ドコモでもモバイルWi-Fiルーターを取り扱っています。しかし他社ほど大きく売りに出しているように見えず、どのようなプランなのかわかりにくい印象です。
実際ドコモのモバイルWi-Fiルーターがどのくらい使い易いのか、評判とともに料金や速度についても紹介します。
ドコモのモバイルWi-Fiルーター
画像引用元:Wi-Fi STATION N-01J|製品|NTTドコモ
モバイルWi-Fiルーターは、インターネットに接続するための小型の無線LAN機器のことです。
モバイルWi-FiルーターとポケットWi-Fiを混合されている方も多いようですが、そもそもポケットWi-Fiはソフトバンクの登録商標です。
ドコモでの名称について厳密には「データ通信製品」と呼んでいます。
データ通信製品もポケットWi-Fiもそれぞれのキャリアでの名称であり、どちらもモバイルWi-Fiルーターのことを指しています。
ドコモユーザー向けの料金プラン
ドコモユーザー向けというのは、すでにドコモで音声プランの契約をお持ちの方がシェアオプションでモバイルWi-Fiルーターを契約する場合の料金です。
インターネット接続サービスについては「mopera U シンプルプラン」での契約になります。
スマートフォンの契約に合計で月々1,900円(税抜)追加するだけでモバイルWi-Fiルーターが利用できます。
1,900円だけで持てるなら非常に安く感じますが、端末代が別であること、データ通信容量はスマートフォンで契約しているパケットパックと共有です。
端末代に関してはキャンペーンなどで一括支払い代金が安くなる時もあるので、タイミングによってはそこまで負担になりません。
しかしデータ通信容量はどのくらい利用するかで、スマートフォンで契約しているパケットパックを見直す必要があります。
データ通信単独契約の料金プラン
シェアオプションを利用しスマートフォンのパケットパックとデータ通信容量を共有しない場合、単独でパケットパックを契約することになります。
例えば契約するパケットパックを、「ウルトラデータLパック(20GB)」で契約した場合で計算してみましょう。
上記3点を合計すると毎月7,400円(税抜)の支払いになります。20GB使えるとはいえ、単独契約は非常に高く感じます。
特徴とメリット・デメリット
料金プランだけに囚われずサービスの良し悪しもしっかり検討しましょう。
ドコモのモバイルWi-Fiルーターのメリット・デメリットそれぞれご紹介します。
- 工事不要で即日開通かんたん設定
- 高速で安定した通信
- サービスエリアが広い
- 安心のセキュリティ
- アフターケアがしっかりしている
工事不要・即日開通のメリットはモバイルWi-Fiルーターの一番の強みです。また、ドコモの場合は全国にショップや販売店の数も多いのですぐ手に入れることができます。
ドコモの通信サービスエリアは非常に広く、また通信が安定しているのも魅力です。
速度に関しては2019年3月8日に新端末が発売されたことにより、一部エリアでは受信時最大1,288Mbps、送信時最大131.3Mbpsもの超高速通信が実現しました。
モバイルWi-Fiルーターの中では他社含め国内最速となりました。
インターネット接続サービスでmopera Uを契約することで、「特定サイトブロック」や「ウィルスサイトブロック」を無料で利用できます。
アフターケアに関してはモバイWi-Fiルーターの特徴というより、ドコモの特徴というべき点でしょう。
端末の故障の相談や受付は全国どこにでもあるドコモショップで対応ができますし、補償に入っていれば修理代金の負担も少なく、dポイントで支払うことも可能です。
受信時最大1,228Mbpsってどれくらい速いのか
1,228Mbpsと表記されると若干わかりづらいですが、1,000Mbps=1Gbpsなので要は1Gbps超え速さということになります。
今の光回線が個人で契約する場合大体1Gbpsプランなので、数値だけ見ると光回線並みの速さです。
もちろん有線・無線の違いがありますので光回線の方がより安定してはいるものの、モバイルWi-Fiルーターはどこでも持ち出せるのでこの速さを外で使えるのは魅力的です。
- 月額使用料が高い
- 通信制限がある
意外にもデメリットとして挙げられる点は2つだけでメリットの方がやや優勢に見えますが、実はこの2点がデメリットとして大きすぎる理由になります。
まず月額使用料ですが、単独契約の場合まず他社と比べても非常に高く気軽に契約には踏み出せません。
契約するパケットパックにもよりますが、一番安くできるプランでもベーシックパックのステップ1(~1GB)で2,900円(税抜)、全て合わせて4,300円(税抜)です。
