iPhoneへの機種変更時の度に悩むのは、保証サービスへ加入するかどうか。iPhoneの最新モデルは10万円を超えることもあるので、入っておくと安心です。ショップ店員に勧められるままに加入して、サービス内容はいまいちわからない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ソフトバンクユーザーを対象に、新品のiPhone購入時に入るべき修理・保証サービスを紹介します。2018年の9月にはiPhone XS・iPhone が発売となりますので、機種変更・乗り換え前にチェックしておきましょう。
ソフトバンクで入れる保証サービスは?
2018年8月現在、ソフトバンクが提供しているiPhone向けの保証サービスは「あんしん保証パック with AppleCare Services(以下あんしん保証パック)」の1種類のみ。そのため保証サービス加入したい場合は、アップルが提供している「Apple Care+」との2択です。
あんしん保証パックもApple Care+をベースにしたサービスなので、補償内容等が似ています。どちらかを選ぶ前に、まずはそれぞれのサービス内容を把握しておきましょう。
アップルが提供している「Apple Care」
Apple Care(アップルケア)は、アップルが提供している保証サービスで、iPhone購入時にユーザーが自動的に加入するメーカー保証です。購入日から1年間有効な自然故障への保証サービスに、90日間のテクニカルサポートが付属しています。
iPhoneの故障でよくあるのは、落下による画面割れや、水没による電源不良ですが、こういったトラブルは自然故障ではありませんので、サポート対象外です。不安がある方は、任意で加入する有償サポートの「Apple Care+」や、ソフトバンクが提供する「あんしん保証パック」に加入してください。
メーカーサポートを延長できる「Apple Care+」
有償サポートのApple Care+(アップルケアプラス)は、1年間の自然故障に加え、画面割れのような故障もサポート対象です。
Apple Care+加入者は、保証期間が2年間に延長され、画面割れが3,400円(税別)、その他の修理が11,800円(税別)というサービス価格で、アップル正規店の修理に出すことができます。ただし、サポートを利用できるのは最大で2回までです。
最新のiPhoneをアップルストアに修理に出した場合、代金は画面割れで3万~4万、その他の故障で4万~6万くらいです。前もって保証サービスに加入しておけば、予期せぬ故障が起こった時の財布への負担が軽くなります。
バッテリー交換も利用できる
修理保証のほかにも、保証期間中に使用しているiPhoneのバッテリー容量がスペック上の容量の80%未満になった場合、無償でバッテリー交換を申し込めます。保証対象外のバッテリー交換は3,200円ですので、その分おトクです。
使っていて感じるレベルでバッテリー消耗が激しくなると、なかなかのストレスになりますので、気になったらアップルストアに持ち込むか、配送修理を依頼して対応しましょう。バッテリーの消耗具合については、アップル公式からはリリースされていませんが、バッテリー診断アプリを使用すれば、おおよその消耗具合を調べることも可能です。
Apple Care+を購入する
Apple Care+は、アップルストアやアップル公式サイトから購入します。購入できるタイミングはiPhone購入時か、iPhoneの購入日から30日以内。そのため、ソフトバンクでiPhoneを購入して、後日あらためてApple Care+だけ購入することも可能です。
また、Apple Care+の価格は使用しているiPhoneによって異なります。以下の表は機種ごとの価格をまとめたものです。
機種 | アップルストア |
---|---|
iPhone X | 22,800円 (一括) |
iPhone 8 Plus/7 Plus/6s Plus/6 Plus | 16,800円 (一括) |
iPhone 8/7/6s/6 | 14,800円 (一括) |
iPhone SE/5s/5c | 12,800円 (一括) |
アップルストアや公式サイトからApple Care+を購入する場合は、支払い方法が一括払いのみとなります。購入した時点で2年間のサービス適用が確定し、途中解約や返金はできません。
Apple Care+で修理を依頼する
Apple Care+での修理は、故障したiPhoneの集荷と配達を依頼する「ピックアップ&デリバリー修理」と、アップルストアなどで直接依頼する「持ち込み修理」、新品のiPhoneとの交換を依頼する「エクスプレス交換サービス」の3種類。いずれの修理の場合も、以下のアップル公式サポートから簡単に手続きを進められます。
Apple サポートへのお問い合わせ | Apple 公式サイト
ピックアップ&デリバリー修理
ピックアップ&デリバリー修理では、故障したiPhoneの集荷に来た宅配業者に端末を渡し、その後アップルで修理が完了した製品が返送されてきます。自宅にいながら修理に出せるので非常に便利な反面、修理と配送でやや時間がかかるというデメリットがあります。iPhoneが手元に戻ってくるまで、長いときは1週間程度かかります。
