
10月16日に行われたHuawei(ファーウェイ)の新製品発表会で、新型Androidの「Huawei Mate 20」シリーズが発表されました。発表されたのは「Huawei Mate 20」「Huawei Mate 20 X」「Huawei Mate 20 Pro」「Huawei Mate 20 RS」の4機種。
日本での発売は未定ですが、前モデルのMate 10シリーズは、Mate 10 Proのみの発売でしたので、ラインナップが豊富なMate 20シリーズは各モデルが発売されることを期待したいところです。
本記事では、発表されたばかりのMate 20シリーズを発表会の情報をもとに徹底レビュー。一足先に最新Androidを丸裸にします。
Huawei Mate 20 各モデルの特徴は?
画像引用元:HUAWEI Mate 20 | HUAWEI Global
英ロンドンにて10月16日に行われたHuaweiの新製品発表イベントでは、一挙に4機種の新型Androidが発表され、まずはヨーロッパ圏で順次発売となる予定です。
この度発表された「Mate 20シリーズ」は、スタンダートモデルとなる「Huawei Mate 20」、Mate 20のをベースにディスプレイの大画面化が図られた「Huawei Mate 20 X」、シリーズのフラグシップモデルといえる高スペックな「Huawei Mate 20 Pro」、Mate 20 ProをベースにPorsche Design(ポルシェ・デザイン)とコラボした「PORSCHE DESIGN Huawei Mate 20 RS」の4機種。
各モデル共通して、CPUにはHuaweiの新型プロセッサ「Kirin 980」を採用し、背面には3基のカメラが搭載されています。
Huaweiはスマホ市場世界第2位のシェア率
Huawei(ファーウェイ)は中国に本社を置く通信機器メーカー。
日本ではSIMフリースマホ市場に参入したのち、近年ではドコモからHuawei P20 Proが独占販売され、au・ソフトバンクからもHuawei製のスマホがラインナップに加わるなど、知名度が上がってきました。
2018年第2四半期のスマートフォンの世界市場シェアにおいては、Galaxyシリーズで知られるサムスンに次いで、世界第2位にまでシェア率を伸ばし、アップルはいよいよHuaweiの後塵を拝することになりました。
満を持して発売される「Mate 20シリーズ」にも世界中から大きな注目が集まっています。
全モデルに搭載されるKirin 980は現行最高スペック
画像引用元:HUAWEI Mate 20 | HUAWEI Global
AndroidスマホのCPUといえば、米・Qualcomm(クアルコム)社の「Snapdragon (スナップドラゴン)」が有名ですが、Huaweiのスマホには自社系列が開発している「Kirin(キリン)」を採用しています。
「Mate 20シリーズ」に搭載されている「Kirin 980」は従来モデルの「Kirin 970」よりも処理性能が75%、グラフィックス性能が46%向上しています。
2018年秋冬モデルとして発売予定のソニーのXperia XZ3や、サムスンのGalaxy Note9に搭載されている「Snapdragon 845」と比較してもCPU性能が37%も高性能です。
デモでは3Dアプリゲームとして人気のPUBG Mobileで60fpsを維持できる性能であることがアピールされました。処理性能は間違いなく現行Androidの最高峰であるようです。
「SDカード非対応」は気になる
Androidに対応した外部ストレージといえば、定番はmicroSDカードですが、Mate 20シリーズにはmicro SDカードスロットが非搭載。独自規格のNMカードが採用されました。
NMカードはNanoSIMと同じサイズのため、NanoSIMスロットに挿入して使用するとのこと。
独自規格となると、気になるのはNMカードの価格や互換性。
価格の面ではSDカードよりも高額になるとユーザーに負担がかかり、互換性の面ではPC・スマホ間でデータをやり取りする場合などは、どのような方法になるのか気がかりです。
Mate P20 Proのようにおサイフケータイ対応に期待
日本国内で電子マネー等に使用されているFeliCa(フェリカ)は現状日本の独自規格で、海外で主流のNFCとは互換性がありません。そのため、海外メーカーのSIMフリーモデルではほぼ非搭載。
ですが、ドコモから独占販売された Huawei Mate P20 ProにはFeliCaが搭載され、おサイフケータイを利用できたことを考えると、キャリアから発売されるなら対応する可能性が高いと思われます。
Mate 20シリーズが発表された時点では、日本での発売は未発表ですが、Networkには「Japan」の記載があるので、日本国内でもキャリアから発売されることを期待したですね。
Mate 20シリーズのスタンダート「Huawei Mate 20」の特徴
画像引用元:HUAWEI Mate 20 | HUAWEI Global
ここからは具体的に各モデルのスペックを見ていきます。
Huawei Mate 20はシリーズの標準モデル。「メモリ4GB+ストレージ128GB」と「メモリ6GB+ストレージ128GB」の2つの構成から選ぶことができます。
iPhone XSシリーズのようなベゼルレスなデザインで、6.53インチのディスプレイ上部には小さなノッチ。ディスプレイは一般的なIPS液晶が採用され、解像度はフルHD+の2,244×1,080となっています。
シリーズの特徴となる3基のカメラは背面にある正方形のスペースに配置。1,200万画素の広角カメラ、1,600万画素の超広角カメラ、800万画素の2倍望遠カメラという構成で、ドイツのカメラメーカーLeica(ライカ)が監修しました。
