スマホを買い換える時、現在契約中のキャリアを変えずに「機種変更」のするケースと、他のキャリアに乗り換えて新規で購入する方法があります。
後者は「MNP」と呼ばれているもので、契約更新の時期に合わせて条件のよいキャリアを選んで乗り換えればお得に機種変更できるのです。
全く同じ端末でもやり方によって実質負担する金額が大きく変わってくるので、この点は見逃せませんね。
ここからは、MNPを利用しての解約や新規契約で、できるだけ手数料や解約違約金を抑えるための方法をガイドしてゆきましょう。
MNPに掛かる3つの手数料とは
MNPを利用する際には、「MNP転出手数料」「解約違約金」「契約事務手数料」の3つの費用を支払う必要があります。
つい見落としがちな手数料
MNP(Mobile Number Portabilityの略・ソフトバンクでは「のりかえ」といっています)とは、本来は電話番号を変えることなくキャリアを変更できるサービスのことなのですが、一般的には単にキャリアを乗り換えるという意味合いの方が強くなっています。
MNPを利用して機種変更すると、費用を安く抑えられるというのはよく知られていることです。
各キャリアもシェア拡大のため魅力的なサービスを打ち出して、積極的にキャンペーンを繰り広げていますね。
しかし、MNPに掛かる3つの手数料を見落としてしまうと、お得さが半減してしまうこともあるので、ここでしっかりとチェックしておきましょう。
MNPで発生する手数料の内訳
MNPを利用すると、現在契約中のキャリアと新しく契約するキャリアの両方で手数料が発生します。その内訳は、以下のとおりです。
- 現在契約中のキャリアで掛かる手数料
-
- MNP転出手数料:2,000~3,000円
- 解約違約金:9,500円
- 新しいキャリアで掛かる手数料
- 契約事務手数料:3,000円
これらの手数料の中には、解約するタイミングによって大きく変わってくるものがあるのです。
お得に機種変更をしたいなら、この点によく注意しなければなりません。
MNPで発生する手数料の詳細
MNP転出手数料
各キャリアのMNP転出手数料は以下の通りで、どのタイミングでも費用は変わりません。
- ドコモ: 2,000円
- au: 2,000円
- ソフトバンク:3,000円
解約違約金
各キャリアで契約する際には、ほとんどの人が2年間の定期契約を選択しています。契約期間のないプランに比べると、2年定期契約は毎月の料金が安くなるためです。
これは通常「2年縛り」と呼ばれているもので、予め定められた期間以外に契約を解除すると9,500円の解約違約金が発生してしまいます。
しかしうまくタイミングを計算すれば、この費用は支払わずにすむものなのです。
契約事務手数料
新しいキャリアと新規契約する際に支払うのが契約事務手数料です。
ドコモ・au・ソフトバンクの各社とも3,000円となっていて、どのタイミングでも金額に変わりはありません。
なお、契約事務手数料は初月の通信料金と合算して請求されるので、契約時に支払う必要はないのです。
解約違約金を抑えるための方法
ここからは、スマホの解約違約金を抑えるための方法を、キャリアごとに詳しく見てゆきましょう。
ドコモの解約違約金を抑えるには
まずは契約更新月を確認
ドコモの契約更新月は、契約満了月の翌月と翌々月となっています。
この2ヶ月の間以外で解約を解除すると、解約違約金として9,500円が掛かってくるのです。
したがってMNPを利用して機種変更するにあたっては、まずご自分の契約更新月の確認することから始めましょう。
ご自分の契約更新月を確認する方法には、次の2つがあります。
1. ドコモお客様センターに問い合わせる
ドコモのお客様センターに電話して尋ねる方法です。
- ドコモの携帯電話からだと→151
- 一般電話などからだと→0120-800-000
まで電話すればOKですが、曜日や時間帯によっては電話が繋がりにくい場合もあります。
2. My Docomoで確認する
スマホやパソコン、タブレットから「My Docomo」にアクセスして確認する方法です。
手順は「ログイン」→「ドコモオンライン手続き」→「ご契約内容確認・変更」と進んで、「料金プラン」の項目を見ます。
すると「契約満了月は〇〇年〇月」という表示を確認できるのです。