また、操作が可能である場合は「アクティベーションロックの解除、データのバックアップ、デバイスの初期化、SIMカードの取り出し」を忘れずに行いましょう。
持ち込み修理
持ち込み修理は、故障したiPhoneをアップルストアか、正規のサービスプロバイダに持ち込んで修理を依頼します。最短で同日中に修理が完了する可能性がありますので、修理のスピードは配送修理より速いです。
アップルストアにはGenius Bar(ジーニアスバー)というサポート専門の窓口が用意されており、利用する場合は予約が必要になります。そのほか、ソフトバンクショップの表参道店とグランフロント大阪店の2店舗や、カメラのキタムラやビックカメラといった正規のサービスプロバイダに持ち込むこともできます。
持ち込み修理利用時は「Apple IDとパスワード、購入時のレシート、本人確認書類」も持参しましょう。
エクスプレス交換サービス
Apple Care+には特典として、iPhone故障時に新品(あるいは新品相当)のiPhoneとの交換を依頼できる「エクスプレス交換サービス」が付属しています。
サービス利用料金は一律11,800円なので、画面割れの場合は修理に出すより若干割高になりますが、修理に出すことなく、すぐに新しいiPhoneと交換可能です。新品のiPhoneは自宅で受け取ることができるので、修理に出す時間が取れない方も重宝します。
ちなみにエクスプレス交換サービスを利用すると、故障品がアップルに到着するまでの間、一時的にクレジットカードの利用枠が押さえられます。限度額に余裕がない場合や、クレジットカードを利用して欲しくない場合は注意しましょう。
ソフトバンクの「あんしん保証パック with AppleCare Services」
ソフトバンクが提供する保証サービスが、Apple Care+の保証内容を基本としたあんしん保証パックです。Apple Care+とほぼ同様のサービスですが、利用料金や補償内容が若干異なります。
Apple Care+とサービス内容を比較
以下の表はアップルのApple Care+と、ソフトバンクのあんしん保証パックのサービス内容を比較したものです。
サービス内容 | Apple Care+ | あんしん保証パック | |
---|---|---|---|
利用料金 | iPhone X | 22,800円 (一括) | 月額1,160円 |
iPhone 8 Plusほか | 16,800円 (一括) | 月額830円 | |
iPhone 8/7/6s/6 | 14,800円 (一括) | ||
保証期間 | 2年間 | 解約するまで | |
利用回数 | 最大2回まで | 2年ごとに2回まで | |
自然故障 | 無料 | ||
画面修理 | 3,400円 | ||
その他の修理 | 11,800円 | ||
紛失・盗難 | × | 会員価格で提供 | |
エクスプレス交換サービス | 〇(2年間) | ||
持ち込み修理 | 〇 | ||
配送修理 | 〇 | ||
メモリーデータ復旧サポート | × | 無料 | |
その他 | × | 修理代金全額Tポイント付与(交換時はナシ) |
購入した端末がiPhone Xの場合で、2年間の利用料金を計算するとあんしん保証パックが27,840円になりますので、Apple Care+よりも若干割高。その分、無償でデータ復旧を依頼できる「メモリーデータ復旧サポート」、修理代金は「全額Tポイント付与」といったおトクなサービスが充実しています。
ちなみに紛失・盗難時は新しい端末が会員価格で購入で提供されますが、実際は5,000円程度の割引なので、紛失・盗難時の保証については、あまりあてにしない方が得策です。
あんしん保証パックに加入する
あんしん保証パックに加入できるのは、ソフトバンクでiPhoneを購入する時だけです。店員側からの提案があることも多いので、忘れないとは思いますが、加入したい場合は機種変更・乗り換え時に忘れずに申し込みましょう。利用料金はiPhone Xが月額1,160円、そのほかのiPhoneが月額830円です。
あんしん保証パックで修理を依頼する
あんしん保証パック加入時の修理は、ソフトバンクショップかアップルストア、またはアップルの正規サービスプロバイダから申し込みます。アップルへ修理が依頼できる問い合わせ先は以下の通り。公式サイトからの申し込みが簡単です。
問い合わせ先 | 受付時間 | |
---|---|---|
AppleCareサポート | 0120-27753-5 | 平日:午前9時~午後7時 土日祝日:午前9時~午後5時 |
iPhone の画面の修理・交換 – Apple サポート 公式サイト
ただし、3年目以降はアップルストアあるいは、正規サービスプロバイダから申し込んでも割引が適用されませんので、必ずソフトバンクから申し込むように注意してください。ソフトバンクショップに持ち込むか、電話、My SoftBankから修理を依頼することもできます。
問い合わせ先 | 受付時間 | |
---|---|---|
ソフトバンク | ソフトバンクケータイから:113 一般電話から:0800-919-0113 |
午前9時~午後8時 |
【修理代金比較】未加入/Apple Care+/あんしん保証パック、どれがおトク?
