スマホのディスプレイというと、多くは液晶ディスプレイが採用されています。液晶はテレビやパソコンモニターにも広く使われているため、私たちにとって馴染み深いものです。
これに対して、有機ELディスプレイ(OLED)を採用しているスマホも度々登場します。iPhone Xもそのひとつです。
今はそれほどでもないですが、有機ELディスプレイを採用するスマホは積極的にそのことをアピールする時期もありました。そのため、有機ELディスプレイはすごいものだという印象を持っている方は多いかもしれません。
一方で、具体的にどういうものなのかまではわからないという方も、少なくないのではないでしょうか。このページでは、iPhone Xでも採用された有機ELディスプレイについて解説します。
機種 | Xperia 5 V | AQUOS sense8 | TORQUE G06 | Xiaomi 13T |
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本体 | ||||
価格 | 82,800円~ | 39,100円~ | 59,800円~ | 39,790円~ |
特徴 | 高性能チップ搭載 ハイエンドスマホ | コスパに優れた ミドルレンジスマホ | 小型&軽量な 高耐久スマホ | 高性能カメラ搭載 ハイエンドスマホ |
購入 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
有機ELディスプレイと液晶ディスプレイの違い
画像引用元:https://consumer.huawei.com/jp/phones/p20-pro/
はじめに、有機ELディスプレイと液晶ディスプレイの違いについて見ていきましょう。
有機ELディスプレイと液晶ディスプレイの原理の違い
有機ELとは、有機化合物に電気を通すことで発光する物理現象のことをいいます。そして、発行する有機化合物をディスプレイにしたものを、有機ELディスプレイといいます。
つまり、有機ELディスプレイは、ディスプレイそのものが発光するものなのだと理解してください。
対して、液晶ディスプレイを構成する液晶組成物は、発光しません。液晶ディスプレイが明るく見えるのは、バックライトで照らしているからです。
有機ELディスプレイと液晶ディスプレイの見え方の違い
自ら発光する有機ELディスプレイは、色合いや明るさが液晶ディスプレイより自然なものとなります。
液晶ディスプレイはバックライトで照らしている関係で、どうしても本来の色より白っぽかったり明るかったりしてしまいます。バックライトを消せば解決するかもしれませんが、今度は画面が光らないせいで見づらくなってしまいます(明りのない場所ではまったく見えなくなります)。
しかし自ら発光する有機ELディスプレイは元からバックライトを必要としませんので、自然な色合いかつ光って見やすいのです。
有機ELディスプレイは省エネ
有機ELディスプレイは液晶ディスプレイよりも省電力です。液晶ディスプレイがバックライトに使っている電力を有機ELディスプレイでは丸ごと省けるからです。
大体、有機ELディスプレイに必要な電力は、液晶ディスプレイの7割ほどといわれています。つまり3割減ですね。
スマホであれば、他はすべて同条件の場合、有機ELディスプレイにすれば稼働時間が3割伸びることになります。20時間稼働するスマホであれば、有機ELディスプレイにすることで26時間稼働することになる計算になりますね。
有機ELディスプレイは液晶ディスプレイより薄くて軽い!
