世界的にキャッシュレスが進むなか、日本ではクレジットカードでの支払いは少なく、まだまだ現金での決済が主流です。ところがスマホの普及に伴い、スマホで買い物代金を支払う人が増えてきたのです。今回はドコモの「ドコモ払い」について、仕組みやメリットのほかクレジットカードとの違いなどについて紹介しましょう。
「ドコモ払い」とはどんな決済方法なのか
「ドコモ払い」とクレジットカードの違いを解説する前に、そもそも「ドコモ払い」がどのようなものであるかをおさらいしておきましょう。
「ドコモ払い」はキャリア決済のひとつ
キャリア決済とは、ネットや街のお店で購入した商品の代金を、毎月支払っている通信料金とひとまとめにして支払う決済サービスです。キャリア決済にはドコモの「ドコモ払い」のほか、auの「auかんたん決済」ソフトバンクの「ソフトバンクまとめて支払い」があります。
街のお店でのお買物やお食事の代金を「ドコモ払い」で支払う際は、4ケタのパスワードを入力するだけでOKという手軽さで、クレジットカードのように暗証番号の入力に加えてサインをする必要はありません。
また、買い物だけでなくアプリの購入などでも「ドコモ払い」を利用でき、dポイントに対応しているお店やサイトでなら、dポイントを貯めたり使ったりすることもできます。
クレジットカードより手軽で安全な「ドコモ払い」
「ドコモ払い」はドコモのiモードかspモードを利用していれば、申し込みなしですぐに使うことができます。利用代金の支払い方法は、「電話料金合算払い」に加えて「ドコモ口座」残高からの充当が利用できるのです。
どちらもキャッスレスの後払いですが、それぞれ利用代金に上限が設けられています。そのため、クレジットカードのように気づかないうちに使い過ぎてしまって、支払いに困るような心配はありません。
また、ネットショップでクレジットカードを利用する場合には、カード番号や有効期限などたくさんの項目を入力しなければなりませんが、「ドコモ払い」なら4ケタのパスワードを入力するだけでOKです。
最近はパソコンではなくスマホでショッピングする人が増えていて、少ない手数で簡単に決済できる「ドコモ払い」の便利さが重宝されています。
おトクな「ドコモ払い」限定サービスも
ドコモでは、「ドコモ払い」限定のポイントアップやキャッシュバックキャンペーンを随時開催しています。
たとえば2018年11月には「Amazonで抽選最大20%ポイントバックキャンペーン」という、Amazonでドコモ払いを利用すると利用金額に応じて最大20%のポイントバックされるキャンペーンを実施しています。
詳しい内容やキャンペーンの実施期間は、『ドコモのdポイント 得するキャンペーン情報まとめ』で確認してください。
「ドコモ払い」とモバイル決済との違い
「ドコモ払い」と同じように、スマホなどの携帯端末で買い物代金を支払うものとして、モバイル決済があります。
モバイル決済では NFC/Felicaを搭載したスマホで支払いを行い、例としてはAppleの「Apple Pay」やGoogleの「Android Pay」のほか、サムスンの「Samsung Pay」や中国のアリババが提供している「Alipay」などが代表的なものです。
モバイル決済では支払いのときにクレジットカードを使いませんが、スマホにクレジットカードの情報が登録されています。そのスマホがクレジットカードとして機能しているため、クレジットカードを使っているのと同じことになるのです。
スマホで支払いができるという点で「ドコモ払い」とモバイル決済は似ていますが、中身はかなり違います。クレジットカードは個人情報が他人に漏れることが心配だから使いたくないという方は、モバイル決済ではなく「ドコモ払い」を選んでください。
「ドコモ払い」は電子マネーではない
電子マネーには、カードに付帯したものとスマホで利用できるものがあります。スマホで利用できる電子マネーは、「ドコモ払い」と似ていますが、「ドコモ払い」は電子マネーとは異なるものです。