1GBまでしか使えないのに、4,300円は高いです。他社だとWiMAXなら4,380円(税抜)でWiMAX 2+のデータ通信量は上限なし、LTE通信は上限7GBまで利用できます。
ドコモのベーシックパックは段階制で上がっていくので1GBを超える通信になれば次のステップの料金が発生します。
また、auやソフトバンクにはモバイルWi-Fiルーターを契約すると月額使用料が割引になる、auスマートバリュー(ルーター割引)やPocket Wi-Fiセット割があります。
ドコモにはモバイルWi-Fiルーターを契約しても、月額使用料が割引になるサービスがありません。スマートフォンとセットで契約する特別なメリットがないのです。
もうひとつネックなのが通信制限があることです。固定回線の代わりに契約するのであれば20GB使えるウルトラデータLパックでも足りない可能性があります。
他にも家族でシェアパックを契約している場合、自分以外の家族がたくさんデータ通信量を使ってしまえば、自分が気を付けていても制限がかかってしまいます。
通信制限は大きなデメリット
モバイルWi-Fiルーターの利用目的は外でパソコンをインターネットに繋げるだけではありません。
スマートフォンの通信量を節約したり、快適に利用したくて契約する方もいるのではないでしょうか。寧ろそれが目的の方が多いかもしれません。
ドコモのモバイルWi-Fiルーターは、紹介したようにスマートフォンとパケットパックをシェアするか、単独契約の2他通りの持ち方があります。
しかし、パケットパックをシェアする契約だと、スマートフォンで通信制限がかかっているのであればモバイルWi-Fiルーターも同じ状態です。
結局は通信制限が解除される翌月1日まで耐え忍ばねばなりません。
ドコモのモバイルWi-Fiルーターの評判
実際利用している方も含め、ドコモのモバイルWi-Fiルーターに関する評判もまとめました。
- エリアが広いのでどこでも繋がる
- 通信が安定していて途切れにくい
- 設定が簡単なのですぐ使える
メリットにも挙げたように、エリアの広さや安定度を評価する声が多い印象です。
モバイルWi-Fiルーターを利用する方はどこでも使えるが前提で契約を検討する方も多いので、エリアの広さ安定度はドコモならではといった強みでしょう。
- 正直スマートフォンのテザリングで充分
- 月額使用料が高すぎる
- バッテリーが思ったほど持たない
お気づきの方も多いかもしれませんが、外でパソコンを使いインターネットをしたい場合、スマートフォンのテザリングかドコモWi-Fiスポット利用で充分対応できます。
エリアの広さや速度の安定度はスマートフォンでも体感できるドコモ自体のメリットです。
テザリングを使うことでスマートフォンのバッテリーを減らしたくない、受信時最大1288Mbpsを体感したいといった理由でもなければメリットはありません。
ドコモで現在最新機種として販売されているのは「Wi-Fi STATION HW-01L」「Wi-Fi STATION N-01J」の2機種です。
Wi-Fi STATION HW-01Lは3,000mAh、Wi-Fi STATION N-01Jは2,500mAhです。実際の利用者からは半日~1日ほどしか持たないといった声もあります。
使用する場所や状況によるとは思われますが、最近のスマートフォンでも3,000mAh以上の機種が多い中、少し心許なく感じる方がいらっしゃるようです。
月額使用料を安くしないのは何故
ドコモは家族とシェアを組んで利用する家族向けのサービスに力を入れています。割引やキャンペーンも家族単位でのものばかりです。
モバイルWi-Fiルーターも、単独契約よりもシェアを組みデータ通信容量を有効活用するためのアイテムとして展開しているのではないでしょうか。
事実、家電量販店やドコモショップなどで単独契約の月額使用料を他社と比較して相談すると、シェアオプションでの契約を提案されることが主です。
ドコモは数あるサービスの選択肢としてモバイルWi-Fiルーターを取り扱っている印象です。
単独契約の月額使用料は他社と競合してまで安くするつもりはないのかもしれません。
サービスの品質はいいが料金が難点
エリアや速度、通信が安定しているかも重要なポイントではありますが、単独契約であればメリットを超えるほどの月額使用料の高さがネックです。
すでにドコモのスマートフォンを持っていて、テザリングを使うとバッテリー消費が気になるという方は別途モバイルWi-Fiルーターを契約する意味があるかもしれません。
それでも毎月1,900円(税抜)プラスでかかることを考えると、格安SIMでデータプランを契約する方がずっとお得です。
残念ですがドコモのモバイルWi-Fiルーターは、あまり積極的におすすめするのは難しいサービスです。