Macbook AirとiPad Pro、両方とも優れたウェアラブルデバイスであるためにどちらを購入すれば良いのか決めかねている、という方は少なくないでしょう。
今回はそんな方のためにMacBook AirとiPad Proの比較レビューをご紹介します。両機種のスペックや機能、選ぶメリットやデメリットを解説していくので、MacBook AirとiPad Proのどちらを購入するか悩んでいる方は是非参考にしてみて下さい。
画像引用元:MacBook Air – Apple(日本)
機種 | iPhone15 | iPhone15 Plus | iPhone15 Pro | iPhone15 Pro Max |
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本体 | ||||
価格 | 70,392円~ | 78,384円~ | 89,880円~ | 112,392円~ |
特徴 | iPhone15シリーズを コスパで選ぶならこれ | 低価格で大画面の iPhoneならこれ | ハイスペックかつ コンパクトならこれ | 大画面でサクサク 使いたいならこれ |
購入 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
現行のApple製品を選ぶのは難しい
画像引用元:MacBook Air – Apple(日本)
現在AppleにはウェアラブルマシンとしてiPad Pro、MacBook、MacBook Air、MacBook Proの4種類がラインナップされていますが、この中から自分に合ったマシンを選ぶのは非常に困難でしょう。
というのも、サブPCとして扱われているMacBookを除いた3機種は『持ち運びやすい高性能PC』といった位置付けになっているため、一目見るだけでは違いが分かりにくく、PCの知識があまり無い方にとってはどのモデルを選べば良いのか判断がつかないのです。
そのため、Appleのウェアラブルマシンを選ぶ際は『一番重視すべきことは何か』を明確にしなければいけません。重視するポイントによって選ぶべき機種は異なるので、まずはiPad ProやMacbook Airを買ったらどんな風に使いたいのかじっくり考えてみましょう。
純粋なノートパソコンとして優れるMacBook Air
画像引用元:MacBook Air – Apple(日本)
MacBook Airのスペック
MacBook Air | |
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OS | macOS |
CPU | Intel Core i5(1.6GHz デュアルコア) |
メモリ | 8GB/16GB |
ストレージ | 128GB/256GB/512GB/1.5TB |
ディスプレイ | 13.3インチ Retinaディスプレイ |
バッテリー | 最大約12時間稼働可能 |
フロントカメラ | 720万画素 |
バックカメラ | なし |
サイズ | 縦:212,4mm 横:304,1mm 厚さ:15,6mm |
重さ | 1,250g |
価格 | 134,800円(税別) |
スペック表の通りMacBook Airは並み外れて高性能なPCではないものの、使いやすい性能にまとまった優秀なマシンです。iPad Proとの最大の違いは採用しているOSがmacOSとなっていることでしょう。
macOSはAppleの作るPCのすべてに採用されているOSで、Macbook Airを始めとするAppleのPCはmacOSを搭載することを前提にハードウェアの開発を行っているために非常に安定した動作を行えます。
iOSとの違いは細かなものも含めるとかなり有り、一言で説明するのは非常に困難です。ただ、両者の違いを明確に知っていないと使いこなせないわけではないので、『パソコン用とスマホ/タブレット用のOSとして分けられている』程度の認識をしていれば支障はでしょう。
処理性能に関しては標準的なデスクトップPC並といった数値で、メモリを8GBから16GBにカスタマイズしない限りは平凡なスペックです。
とは言え、一時的にCPU性能の限界値を高める『ターボブースト』によって、最大で3.6Ghzまでクロック周波数が引き上がることを踏まえれば、ノートPCとしては高性能な部類に入るでしょう。
ストレージは前モデルと同じくSSDのみが選択可能で、容量は標準で128GBモデルと256GBモデルが用意されています。カスタマイズによって1.5TBまで容量を増やすことが可能であるものの、カスタマイズ費用は132,000円(税別)とかなり高額です。
容量が多ければ多いほど保存できるデータ量も増えますが、ビジネス用途でもない限り256GBもあればストレージ容量が不足することはありません。
ディスプレイは前モデルの悲願であったRetinaディスプレイをようやく採用しました。それに伴いディスプレイ解像度は1,440×900ピクセルから2,560×1,600ピクセルにまで引き上がっています。
最大稼働時間については前モデルから変化が見られず、一見すると進歩が無いように思えますが、電力消費が通常の液晶パネルより激しいRetinaディスプレイを採用したにも関わらず最大稼働時間は減っていないため、まったく進歩しなかったわけではありません。
唯一欠点があるとするならばFace IDに対応しなかったことです。iPhone XsやiPad Proなどの携帯端末が軒並みFace IDを採用しているにも関わらず、Touch IDの搭載に留まったのは明確な欠点と言わざるを得ません。
