
性能の高いタブレットを探している方にとってiPad Proは大本命の機種と言えるでしょう。特に新発売された最新のiPad Proは開発元のAppleが『ノートパソコンよりパワフル』と言っているだけあって、既存のあらゆるタブレットを凌駕する性能を持っています。
今回はそんなiPad Proについて解説すると共に、おすすめな理由をご紹介していきます。前モデルと比べて進化した点も解説するので、高性能なタブレットを探している方はもちろん、新しいPCが欲しい方も是非参考にしてみて下さい。
最新iPad Proはどう変わった?
画像引用元:iPad Pro – Business – Apple (AU)
フルモデルチェンジした最新のiPad Proは前モデルと比べてどのような点が変わったのでしょうか。前モデルとは比べ物にならないほど進化した新型iPad Proについて見ていきましょう。
Apple Pencilが進化
画像引用元:Apple Pencil(第2世代)を購入 – Apple(日本)
旧モデルのApple Pencilは転がってしまいやすい丸いデザインに、Lightning端子に接続しなければ充電できないなど使いにくい仕様が目立っていたためあまり評価は高くありませんでした。
しかし、第二世代に進化したApple Pencilはデザイン・仕様にテコ入れが施され、実用的なものとなっています。特にiPad Pro本体にマグネット接続することで充電可能になったのはかなり魅力的です。
使い心地に関してはあまり変化が見られず、他社製のスタイラスペンと比べて特別使いやすい、使いにくいということはありません。ただ、第一世代のApple Pencilより少し短くなっているので取り回しやすくなりました。
惜しむらくはiPad Proに付属しているわけではなく、別途購入しなければならない点でしょう。Apple PencilがあればよりiPad Proが使いやすくなるのは間違いありませんが、価格は14,500円(税別)とそこそこ高額なので使わないのなら購入しないという手もあります。
ホームボタンが廃止された
iPhone XsやiPhone XRと同じく新型iPad Proではホームボタンが廃止されています。それに伴いTouch IDも廃止され、Face IDが搭載されることとなりました。
導入当初は使いにくいと悪評が目立ったFace IDですが、iPad Proではかなり改良されており、マスクやサングラスをつけていても顔の特徴を認識してロックを解除してくれます。解除されるまでの時間も短いため、パスコードを使うくらいならFace IDを使った方が良いでしょう。
ホームボタンが廃止されたことに加え、新型iPad Proはベゼルもかなり絞り込まれています。今までのiPad Proはまさに『巨大な板』といった野暮ったい外観をしていましたが、ホームボタンの廃止・ベゼルの絞り込みが行われたことにより随分スリムな見た目になりました。
ディスプレイのサイズはそのままに本体サイズが前モデルと比べて小さくなったため、12,9インチのモデルでも持ち運びやすくなったのは非常に嬉しいポイントです。
気になる操作性に関しては思いのほか不便に感じることも無く、使い始めて1日、2日もすればホームボタンの有無は気にならなくなります。
Smart Keyboardにも手が加えられている
画像引用元:Apple Smart Keyboard Folio for 12.9-inch iPad Pro (3rd Generation) Black MU8H2LL/A
モデルチェンジに伴ってiPad Proの代名詞とも言えるSmart Keyboardにも手が加えられています。最も大きな変更点はこれまでは画面のみを覆っていたSmart Keyboardがボディ全体を覆うフォリオタイプとなった点でしょう。これにより更に耐久性が高まりました。
カバー兼用キーボードという関係上、ストロークが浅いなどの問題こそ残ったものの、打感が強くなっているためにタイピングがしやすくなっています。これには本体の角度が2段階で調整できるようになった点も関係しているでしょう。
ただ重さに関しては大きな変更が無く、依然としてiPad Pro本体とSmart Keyboardを併せて使う際の重量は1kgを超えてしまいます。MacBook Proに比べればかなり軽量ですが、タブレットとして見ると重たいと言わざるを得ません。
カメラの性能はややダウン
新型となって様々な点がブラッシュアップされたiPad Proですが、唯一バックカメラに関しては前モデルから性能が下がってしまっています。
具体的には前モデルのカメラでは6枚のレンズを搭載していたのに対し、新型iPad Proではレンズ枚数が5枚となりました。また、手ブレ補正機能も失われています。
レンズの枚数に関しては体感できるほどの差はないものの、手ブレ補正機能が無くなった点は撮影環境によっては大きなマイナスポイントとなるでしょう。
今回もマウスには対応せず
今回もマウスには対応せず、操作はタッチパネルもしくはSmart Keyboardを使ってのみ可能な仕様となっています。Smart Keyboardにトラックパッド機能が追加されるかも、という噂があっただけにマウス非対応、トラックパッド機能の見送りは非常に残念です。