また、最近のハイエンドモデルとしては珍しく、Mate 20とMate 20 Xの2機種には、イヤホンジャックが搭載されています。
価格は4GBモデルが799ユーロ(約104,000円)、6GBモデルが849ユーロ(約110,000円)。
Huawei Mate 20のスペック表
スペック | Huawei Mate 20 |
---|---|
発売日 | ヨーロッパ圏:2018年10月16日(国内未定) |
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 158.2×77.2×8.3 mm |
重さ | 188g |
ディスプレイ | 6.53インチIPS液晶 |
解像度 | FHD+ 2,244×1,080 |
OS | Android 9.0 Pie |
CPU | Kirin 980 |
メモリ | 4GB / 6GB |
内部ストレージ | 128GB |
外部メモリ | NMカード (最大256GB) |
バッテリー | 4,000mAh |
メインカメラ | 1,200万画素 広角レンズ(F1.8) 1,600万画素 超広角レンズ(F2.2) 800万画素 望遠レンズ(F2.4) |
サブカメラ | 2,400万画素(F2.0) |
Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 |
おサイフケータイ | 未定 |
ワイヤレス充電 | × |
USB | Type-C(USB 3.1 GEN1) |
イヤホンジャック | 〇 |
カラー | Emerald Green、Twilight、Midnight Blue、Black |
価格 | 4GB+128GBストレージ:約104,000円 6GBメモリ+128GBストレージ:約110,000円 |
Mate 20をベースにした大画面モデル「Huawei Mate 20 X」の特徴
画像引用元:HUAWEI Mate 20 X | HUAWEI Global
Huawei Mate 20 Xは、Mate 20をベースにディスプレイを大画面化したモデル。Mate 20と大きく異なるのはディスプレイで、IPS液晶ではなく有機ELディスプレイを搭載しています。
また、ディスプレイの大きさはスマホとしては驚きの7.2インチ。
バッテリーも5,000mAhと大容量で、長時間の利用にも最適です。
専用オプションとしてゲームコントローラーが用意されていることからも、要求スペックの高いゲームをプレイすることが想定されているようです。
また、別売りの「Huawei M-Pen」に対応しているのは、Galaxy Noteシリーズを思わせます。タブレットのような使い方もできる超高性能スマホという立ち位置です。価格は「6GBメモリ+128GBストレージ」モデルが899ユーロ(約117,000円)。
Huawei Mate 20 Xのスペック表
スペック | Huawei Mate 20 X |
---|---|
発売日 | ヨーロッパ圏:2018年10月26日(国内未定) |
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 174.6×85.4×8.15 mm |
重さ | 232g |
ディスプレイ | 7.2インチ有機EL |
解像度 | FHD+ 2,244×1,080 |
OS | Android 9.0 Pie |
CPU | Kirin 980 |
メモリ | 6GB |
内部ストレージ | 128GB |
外部メモリ | NMカード (最大256GB) |
バッテリー | 5,000mAh |
メインカメラ | 4,000万画素 広角レンズ(F1.8) 2,000万画素 超広角レンズ(F2.2) 800万画素 望遠レンズ(F2.4) |
サブカメラ | 2,400万画素(F2.0) |
Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 |
おサイフケータイ | 未定 |
ワイヤレス充電 | × |
USB | Type-C(USB 3.1 GEN1) |
イヤホンジャック | 〇 |
カラー | Phantom Silver、Midnight Blue |
価格 | 6GBメモリ+128GBストレージ:約117,000円 |
ハイスペックなフラグシップモデル「Huawei Mate 20 Pro」の特徴
画像引用元:HUAWEI Mate 20 Pro | HUAWEI Global
Huawei Mate 20 Proは、Mateシリーズのフラグシップモデル。
CPUは共通ですが、メモリは6GBと8GB、ストレージは128GBと256GBから選べますので、Mate 20/Mate 20 Xよりも高スペックな構成が可能です。
ディスプレイはMate 20 Xと同じく画質に優れる有機ELディスプレイを採用し、解像度は2K+の3,120×1,440。ディスプレイの大きさは6.39インチと、幅がMate 20よりも狭い分、わずかに小さくなっています。
カメラはシリーズ共通のライカ監修のトリプルカメラですが、4,000万画素の広角カメラ、2,000万画素の超広角カメラ、800万画素の3倍望遠カメラとMate 20とは構成が異なります。
インカメラは2,400万画素と同様ですが、正確な「3D顔認証」やリアルタイムの表情を反映する「3Dライブ絵文字」に必要な赤外線センサーとドットプロジェクターがカメラの横に搭載。
その分、ディスプレイのノッチはMate 20よりも広めになっています。