ここで確認した月の2ヵ月後までが、解約違約金がかからない契約更新月となります。
この期間を逃してしまうと解約違約金として9,500円が必要となるので、間違えないようにご注意ください。
なお、ドコモでは定額料金の利用料は解約時には日割りにならないため、たった1日使っただけでも1ヶ月分の費用が発生します。
したがって最もお得な解約のタイミングは、更新月の末日となるのです。
新サービスを利用すれば解約違約金は不要に
うっかり契約更新月を見逃してしまい、いつも悔しい思いをしているという方にうれしいお知らせがあります。
ドコモの新しいサービス「新2年契約プラン」を利用して「フリーコース」を選択すれば、いつ解約しても解約違約金が掛からなくなるのです。
「フリーコース」を選択すれば、「ずっとドコモ割」や「更新ありがとうポイント」が適用されなくなりますが、その代わりに基本プランの料金はそのままで解約違約金が不要となります。
フリーコースを選択するには更新月のたびに申し込みが必要で、申し込みをしなければ自動的に「ずっとドコモ割コース」になります。
一方、「フリーコース」から「ずっとドコモ割コース」への変更はいつでも申し込むことができるので、一度「フリーコース」を試してみられてはいかがでしょうか?
auの解約違約金を抑えるには
まずは契約更新月を確認
auでは申し込みをした日の翌月から月単位でカウントが始まり、25ヶ月目と26ヶ月目の2ヵ月間が契約更新月となります。
この2ヶ月間の更新期間以外で契約を解除した場合には、解約違約金の9,500円が発生するのです。
契約更新月の2ヵ月間に解約すれば解約違約金が掛からないため、auをお使いの方もまずご自分の契約更新月の確認をすることから始めましょう。
ご自分の契約更新月を確認する方法には、以下のものがあります。
1. auお客様センターに問い合わせる
auのお客様センターに電話して確認すると簡単です。
- au携帯電話からだと→157
- au以外の携帯電話や一般電話だと→0077-7-111
まで電話すればOKですが、時間帯や曜日によっては電話が繋がりにくいこともあります。
2. auお客様サポートで確認する
「auお客様サポート」なら携帯やパソコン、タブレットで24時間いつでも確認できます。
手順は「ログイン」→「ご契約情報」「料金/割引サービス」と進み、表示項目の「次回更新年月 〇〇年〇月~〇〇年〇月」というところをご覧ください。
なお、auの場合は更新月の1日に解約するとその月の利用料金は掛かりませんでしたが、2016年末にこのルールが変更になってしまいました。
したがってauの場合にも、更新月の末日に解約するのが最もお得なタイミングとなります。
新2年契約プランならいつでも解約金不要
auの「新2年契約プラン」を利用すれば、最初の2年を過ぎた後はいつ解約しても解約違約金が掛からなくなります。
ただし、新規契約の際に「新2年契約プラン」は利用できず、2年後の更新日まで待たなければなりません。また、通常のプランよりも300円割高となっています。
2年間利用すると7,200円となりますが、解約違約金の9,500円よりは安くなります。また、契約更新月を気にしなくてもよいところは大きなメリットだといえますね。
ソフトバンクの解約違約金を抑えるには
まずは契約更新月を確認
ソフトバンクはauと同様の扱いとなり、申し込みをした日の翌月から月単位でカウントが始まります。
そして25ヶ月目と26ヶ月目の2ヵ月間が契約更新月となり、それ以外のタイミングで解約する場合には解約違約金として9,500円が請求されるのです。
契約更新月の2ヵ月間に解約すれば解約違約金が掛からないため、ソフトバンクの場合もご自分の契約更新月を確認することが先決です。ご自分の契約更新月を確認するには、以下で説明する2つの方法があります。
1. ソフトバンクお客様センターに問い合わせる
ソフトバンクのお客様センターに電話すれば、ご自分の契約更新月を確認することができます。
- ソフトバンク携帯電話から→157
- 一般電話などから→0800-919-0157
まで電話すればOKです。
2. My SoftBankで確認する
「My SoftBank」なら、スマホやパソコン、タブレットで24時間いつでもご自分の契約更新月を確認できます。