それ以外の点では使い勝手の良い優秀なPCであるだけに、セキュリティがiPhoneやiPadより低いのは非常に残念です。Macbook Airを購入するのならFace IDの代わりとなるセキュリティ強化ツールの設定を検討しておくべきでしょう。
MacBook Airを選ぶメリット
カスタマイズによる最適化が行える
Macbook AirはMacbook Proほどでは無いとは言え、カスタマイズによってスペックを変更することが可能です。使い方に合わせてスペックを調整したい方にとっては大きな魅力と言えるでしょう。
ただ、CPUの変更には対応していないために大幅に処理性能を高めるのは出来ません。動画編集など高い処理性能が必要となる作業をするのならカスタマイズするのではなくMacBook Proなど元から性能の高いモデルを選んでおいた方が無難です。
マウスやトラックパッドを使える
iPad Proは元がタブレットである関係上マウスやトラックパッドを使うことは出来ませんが、Macbook Airであればマウスを接続したり、トラックパッドを使用したりすることが出来ます。
どうしてもコピー&ペーストなど細かな範囲指定を行う際はマウスやトラックパッドの方が便利なので、iPad Proと比較すると操作性ではMacbook Airに軍配が上がるでしょう。
優れたソフトウェアを使用できる
『Final Cut Pro X』、『Logic Pro X』などの優れたソフトウェアを利用できる点はiPad Proには無い利点です。音楽制作や動画編集目的のPCを出来るだけ安く手に入れたいのならMacbook Airを選んだ方が良いでしょう。
ただ、前述のようにMacbook Airは決して限界まで性能が高められたハイスペックマシンでは無いために、macOS専用のソフトを使うと動作がカクついてしまうことが多々あります。
特にFinal Cut Pro XはMacbook Proでも安いモデルだと安定した動作をしないことがあるので、Macbook Airでスムーズに動かすことは出来ません。
MacBook Airを選ぶデメリット
Macbook Airを選ぶ理由が少ない
以前は明確に住み分けが出来ていたMacbook AirとMacbook Proですが、最新モデルを比較してみるとMacbook AirはかなりMacbook Proに近付いてきています。
前モデルのMacbook Airが現役であった頃はiPad Proなどの対抗馬も無く、MacBook Proの廉価版としての地位を確立していました。しかし、現在はiPad Proに加え、実質的にMacbook Airの後継機扱いとなっていたMacBookが存在するために、Macbook Airの影は非常に薄くなっています。
もっと分かりやすく言うと、Macbook Airは携帯性でMacbookに負け、性能でMacbook Proや用途によってはiPad Proにすら負けてしまうのです。この点を踏まえると敢えてMacbook Airを選ぶ理由はほぼ無くなってしまうでしょう。
パフォーマンスでiPad Proに劣る
単純に処理性能だけを比較するとどちらが明確に優れているとは言えないものの、ディスプレイやカメラなども含めて総合的なパフォーマンスを比較した場合、Macbook AirはiPad Proより優れているとは言い難いです。
特に排熱に考慮して従来モデルより消費電力の少ないCPUを搭載したことで、コアの数がデュアルコアと控えめになってしまった点は致命的でしょう。
iPad Proが搭載するA12X BionicチップはオクタコアとMacbook Airの4倍のコア数を誇っており、マルチタスク処理ではiPad Proの方が優れています。
Macbook AirにはiPad Proにはない利点として『パソコンならではの汎用性の高さ』がありますが、携帯性とパフォーマンスを重視すると、iPad Proを選ぶことになる方が多いでしょう。
性能・使い勝手を重視したiPad Pro
画像引用元:iPad Pro | 製品情報 | iPad | au
iPad Proのスペック
iPad Pro | |
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OS | iOS |
SoC | A12X Bionicチップ |
メモリ | 4GB/6GB |
ストレージ | 64GB/256GB/512GB/1TB |
ディスプレイ | 11インチ/12.9インチ Liquid Retinaディスプレイ |
バッテリー | 最大約10時間稼働可能 |
フロントカメラ | 700万画素 |
バックカメラ | 1,200万画素 |
サイズ | 11インチモデル 縦:247,6mm 横:178,5mm 厚さ:5,9mm 12,9インチモデル 縦:280,6mm 横:214.9mm 厚さ:5,9mm |
重さ | 11インチモデル:458g 12,9インチモデル:631g(Wi-Fiモデル)/633g(Wi-Fi+Cellularモデル) |
価格 | 11インチモデル:89,800円(税別) 12,9インチモデル:111,800円(税別) |
『あらゆるノートパソコンよりパワフル』という触れ込みで登場しただけあって、新型のiPad ProはこれまでのiPad Proより格段にパフォーマンスが向上しています。
処理性能に関しては特に顕著で、『A12X Bionicチップ』は前モデルに搭載された『A10X Fusionチップ』と比べて90%も性能が高まりました。
Macbook Airと比較した場合、メモリが最大でも6GBである点が目に付きますが、OSがiPhoneなどiPad Proより性能の低いマシンでも動かせるiOSであることを考えると、Macbook Airより低スペックだとは言えないでしょう。