タブレットとしての使用をメインに考えているのであれば問題ないかもしれませんが、ノートパソコンとして使うことを前提にiPad Proを購入するのであればマウスが使えないのは無視できない問題となるでしょう。
特にブログを書いたり、編集作業をしたりするのであればタッチパネルでの操作はかなり厳しいです。Apple Pencilがあればある程度快適にはなりますが、マウスを使った操作には一歩及びません。
Liquid Retinaディスプレイを搭載
最近のハイスペックスマホでは有機ELディスプレイが当たり前となっていますが、iPad Proのディスプレイは前モデル同様液晶ディスプレイとなっています。
しかし、液晶ディスプレイだからといってiPad Proに搭載されたディスプレイは侮れず、iPhone XRにも採用された『Liquid Retinaディスプレイ』装備しているために有機ELディスプレイ並みの美しい映像を出力することが可能です。
また、Liquid Retinaディスプレイには『True Tone』と呼ばれる使用環境によって色彩や輝度を自動で調節する機能も備わっており、連続して長い時間iPad Proを使用しても目が疲れません。True Toneの効果は長時間iPad Proを使えば使う程よく分かるでしょう。
Lightning規格が廃止されUSB-Cのみに
画像引用元:USB-Cケーブル – オス/オス – 2 m – USB 2.0 | USB-Cケーブル | StarTech.com 日本
Appleの独自規格として長い間Apple製品に採用され続けていたLightning規格ですが、最近の製品では徐々にUSB-Cが主流となってきつつあります。
iPad Proもその例に漏れず、今回発売されたモデルからはLightning端子が廃されUSB-C端子を装備することになりました。わざわざ規格変換用のコネクタ等を使用することなくUSB-C対応製品を使えるようになったのはかなり魅力的です。
iPad ProとMacBook Proを比較
iPad ProとMacBook Proのスペック
iPad Pro(12.9インチ) | MacBook Pro(13インチ) | |
---|---|---|
OS | iOS | macOS |
プロセッサ | A12X Bionicチップ | Intel Core i5 2.3GHz(デュアルコア) |
メモリ | 4GB | 8GB |
ストレージ | 64GB | 128GB |
ディスプレイ | Liquid Retinaディスプレイ | Retinaディスプレイ |
バッテリー | 最大約10時間 | 最大約10時間 |
フロントカメラ | 700万画素 | 720万画素 |
バックカメラ | 1,200万画素 | なし |
サイズ | 縦:214.9mm 横:280.6mm 厚さ:5.9mm | 縦:212.4mm 横:304.1mm 厚さ:14.9mm |
重さ | 631g | 1370g |
価格 | 111,800円(税別) | 142,800円(税別) |
比較では両機種共に最も安価なモデルを対象としています。処理性能についてはMacBook ProがIntel製のCore i5を使用しているのに対し、iPad ProはAppleが開発・製造しているA12X Bionicチップを使用している点が大きな違いです。
A12X BionicチップはiPhone XsやiPhone XRに搭載されたA12 Bionicチップの上位モデルで、前モデルに搭載されたA10X Bionicチップと比べると処理性能は90%も向上しています。これだけの違いがあれば、新型iPad Proは前モデルとはまったくの別物と言っても良いでしょう。
また、Macbook Proに搭載されたCore i5はデュアルコアと控えめですが、A12X Bionicチップではオクタコアとなっています。しかもA12X Bionicチップは従来のプロセッサでは不可能とされてきた常時オクタコアを稼働させることに成功しました。
分かりやすく言うと、iPad Proは常に8つ頭脳を同時に使って処理を行えるのです。プロセッサの性能だけを見ればiPad Proの方がパワフルであるのは間違いないでしょう。
ただ、メモリはMacbook Proが8GBとなっているのに対し、iPad Proは4GBのメモリを搭載するに留まってしまいました。この点を踏まえると、性能が逆転することこそ無いものの処理性能の差は縮まります。
ディスプレイはどちらも高精細な液晶ディスプレイ『Liquid Retinaディスプレイ』、『Retinaディスプレイ』を搭載しており、有機ELディスプレイに比肩する性能を持っています。
名称の違いが目に付きますが、両者の間にそこまで大きな違いはありません。『Liquid RetinaディスプレイはRetinaディスプレイのマイナーチェンジ版』程度の認識をしておけば問題ないでしょう。
強いて言うならばLiquid RetinaディスプレイとRetinaディスプレイの間には解像度の違いがありますが、そもそもiPad ProとMacbook Proでは画面のアスペクト比が異なるため一概にどちらが優れているとは言えません。
