そのまま国内に入った場合は接続が切り替わらないことがあります。

日本に到着してもソフトバンクの電波を受信しない場合は、アメリカに着いた時と同じく再起動をしてみましょう。大抵は再起動をしてしばらく待つとソフトバンクの電波を受信するようになります。

アメリカ放題の使い勝手

音声通話の使い勝手

アメリカ放題を使用している状態での音声通話は途切れることもなくスムーズなものです。基本的には日本国内で通話を行う時と同じように使えると考えておいて問題ありません。

ただし、接続状況が悪い場合や日本アメリカ間で通話をする際は、通話が途切れてしまったり、勝手に切れてしまったりすることがあります。

勘違いしがちなのが、ソフトバンク以外のキャリアを使用している人に通話を掛けても無料だと考えてしまうことです。

確かにこのケースでもアメリカ放題を使用している人は無料で通話を行えるのですが、着信を受けた側がアメリカ放題を使用していない、他のキャリアを利用している場合、着信料が掛かることがあります。

着信を受けた相手からすれば、何気なく電話に出ただけなのに高額な着信料を支払うことになります。そうすると、トラブルとなってしまいかねないので、音声通話を掛ける際は相手がアメリカ放題を使用しているかどうか確認するようにしましょう。

ネット接続の使い勝手


ブラウジングや動画の視聴なども音声通話と同様国内に居る時と同じ使い勝手で行うことができます。あまり知られていませんが、アメリカ放題を使用している際は通信制限が掛かりません

というのも、アメリカ放題を利用してのモバイルデータ通信と国内でのモバイルデータ通信では通信量の計測が別個となっているのです。

そのため、仮に出国前の時点でデータ通信量に規制が入っていても、アメリカでSprintの回線を利用してモバイルデータ通信を行った場合は通信が低速化することなくネット接続を行うことができます。

アプリの使い勝手

モバイルデータ通信を伴うアプリも問題なく使用可能です。しかし、回線状況が悪い場所で通信速度を求められるアプリを起動した場合は、アプリが正常に動作しない強制終了してしまうなどの問題が起きることがあります。

代表的なのは、ソーシャルゲームなどの高速でデータをやり取りするアプリです。特に対戦ゲームなどお互いの通信が良好でないとラグが発生してしまうアプリは電波の良い場所でなければ使用できないと考えておいた方が良いでしょう。

一方、TwitterやFacebook、LINEなどのアプリは問題なく使用することができます。ソーシャルゲームなどをやらないのなら国内と同じ感覚でアプリの使用ができると考えておきましょう。

テザリングの使い勝手


テザリングを行うためには予めテザリングオプションに加入しておかなければいけません。オプションに加入しているのであればアメリカでもテザリングを行うことができます。

Wi-Fiが利用できない場所でノートパソコン等を使用する予定がある方は、出国前にオプションに加入しているか確かめておき、加入していないのであれば申し込みをしておきましょう。

SMSの使い勝手

アメリカ放題の利用者がSMSを送受信するのは無料ですが、アメリカ放題を使用していない、他キャリアを使用している人がアメリカ放題利用者に対してSMSを送信すると送信料(100円/1通)が掛かります。

送信料を取られたくないのであれば、LINEなどお互いが無料で使用できるアプリ等を使ってやり取りするのが良いでしょう。

長期滞在時の使い勝手


アメリカへ留学する、単身赴任をする際にアメリカ放題は最適なサービスと言えるのでしょうか。調べてみたところ、アメリカに長期滞在する人のほとんどはアメリカ放題を利用していない、もしくは通話用にプリペイド携帯を持っていることが分かりました。

理由は以下の通りです。

  • アメリカ国内在住者がアメリカ放題利用者と通話をすると、高額な電話料金を支払うことになる
  • 相手が現地キャリアを使用している場合、電話でのやり取りが不可能なケースがある
  • 滞在地ではSprintに繋がらない、繋がりにくい

アメリカ放題はあくまで自分から電話を掛けた際の通話料が無料になるサービスです。そのため、アメリカ在住者がアメリカ放題利用者と通話をする場合、高い電話料金を支払わなければならなくなります。

また、滞在地がSprintに繋がらない、繋がりにくい場合はアメリカ放題を利用してもモバイルデータ通信や音声通話が出来なくなるため、他のキャリアと契約するなど別の方法を取らざるを得ません。

おすすめなのは、モバイルデータ通信はソフトバンクの携帯で行い、通話はプリペイド携帯を使って行うという方法です。この方法ならアメリカ放題のメリットを活かしつつ、相手に負担を掛けることなく通話をすることができます。

アメリカ放題の注意点

アメリカ国内でも使えない場所がある

アメリカ放題は米国内であればほとんどの地域で使うことができますが、一部使用できない地域が存在します。使用できない地域は以下の通りです。

  1. アラスカ州
  2. モンタナ州の一部地域
  3. グアム・サイパン

よくあるのがグアム・サイパンへ旅行に行ったとき、アメリカ放題が使えずに困るというものです。確かにグアム・サイパンはアメリカの国土・自治領に数えられますが、Sprintがサービスの対象としている地域ではありません。