有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイと比べて薄く、重量も軽いという特徴を持っています。これをスマホに採用すれば、スマホ自体をより薄くて軽い機種できますね。
有機ELディスプレイは曲げることができる
画像引用元:http://www.lg.com/jp/mobile-phone/lg-G-Flex-LGL23
有機ELディスプレイは、折り曲げることができます。以前、LGが内側に大きくカーブしたLG G Flexというスマホを出していましたが、あれは有機ELディスプレイだからこそ可能になったデザインです。
現在、Samsungなどがディスプレイを折りたたんだり開いたりできるスマホを開発中との話がありますが、それも有機ELディスプレイの成せる技術と見ていいでしょう。
有機ELディスプレイには欠点もある
ここまで紹介した有機ELディスプレイの特徴は、自然な色合いで、省エネで、薄くて軽く、ユニークな使い方もできるといいことだらけでした。しかし液晶ディスプレイより劣る部分もあります。
太陽の下では画面が見えにくくなる。
有機ELディスプレイは、直射日光の下では液晶ディスプレイより見づらくなってしまいます。
有機ELディスプレイにはバックライトがない点を利点としましたが、このバックライトがないせいで最高輝度が液晶ディスプレイほど高くならない場合がほとんどです。そのため、太陽光のような強い光の前には押されて見えなくなってしまうのです。
有機ELディスプレイは「焼き付く」
有機ELディスプレイにはしばしば「焼き付き」という現象が指摘されます。焼き付きとは、同じ箇所にずっと映っていたものが、消した後も跡のように画面上に残ってしまうというものです。
例えばスマホでは、電池残量や時刻等を表示するステータスバーはほとんど変化なく表示されっぱなしになりがちです。これが焼き付いてしまうと、他のものを映しているときにも、ずっとステータスバーの跡が画面上に残ってしまいます。しかも、一度焼き付いたら二度と戻らないとされています。
店頭の展示品のように本当に長時間つけっぱなしにしなければ大丈夫であるという意見も多いですが、焼き付きがリスクとして存在することは間違いありません。
有機ELディスプレイは寿命が短い
有機ELディスプレイの寿命は、液晶ディスプレイの約半分といわれています。ただし、それでも3万時間ほどあり、1日10時間使った場合でも8年保ちます。
スマホはどんなに使い続けても4年でしょうから、使用している途中で寿命を迎えてしまうことはなさそうですね。液晶ディスプレイと比較したら短いというだけであり、製品としては問題ありません。
有機ELを採用したスマホを紹介!
では、ここからは実際に有機ELを採用したオススメ機種を紹介していきます。
iPhone X
iPhone XはiPhoneの中でも今のところ唯一有機ELディスプレイを採用している機種です。
ただ有機ELというだけでなく、解像度もiPhone 8 Plusの1,920×1,080に対してiPhone Xは2,436×1,125ときめ細かく、ディスプレイ性能にこだわり抜いた力作です。画面上部の特徴的なノッチも新しいことへの挑戦の表れですね。
また、有機ELディスプレイで懸念される焼き付きリスクについてもiPhone Xは対策しております。
これもまた予想されることで、「残像」や「焼き付き」など、画面に新しい画像が表示された後も前の画像がかすかに残って映るといった現象も、起きるようになる場合があります。極端な例になると、高コントラストの同じ画像が長い時間表示され続けることもあります。Super Retina ディスプレイの開発にあたっては、こうした OLED の「焼き付き」現象の低減という点でも、業界最高を目指しました。
焼き付きが起こらないとはいっていませんが、しっかり問題を認識した上で、焼き付きにくいディスプレイ(Super Retina ディスプレイ)を開発したということですね。
ディスプレイ以外にも、広角カメラと望遠カメラのデュアルカメラを採用しているなど、最先端のハイエンド機となっています。
指紋認証から顔認証への移行やホームボタン廃止の是非など賛否両論の声が聞こえるiPhone Xですが、これからのスマホ進化の道を示したような、新しい体験をさせてくれる素晴らしい機種です。
iPhone Xのスペック
スペック表 | iPhone X |
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OS | iOS11 |
CPU | 64ビットアーキテクチャ搭載A11 Bionicチップ ニューラルエンジン 組み込み型M11モーションコプロセッサ |
RAM | 3GB |
内部ストレージ | 64GB/256GB |
外部ストレージ | 非対応 |
大きさ | 約143.6mm(高さ)×約70.9mm(幅)×約7.7mm(奥行き) |
重さ | 174g |
ディスプレイ | 5.8インチ(有機EL) |
解像度 | 2,436×1,125 |
背面カメラ | 有効約1,200万画素(デュアルレンズ) |
正面カメラ | 有効約700万画素 |
防水 | IP67 |
生体認証 | 顔認証 |
ヘッドフォンジャック | なし |