ストレージ容量はタブレットには珍しく1TBまで選択することが出来ます。Macbook Air同様、普段使いでは256GBもあれば充分であるものの、1TBモデルはメモリが4GBから6GBにアップグレードされるので、処理性能に拘る方には1TBモデルがおすすめです。
サイズは11インチモデルと12.9インチモデルの2種類がラインナップされています。タブレットとして使うことが多いのなら11インチモデル、ノートPCとして使うことが多いなら12.9インチモデルを選ぶと良いでしょう。
最大稼働時間はMacbook Airが12時間であるのに対し、iPad Proは10時間となっています。充電環境が確保できる場所で作業できるのなら問題ありませんが、充電することなく長時間稼働させることが多い方にとっては2時間の差がネックとなりかねません。
フロントカメラ/バックカメラの性能はiPhone XRと似たようなもので、デュアルカメラやトリプルカメラを搭載するスマホが増えつつあることを踏まえると、取り立てて高性能なカメラとは言えないでしょう。ただ、Macbook Airとは違いFace IDに対応している点は見逃せません。
iPad Proを選ぶメリット
軽くて持ち運びやすい
iPad Proは並みのノートPCどころか標準的なデスクトップPCすら凌ぐ性能を持っているにも関わらず、重さは11インチモデルで458g、12.9インチモデルで631g/633gとかなり軽量です。
持ち運びやすいモバイルPCを探している方にとって軽量であることは何より魅力的なポイントでしょう。ただ、12.9インチモデルの場合、専用キーボード兼ケースであるSmart Keyboardを装備すると重さは1kgを僅かに上回ってしまいます。
それでもiPad ProはMacbook Airより軽量ですが、体感上の重さはほぼ変わりません。そのため、重さだけを比較してどちらを購入するか決めるのは難しいです。
パソコンとしてもタブレットとしても使える
画像引用元:Apple Smart Keyboard Folio for 11-inch iPad Pro | Sweetwater
パソコンとしてだけでなくタブレットとしても使える点はMacbook Airには無いiPad Proだけが持つ明確なメリットのひとつです。特に移動時などキーボードを開いて使用するのが難しいシチュエーションなどではiPad Proの方が使い勝手に優れます。
Apple Pencilが使えることもiPad Proの魅力で、メモ帳変わりに使ったり、プレゼン用のグラフを作成したりとビジネス用途でも使いやすいです。
Macbook Airもビジネス向きのノートPCですが、性能や機能を総合的に見た場合、iPad Proの方がより多くのシーンで役に立つでしょう。
LTE回線にも対応
どこでも使える、と言ってもMacbook AirはWi-Fi環境のある場所でしかインターネットに接続できないため、実際の使用には大きな制限が掛かります。
特にノマドワーカーとして働いている方や、仕事終わりにどこかで作業をしたい方にとって、わざわざWi-Fi環境があるかどうか確認してからでないとお店に入れないのは非常に面倒でしょう。
一方、iPad ProにはLTE回線に対応したCellularモデルがあるため、データ通信量を気にしなければどこでも快適にインターネットへ接続することが可能です。
iPad Proを選ぶデメリット
ほとんど死角がないように見えるiPad Proですが、実はデメリットもあります。詳しくみていきます。
利用出来る外部機器に制限がある
iPad Proの外部端子はUSB-Cひとつのみであるため、外部機器の接続には大きな制限が掛かります。もちろん、ハブポートを接続することで端子の数を増やすことは出来ますが、持ち運びやすさが売りのiPad Proにたくさんの機器を接続するのは悪手でしょう。
ただ、MacBook Airもこの問題を共有しており、USB-C端子は2つと少な目です。どちらを選ぶにしても外部機器をたくさん接続したい方にとっては持ち運びやすさを捨てるか、持ち運ぶ外部機器の数を減らすかの2択を迫られることになります。
タブレットとしては若干使いにくい
iPad ProはタブレットとしてもノートPCとしても使える優れたマシンですが、新型となったことでホームボタンが廃され、前モデルに比べると持ちにくくなってしまいました。
特にベゼルが狭くなったのは画面が見やすくなった一方、手で持って使う際の使いやすさを損なっており、慣れるまでは操作に苦労します。
とは言え、ベゼルレスディスプレイを採用する流れは他社のタブレットも同様であるため、この問題は今後すべてのタブレットが共有するものとなるでしょう。
普段使いのしやすさならiPad Proがおすすめ!
画像引用元:Amazon.com : Apple iPad Pro (12.9-inch, Wi-Fi + Cellular, 512GB) – Silver (Latest Model) : Amazon Devices
Macbook Airも悪いマシンではありませんが、iPad Proに比べると似たような価格でMacbook Proが存在することも手伝って中途半端なモデルと言わざるを得ません。
また、持ち運びやすさに関してはどちらも同じくらい可搬性に優れるものの、iPad ProはLTE回線にも対応しているのに対し、Macbook AirはWi-Fiのみの対応となっているため、外出先での使いやすさを損なってしまっています。
これらの点を踏まえて両モデルを比較した場合、普段使いのしやすさという観点で見ると優れているのはiPad Proの方でしょう。どこにでも持って行くことが出来、どこでもネットに接続することが可能なPCが欲しいのならiPad Proをおすすめします。