以下の表は保証サービス未加入時の修理代金を機種ごとにまとめたものです。
iPhone のモデル | 画面の損傷のみ | その他の損傷 |
---|---|---|
iPhone X | 31,800 円 | 60,800 円 |
iPhone 8 Plus | 19,800 円 | 43,800 円 |
iPhone 8 | 17,800 円 | 38,800 円 |
iPhone 7 Plus | 19,800 円 | 38,800 円 |
iPhone 7 | 17,800 円 | 35,800 円 |
iPhone 6s Plus | 19,800 円 | 36,800 円 |
iPhone 6s | 17,800 円 | 33,800 円 |
iPhone 6 Plus | 17,800 円 | 36,800 円 |
iPhone 6 | 14,800 円 | 33,800 円 |
iPhone SE | 14,800 円 | 30,800 円 |
iPhone 5s、iPhone 5c、iPhone 5 | 14,800 円 | 30,800 円 |
iPhone 4s | – | 22,800 円 |
参照:iPhone 修理サービス料金 – Apple サポート
iPhone Xが画面割れの修理でも3万円を超えていたり、iPhoneの修理代金はいずれも高額。スマホを落としがちな方や、カバーを付けない方は、保証サービスに加入しておくと安心です。
何回目の修理で元が取れる?
保証サービスもただではありませんので、いったい何回目の修理からおトクになるのかは、気になるところです。今回はiPhone Xの修理を例に見ていきます。
2年間の加入代金 | 1回の修理代 | 支払総額 (画面割れ) | 支払総額 (その他の故障) | |||
---|---|---|---|---|---|---|
1回 | 2回 | 1回 | 2回 | |||
未加入 | 0円 | 画面割れ:31,800円 その他:60,800円 |
31,800円 | 63,600円 | 60,800円 | 121,600円 |
Apple Care+ | 22,800円 | 画面割れ:3,400円 その他:11,800円 |
26,200円 | 29,600円 | 34,600円 | 46,600円 |
あんしん保証パック | 27,840円 | 画面割れ:3,400円 その他:11,800円 |
31,240円 | 34,640円 | 39,640円 | 51,440円 |
iPhone Xの例だと、Apple Care+とあんしん保証パックのどちらも画面割れ1回の修理で元が取れます。未加入の場合は、より高額なその他の故障の修理で、約2万~3万円差額が出ていますので、保証サービスに加入している方が明らかにおトクです。
利用料金含めた支払額が最も安いのは、画面割れとその他の故障のどちらもApple Care+でした。ですが、あんしん保証パックは修理代金分のTポイントが付与されますので、実質価格ではあんしん保証パックの方が安くなります。
Apple Care+とあんしん保証パックどちらに入るべきか
Apple Care+とあんしん保証パックを比較してきましたが、どちらの保証サービスに入るべきか悩ましいところです。
「あんしん保証パック」は修理代金全額Tポイント付与がおトク
ソフトバンクが提供している「あんしん保証パック」は、修理代金分のTポイント付与が最大のメリット。保証期間中にiPhoneを修理に出した場合は、支払額の高さよりもポイント付与額の方が大きいので、Apple Care+よりもおトクです。
一方で、デメリットは月額1,160円というそこそこ気になる利用料金。修理が必要なかったときは無駄になりかねないので、これまでスマホを故障させたことがない方には、過剰な保証かもしれません。
また、紛失・盗難時は会員価格で新機種が提供されますが、大体5,000円前後の割引に過ぎないので、大きなメリットとはいえません。
利用料金の安さで選ぶなら「Apple Care+」
2年間の利用料金は「Apple Care+」の方が安いです。補償対象は紛失・盗難は対象外ですが、多くのユーザーにとっては十分でしょう。また、2年間の機種代金の支払いが終わったら機種変更するという方にもピッタリです。
デメリットは契約までの手間。Apple Care+に入りたい場合は、ソフトバンクでiPhoneを購入する際、あんしん保証パックには入らずに、30日以内にアップルでApple Care+に申し込む必要があるので、手順が少し面倒くさいです。利用料金も2年間で5,000円程度の差なので、気にならならい方はiPhone購入時にあんしん保証パックに同時に加入するのがお手軽です。
迷ったら保証サービスに入っておこう
ソフトバンクでiPhoneを購入した場合に加入できる保証サービスは、「Apple Care+」か「あんしん保証パック」の2種類のみ。
状況によってどちらが良いのかが変わってきますが、保証期間中に絶対iPhoneを故障させてしまう自信がある方はあんしん保証パック、それ以外の方はApple Care+に加入しておけば大丈夫ではないでしょうか。
いずれにせよ、購入したiPhoneが高額なモデルであるほど、保証サービスに加入しておいた方が賢明です。