標準スペックならiPad Proがおすすめ
最高スペックのもの同士を比べてしまうとiPad ProはMacBook Proにやや見劣りしてしまいますが、標準的なスペックのものを比較した場合はiPad Proの方が優秀です。
使い方次第ではMacBook Proの方が最適なケースもあるものの、性能やコストパフォーマンスを優先するのならiPad Proを選んだ方が良いでしょう。持ち運びやすいのもiPad Proがおすすめな理由のひとつです。
特に用途がブラウジングや動画視聴であるのならiPad Proで充分でしょう。逆にFinal Cutなどの処理性能が重要になる編集ソフトなどを多用するのであればMacBook Proに軍配が上がります。
ただ、大規模な編集作業を行うには性能だけなくある程度大きなモニターが必要です。この点を踏まえれば、価格が20万円以上となるカスタムされたMacBook Proを購入するよりも、iMac Pro+iPad Proのような組み合わせをした方が良いでしょう。
マウスが使えるかどうかが重要なケースも
『性能やコストパフォーマンスの前にそもそもマウスが使えなければ話にならない』という事情があるのなら必然的にMacBook Proを選ぶことになるでしょう。
ただ、初めからマウスありきで考えてiPad Proという選択肢を捨ててしまうのは悪手と言わざるを得ません。なぜなら、Apple Pencilを使ったり、タッチパッドの操作に慣れたりすればマウスを使わなくても快適に操作することが出来るからです。
確かにiPad Proをノートパソコンとして運用するにあたって使い慣れたマウスが無いのはネックとなり得ますが、どちらを選ぶかは一度iPad Proを操作してみて本当にマウスが必要不可欠なのか確かめてからどちらを購入するか決めることをおすすめします。
iPad Proがおすすめな理由
画像引用元:iPad Pro – Apple(日本)
気軽に持ち運べる
iPad Proをノートパソコンとして考えた場合、Smart Keyboardを併せて約1kgというのはかなり軽量な部類に入ります。15インチ程度のフルサイズノートパソコンと比較すると重さは1/3程度になるため、持ち運びに苦労することは無くなるでしょう。
MacBookやMaxBook Airなども軽量なノートパソコンですが、スペックやコストパフォーマンス、そして後述するLTEに対応するかどうかを踏まえるとiPad Proの方が使い勝手に優れます。
出先でノートパソコンを使うことが多い方や、iPad Proをメインマシンとして使い、どこでも同じ端末で作業をしたい方にとって気軽に持ち運べるのは大きなメリットです。
性能がかなり高い
Appleの『ノートパソコンよりパワフル』という言葉は伊達ではなく、iPad Proは並のノートパソコンが比較にならないほどのスペックを持っています。これはベンチマークのスコアが前モデルの約2倍になっていることからも分かるでしょう。
特に1TBモデルであればメモリが6GBと標準的なデスクトップパソコン並の数値となるため、ブラウジングや動画視聴だけでなくちょっとした画像・動画編集などにも対応することが出来ます。
また、iPad ProはUSB-Cを経由することで大きなモニターに接続して操作することも可能です。MacBookのドック機能と似たようなものと考えると分かりやすいでしょう。
モニターを用意することでiPad Proをトラックパッド代わりにすることも出来るため、PCとしてiPad Proを使いたいのならモニターに接続して使うのがおすすめです。
LTEが利用できる
MacBook Proの場合はWi-Fi環境が無い限りネットに接続することが出来ませんが、iPad Proのセルラーモデルを購入した場合はLTE回線を利用出来るため、例え出先にWi-Fi環境が無くともネットに接続することが出来ます。
これはiPad Proだけが持つ優れた点のひとつと言えるでしょう。ノートパソコンのように外出する度モバイルWi-Fiルーターを持たなくて良いのもメリットです。
そのため、Wi-Fi環境が無いところへ行くことが多い方や、かさばりがちなモバイルWi-Fiルーターを持ち歩きたくない方にはMacBook ProよりiPad Proをおすすめします。
最新iPad Proは間違いなく『買い』のタブレット
画像引用元:iPad Pro 11-inch | Walmart Canada
最近では単に『タブレット』と呼ばれていますが、タブレットが市場に登場してしばらくは『タブレットPC』と呼ばれていました。しかし、当時のタブレットの性能はお世辞にもPC並とは言えず、どちらかと言えば大きなスマホ、といった機器であったのは間違いないでしょう。
その点、ノートパソコンより携帯性に優れ、デスクトップパソコン並の処理能力を持つiPad ProはPCの名を持つにふさわしい正真正銘の『タブレットPC』です。
携帯性に優れるPCを探していた方はもちろん、メインのPCを新調しようと考えていた方やスマホとタブレットの2台持ちをしたい方にとってもiPad Proは最適なマシンとなるでしょう。