バッテリー | 2,716mAh | 通信方法 | FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、66) TD-LTE(バンド34、38、39、40、41、42) TD-SCDMA 1,900(F)、2,000(A) CDMA EV-DO Rev. A(800、1,900、2,100MHz) UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz) GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz) |
値段 | 112,800円(税抜)/129,800円(税抜) |
本当に使ってわかるiPhone Xの良い点・悪い点|レビュー
Galaxy S9/Galaxy S9+
画像引用元:http://www.galaxymobile.jp/galaxy-s9/?cid=jp_ppc_google_s9_20180518
SamsungのフラッグシップモデルGalaxyも有機ELディスプレイです。Samsungの有機ELディスプレイへの力の入れようは他とは一線を画します。
実をいうと、iPhone Xが搭載している有機ELディスプレイは、Samsung製のものなのです。そして今後もAppleは有機ELディスプレイの供給をSamsungに頼ると予想されています。
そんな有機ELディスプレイの大元であるSamsungのGalaxyですから、これが有機ELディスプレイなのは当然の流れといえますね。しかも解像度は2960×1440とiPhone Xを上回っています。
そんなGalaxy S9/Galaxy S9+はGalaxyブランドらしいハイエンド機です。今回はカメラ性能とSNS映えがテーマになっています。特にGalaxy S9+は広角カメラと望遠カメラを備えたデュアルカメラです。高性能のカメラで撮った写真や動画を、高性能の有機ELディスプレイで確認するのは楽しいでしょうね。
Galaxy 9のスペック
スペック表 | Galaxy S9 |
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OS | Android 8.0 |
CPU | Qualcomm Snapdragon 845 |
RAM | 4GB |
内部ストレージ | 64GB |
外部ストレージ | microSD (最大400GB) |
サイズ | 約148mm(高さ)×約69mm(幅)×約8.5mm(奥行き) |
重さ | 161g |
ディスプレイ | 5.8インチ(有機EL) |
解像度 | 2,960×1,440 |
背面カメラ | 有効約1,200万画素(デュアルレンズ) |
正面カメラ | 有効約800万画素 |
防水・防塵 | IP68 |
生態認証 | 指紋認証(背面) |
ヘッドフォンジャック | あり |
バッテリー | 3,000mAh |
通信 | au版:最大受信速度958Mbps docomo版:最大受信速度988Mbps Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac (2.4/5GHz) Bluetooth® v 5.0, |
値段 | ドコモ版99,792円(税込)/au版95,040円(税込) |
Galaxy 9+のスペック
スペック表 | Galaxy S9+ |
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OS | Android 8.0 |
CPU | Qualcomm Snapdragon 845 |
RAM | 6GB |
内部ストレージ | 64GB |
外部ストレージ | microSD (最大400GB) |
サイズ | 約158mm(高さ)×約74mm(幅)×約8.5mm(奥行き) |
重さ | 187g |
ディスプレイ | 6.2インチ(有機EL) |
解像度 | 2,960×1,440 |
背面カメラ | 有効約1,200万画素(デュアルレンズ) |
正面カメラ | 有効約800万画素 |
防水・防塵 | IP68 |
生態認証 | 指紋認証(背面) |
ヘッドフォンジャック | あり |
バッテリー | 3,500mAh |
通信 | au版:最大受信速度958Mbps docomo版:最大受信速度988Mbps Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac (2.4/5GHz) Bluetooth® v 5.0, |
値段 | ドコモ版111,456円(税込)/au版112,320円(税込) |
HUAWEI Mate 10 Pro
画像引用元:https://consumer.huawei.com/jp/phones/mate10-pro/
HUAWEI Mateシリーズの最新作、Mate 10 Proも有機ELディスプレイです。解像度は2,160×1,080となっています。
HUAWEI Mate 10 Proは「Kirin 970」という、HUAWEIの子会社である半導体メーカー「HiSilicon」が製造したAIプロセッサを搭載しているのが特徴です。
Kirin 970はユーザーの使用状況を学習します。それによってスマートフォンを最適な状態に保ち、電力効率やパフォーマンスを上げてくれるのです。
また、iPhone XやGalaxy S9+同様、やはりデュアルカメラとなっています。しかしiPhone XやGalaxy S9+の「広角カメラ+望遠カメラ」の組み合わせではなく、「カラーカメラ+モノクロカメラ」の組み合わせです。
モノクロカメラによって明暗差をよりくっきりと表現することができます。人間の目は、明暗差がはっきりした写真をキレイだと認識します。