また、アラスカ州、モンタナ州の一部地域も同様にSprintのサービス対象外地域となっています。その他の地域ではアメリカ放題を利用して、通話やネット接続を行うことが出来ますが、念のためソフトバンクの公式ホームページにて対象エリアを確認しておきましょう。

https://www.softbank.jp/mobile/service/global/overseas/america-hodai/area/

接続状況により使える機能が制限される


既に解説した通り、画面左上に「Sprint」と表示されていればアメリカ放題の利用範囲内となるのですが、実は接続状況によっては使える機能が制限されることがあるのです。

接続状況はSprintに続けてどんな文字が表示されているかを見ることで確認することができます。接続の種類と接続別の利用できる機能をまとめましたので確認してみて下さい。

 Sprint 4GSprint 3GSprint txSprint
使える機能音声通話・モバイルデータ通信・SMS音声通話・モバイルデータ通信・SMS音声通話音声通話
接続強度強い(国内とほぼ同等)やや強い(国内と比べてやや弱い)非常に弱い(通話が出来ないこともある)弱い(通話は問題なく行える)

モバイルデータ通信が行えるのは「Sprint 4G」もしくは「Sprint 3G」の時のみで、それ以外の接続では音声通話のみ使用することが出来ます。

また、モバイルデータ通信が行える「Sprint 4G」、「Sprint 3G」でも3Gの接続強度ではウェブの閲覧やアプリの動作がスムーズでないことが多いです。

最も注意しておきたいのは「Sprint tx」と表示されている時で、この場合モバイルデータ通信はおろか音声通話すら出来ないことがあります

接続強度は屋外に出たり、開けた場所に行ったりすると回復するので、音声通話やネットを利用する際は電波の強い場所を探すようにしましょう。

契約プラン次第で料金が異なる

アメリカ放題の利用料は無料で、契約内容に種類はありませんが、その他の契約状況によって掛かる料金が異なることがあります。

  • データ定額5-50GB(データシェアプラス含む)
  • 家族データシェア 20GB/30GB
  • 法人データシェア専用パック

これらのデータ定額サービスに加入している場合はキャンペーン終了後も無料でサービスを利用することが可能です。しかし、上記以外に加入している、データ定額サービスに加入していない場合はSprintに接続した月のみ980円の月額料金が加算されます。

また、データシェアプラス、家族・法人データシェアを利用している場合、子回線は無料にならないため注意が必要です。

高額請求されてしまう場合がある


データローミングをオフにしていれば問題ないのですが、うっかり忘れてしまった場合は数万円単位の高額請求が来ることもあります。

例えば、データローミングがオンの状態でSprint以外のキャリアへ接続してしまった場合は、その間のモバイルデータ通信料を支払わなければいけません。

注意しておきたいのが、アプリの中には自動で通信を行うものがあるということです。自分の意思とは関係なくアプリが勝手に通信を行ったとしてもモバイルデータ通信料を払わなければいけません。

なので、出国前には必ずデータローミングがオフとなっているか確認するようにしましょう。

音声通話に意外な落とし穴が存在する

アメリカ放題のサービス適用範囲内では、日本もしくはアメリカへの発信が無料となります。しかし、Sprintではなく他のキャリアに接続されている状態で通話を行うと通話料金が掛かってしまうのです。

また、音声通話はモバイルデータ通信とは別枠の回線を使用しているため、例えデータローミングをオフにしていたとしても、発着信をすれば他のキャリアの回線を使用してしまいます。

更に、他キャリアの回線を用いての発着信は割引対象外通話となるため、通常の音声通話より高額な料金を支払わなければいけません。

これらの問題を避けるために、

  1. 発信前・電話に出る前に接続状況を確認する
  2. Sprintに接続されていない状態で音声通話を使用しない

この2点を徹底するようにしましょう。

注意点はあるものの便利なサービスには違いない

アメリカ放題は「正しい知識を持って使えば便利なサービス」と言えるでしょう。利用前は高額請求などのトラブルが起きないよう必ず注意点を確認するようにして下さい。

必ず覚えておきたいのは、

  • データローミングをオフにする
  • 音声通話を行う時はSprintに接続されているか確認する
  • 通話相手に高額な電話料金が掛かるケースがある
  • アメリカ国内でも使えない場所がある

の4点です。注意すべき点を踏まえてさえいれば、音声通話・モバイルデータ通信・SMSが無料となるアメリカ放題を使わない手はありません。


この記事を書いた人
empire
スマホ、PCが大好きなガジェットオタクライター。大手キャリア系の記事を中心に担当し、格安SIMやクレジットカードも執筆中。誰が読んでも分かりやすく、どこよりも詳しい解説を心掛けています。