Mate 20/Mate 20 Xにはない機能も
画像引用元:HUAWEI Mate 20 Pro | HUAWEI Global
Mate 20/Mate 20 Xにはない機能として、急速なワイヤレス充電が可能な「HUAWEI Wireless Quick Charge」に対応。さらに、ワイヤレス充電対応の端末に逆にMate 20 Proから充電することもできるというユニークな機能も搭載されています。
指紋認証センサーは背面ではなくディスプレイ内に配置されているのも特徴的。防水・防塵は最高等級IP68が備わっており、よりタフな使い方にも対応可能です。
価格はメモリ6GB+ストレージ128GBのモデルが1,049ユーロ(約130,000円)。
Huawei Mate 20 Proのスペック表
スペック | Huawei Mate 20 Pro |
---|---|
発売日 | ヨーロッパ圏:2018年10月16日(国内未定) |
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 157.8×72.3×8.6 mm |
重さ | 189g |
ディスプレイ | 6.39インチ有機EL |
解像度 | 2K+ 3,120×1,440 |
OS | Android 9.0 Pie |
CPU | Kirin 980 |
メモリ | 6GB / 8GB |
内部ストレージ | 128GB / 256GB |
外部メモリ | NMカード (最大256GB) |
バッテリー | 4,200mAh |
メインカメラ | 4,000万画素 広角レンズ(F1.8) 2,000万画素 超広角レンズ(F2.2) 800万画素 望遠レンズ(F2.4) |
サブカメラ | 2,400万画素(F2.0) |
Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 |
おサイフケータイ | 未定 |
防水・防塵 | IP68 |
ワイヤレス充電 | 〇 |
USB | Type-C(USB 3.1 GEN1) |
イヤホンジャック | × |
カラー | Emerald Green、Twilight、Midnight Blue、Black |
価格 | 6GBメモリ+128GBストレージ:約136,000円 |
リッチなスペシャルコラボモデル「Huawei Mate 20 RS」の特徴
画像引用元:PORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 20 RS | HUAWEI Global
Huawei Mate 20 RSは、Mate 20 Proをベースにポルシェデザインとコラボレーションしたスペシャルモデル。Mateシリーズとしては恒例のコラボとなりました。
スペックはMate 20 Proと同等で、背面が革張り仕様になっている分、厚みが若干厚くなっています。価格は「8GBメモリ・256GBストレージ」で1,695ユーロ(約220,000円)とかなり高額。カラーはスポーツカーをイメージしたレッドとブラックで、どちらも高級感あふれるデザインです。
Huawei Mate 20 RSのスペック表
スペック | Huawei Mate 20 RS |
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発売日 | ヨーロッパ圏:2018年11月16日(国内未定) |
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 157.8×72.3×9.7 mm |
重さ | 187g |
ディスプレイ | 6.39インチ有機EL |
解像度 | 2K+ 3,120×1,440 |
OS | Android 9.0 Pie |
CPU | Kirin 980 |
メモリ | 8GB |
内部ストレージ | 256GB |
外部メモリ | NMカード (最大256GB) |
バッテリー | 4,200mAh |
メインカメラ | 4,000万画素 広角レンズ(F1.8) 2,000万画素 超広角レンズ(F2.2) 800万画素 望遠レンズ(F2.4) |
サブカメラ | 2,400万画素(F2.0) |
Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 |
おサイフケータイ | 未定 |
防水・防塵 | IP68 |
ワイヤレス充電 | 〇 |
USB | Type-C(USB 3.1 GEN1) |
イヤホンジャック | × |
カラー | Black、Red |
価格 | 8GBメモリ+256GBストレージ:約220,000円 |
HUAWEI Mate 20 各モデルの総評は?
リリース前から期待されていたHuawei Mate 20シリーズは、スマホの世界市場シェア第2位の実力が発揮された魅力的なAndroidとなっています。
使い勝手の良さそうなMate 20と上位モデルのMate 20 Proに加え、7インチを超えるディスプレイを搭載したMate 20 X、ポルシェデザインとコラボした超高級モデルのMate 20 RSとラインナップも豊富です。
ネックとなるのは販売価格。日本発売未定のため正確な価格はわかりませんが、ユーロから換算するとMate 20の最安モデルでも10万円を超えます。
SIMフリーで購入するのはなかなかハードルが高いので、割引が効くキャリアからの発売に期待したいところです。
2018年|HUAWEI最新シリーズのレビュー・おすすめ購入方法まとめ
トップ画像引用元:HUAWEI Mate 20 Pro | HUAWEI Global