有機ELディスプレイは本当の「黒色」を表示することも得意なので、モノクロカメラとの相性は抜群です。これが液晶ディスプレイだと、せっかくの明暗差がバックライトで不必要に明るくされて台無しになったかもしれませんね。
HUAWEI Mate 10 Proのスペック
HUAWEI Mate 10 Pro | |
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OS | Android. 8.0 |
CPU | HUAWEI Kirin 970 オクタコアCPU (4 x 2.36 GHz A73 + 4 x 1.8 GHz A53) + i7 コプロセッサ / Mali-G72 12コア GPU / NPU: Neural Network Processing Unit |
RAM | 6GB |
ROM | 128GB |
外部ストレージ | 非対応 |
サイズ | 約154.2mm(高さ)× 約74.5mm(幅)× 約7.9mm(厚さ) |
重さ | 約178g |
ディスプレイ | 約6.0インチ(有機EL) |
解像度 | 2,160×1,080 |
背面カメラ | 1,200万画素カラーセンサー+2,000万画素モノクロセンサー |
正面カメラ | 800万画素 ƒ/2.0 |
防水・防塵 | IP67 |
生体認証 | 指紋認証(背面) |
ヘッドフォンジャック | なし |
通信方法 | FDD LTE: B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 9 / 12 / 17 / 19 / 20 / 26 / 28 / 32 TDD LTE: B34 / 38 / 39 / 40 / 41 (2545-2655 MHz) 受信時 2CCA / 3CCA 対応 WCDMA: B1 / 2 / 4 / 5 / 6 / 8 / 19 TD-SCDMA: B34 / 39 GSM: 850 / 900 / 1800 / 1900 MHz セカンダリーSIM: LTE, WCDMA, GSMの上記周波数 |
バッテリー | 4,000mAh |
値段 | 89,800円(税抜) |
HUAWEI P20 Pro
画像引用元:https://consumer.huawei.com/jp/phones/p20-pro/
世界初(HUAWEI調べ)のトリプルカメラを備えたHUAWEI P20 Proも有機ELディスプレイです。解像度は2,240×1,080です。
トリプルカメラの内容は「4,000万画素カラーレンズ」「2000万画素モノクロレンズ」「800万画素ズームレンズ」の3つです。
これでHUAWEIはMateシリーズでもPシリーズでも有機ELディスプレイを搭載したことになります。さすが、Samsung、Appleに次ぐ世界3位のシェア率を誇る企業といったところでしょうか。
しっかりディスプレイ面でもGalaxyとiPhoneに引けを取らず最前線を走っています。
HUAWEI P20 Proのスペック
スペック表 | HUAWEI P20 Pro |
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OS | Android 8.1 |
CPU | HUAWEI Kirin970 オクタコア 2. 4 GHz(クアッドコア)+ 1.8 GHz(クアッドコア) NPU(Neural-network Processing Unit) |
RAM | 6GB |
内部ストレージ | 128GB |
外部ストレージ | 非対応 |
サイズ | 約155mm(高さ)×約74mm(幅)×約7.9mm(奥行き) |
重さ | 約180g |
ディスプレイ | 5.8インチ |
解像度 | 2,240×1,080 |
背面カメラ | 約4,000万画素(カラー)+約2,000万画素(モノクロ)+約800万画素(ズーム) |
正面カメラ | 約2,400万画素 |
防水・防塵 | IPX7 / IP6X |
生体認証 | 指紋認証、顔認証 |
ヘッドフォンジャック | なし |
バッテリー | 3,900mAh |
値段 | 103,680円 |
最近話題のHUAWEI P20 Proを辛口レビュー|ハイエンドは買いか?
Xperia XZ2とAQUOS R2は液晶ディスプレイ
2018年夏モデルのハイエンド機として注目されているXperia XZ2とAQUOS R2ですが、これらについては有機ELディスプレイではなく液晶ディスプレイになります。
液晶ディスプレイのほうが好みだとユーザーもいるでしょうが、SONYは時期Xperiaから有機ELディスプレイにしたいと意欲的であり、今回は間に合わなかったと見るのが自然かもしれませんね。
最新ハイエンド機でもすべてが有機ELディスプレイを搭載しているわけではない現実に、まだまだハードルが高いことを実感します。
これからは有機ELディスプレイが普及していく可能性大
現状では一部の機種にしか使われていない有機ELディスプレイですが、その理由は有機ELディスプレイの価格が高いことと、供給が確保しにくいことが理由です。つまり、有機ELディスプレイが貴重で高級なために普及していないのです。
しかし、これから技術が進歩して有機ELディスプレイを安価で大量生産することができるようになれば、有機ELディスプレイが一般的になっていくと思われます。焼き付きの心配はありますが、液晶ディスプレイよりも優れたものとして日々開発と研究が進められています。
そう遠くない日に有機ELディスプレイが普及する可能性は高いです。