手順は「ログイン」→「契約オプション管理画面」と進むと、「更新期間」の項目に「〇〇年〇月〇日〜〇〇年〇月〇日」と記載されているので、そこをご覧ください。
ソフトバンクでは締め日の確認が必要
ソフトバンクの場合に注意したいのは、ドコモやauのように契約更新月ならどの日に解約しても良いというわけではないということです。
ドコモやauでは請求の締め日が月末となっていますが、ソフトバンクでは締め日が10日・20日・末日の3パターンあります(2011年4月以降に契約した方は20日締めのみ)。
締め日は契約した時期によって異なり、契約更新月はこの締め日からのカウントとなるのです。
解約違約金のかからない期間はこの締め日を基準にカウントされるので、ご自身の締め日をきちんと把握しておかなければなりません。締め日を確認する方法は、
- 電話
- My SoftBank
- 契約書の控え
- 紙の請求書
のいずれからでもOKです。
なお、ソフトバンクでも、解約の際に定額料金プランの利用料は日割りになりません。
たった1日使っただけでも1ヶ月分丸々支払う事になるため、ソフトバンクの解約で最もお得になるタイミングは、更新期間内の締め日となっています。
「2年契約」なら解約金はゼロ円
ソフトバンクは2016年6月1日から「2年契約(フリープラン)」のサービスを開始しています。
このプランの内容はauと同様のもので、契約後2年を過ぎれば解約金なしでいつでも解約できるものです。
月額使用料が300円増額となる点もauと同じです。2年間利用すると7,200円と結構な金額になりますが、解約違約金の9,500円よりは割安となっています。
また、契約更新月を気にせず好きなときにキャリアを変えられるところは、大きなメリットだといえますね。
ソフトバンクならではのお得なMNP
ソフトバンクへのMNPをお考えなら、「おとくケータイ」がおすすめです。
「おとくケータイ」はソフトバンクの正規代理店で、キャッシュバック日本一を謳っています。
どこよりも高いキャッシュバックを行っており、不要なオプションへの強制加入などもないうえ、郵送で契約すれば店舗に出向くことなく自宅に居ながら手続きが完了するのです。
まだある解約で注意したいこと
ここまで、MNPの解約手数料を抑える方法を中心に解説してきました。しかし、MNPでキャリアを変えるときに注意したいことはまだあります。
引き続き詳しくみてゆきましょう。
解約完了日にご注意を
MNPを利用する際に注意したいのは、MNP予約番号を発行しただけでは解約にはならないということです。
MNPを行うには、まず現在使用しているキャリアで「MNP予約番号」を発行してもらいますが、発行日を含め15日以内にMNPを利用しなければ、発行されたMNP予約番号は利用できなります。
つまり、MNP予約番号を発行したあとに新しいキャリアへ転入した時点で解約となるのです。
なお、MNP予約番号の有効期限が切れてしまっても、現在使用しているキャリアは解約になりません。また、MNP予約番号の発行は無料で再発行してもらえます。
端末代が残っていないか
解約するときに端末代が残っている場合はどうすればよいのかを、キャリアごとにまとめました。
ドコモを解約する場合
解約後も端末の分割払金残額は引き続き支払わなければなりません。なお、分割支払金残額は分割での支払いを継続するか、全額一括して支払うかを選べます。
auを解約する場合
機器代金の分割支払金残額は、解約後も引き続き支払わなければなりません。なお、分割支払金残額は分割での支払いを継続するか、一括で精算するかを選ぶことができます。
ソフトバンクを解約する場合
端末の分割支払金については一括で支払う必要はなく、支払い完了まで引き続き分割で支払います。
MNPのタイミング次第で解約違約金は節約できる
MNPでお得に機種変更するための方法をご紹介しました。
キャリアの大手三社はおおむね共通したサービス内容ですが、小さなところで違いがあるので注意が必要ですね。
契約更新月をしっかりとチェックしてからMNPで乗り換えて、解約違約金を支払わずお得に機種変更していただければと思います。
また少し割高ではありますが、いつでも違約金なしで解約できるプランも登場しているので、契約更新月にわずらわされたくないという方は、ご利用を検討されてみるのもよいでしょう。