電子マネーには先払い方式と後払い方式がありますが、楽天Edy・Suica・nanaco・WAONなどの一般的な電子マネーは先払い方式となっていて、プリペイドカードと同じような感覚のものといえます。
一方ドコモの電子マネー・iDには、dカードに付帯したものとスマホやケータイで利用できる「おサイフケータイ」がありますが、おサイフケータイは後払い方式の電子マネーです。
iDはクレジットカードと紐づけられていて、利用した金額は後日ほかのクレジット決済分と共に口座から引き落とされますが、dカードに付帯したiDは、プリペイド方式やデビッド方式でも利用できます。
「ドコモ払い」の利用限度額
「ドコモ払い」の「電話料金合算払い」では、設定できる利用金額に上限が設けられています。利用限度額は契約期間に応じて決められており、それぞれ以下のとおりです。
契約期間 | 設定可能ご利用限度額 |
1~3ヶ月目 | 10,000円/月 |
4~24ヶ月目 | 30,000円/月 |
25ヶ月目以降 | 50,000円/月 |
未成年の方は、契約期間に関係なく利用金額の上限は月1万円です。「電話料金合算払い」では、最高でも月5万円しか利用できないところがデメリットといえますが、際限なく使い過ぎてしまうことが起こりえないという面ではメリットともいえます。
なお、「ドコモ口座充当」で支払う場合は、ドコモ口座の残高が利用限度額となります。こちらも残高以上に使うことはできないため、クレジットカードのように使い過ぎて債務超過になってしまうような心配はありません。
「ドコモ払い」は、キャッスレスで後払いできる便利さと現金払いの安全さを併せ持った、理想的な決済方法なのです。
「ドコモ払い」とクレジットカード払いの違いとは
日本ではなかなかクレジット払いが増えないなか、「ドコモ払い」は徐々に浸透しています。どちらもキャッシュレスの買い物ですが、このような違いが生まれる理由はどのようなものなのでしょうか。
日本でクレジット決済が増えない理由
クレジットカードの保有枚数は、日本人の成人1人あたり約3枚となっています。ところが消費支出に占めるカード利用の割合は20%以下と、クレジットカードを持ってはいるもののあまり使っていないという人が多いのです。
日本人がクレジットカードを利用しないのは、個人情報の漏洩への不安が大きな理由といわれていますが、スマホ決済でもセキュリティーが万全だとは言い切れません。
実際のところは、クレジットカードはお店で提示してカード情報を読み取らなければ利用できないため、カードを不正に使われたりカードそのものを紛失したりするのではないかという心配が根強いようです。
現金を落としてしまっても被害はあるだけの金額で収まりますが、クレジットカードを落としたりカード情報を盗まれたりすると、被害額は相当なものになってしまうので、心配になるのは無理のないことといえます。
「ドコモ払い」とは異なるクレジット決済の仕組み
クレジットカード払いで購入した物品やサービスの代金は、あらかじめ決められている締め日にカード会社が取りまとめて利用者宛に請求書を発行します。
その後、引き落とし日に購入者名義の銀行口座から引き落とされ、そこから決済手数料を差し引いた額がお店に振り込まれるのです。
つまり、お店側は決済手数料分の金額をカード会社に支払わなければなりません。そのうえ実際に代金を手に出来るのは、売り上げから1ヶ月程度先になってしまうというわけで、これらの点はクレジット払いに対応するお店にとって、デメリットとなっています。
「ドコモ払い」できるお店が増えている
「ドコモ払い」を利用する人が増えている理由として、対応しているお店が増えていることも挙げられます。その理由は、先に挙げたようにクレジット払いに掛かるお店側のコストが大きいことに対して、「ドコモ払い」ではコストが小さいというメリットがあることです。
クレジット払いの手数料として、小規模店舗の場合で利用額の4~7%程度をカード会社に支払わなければなりません。またクレジット決済の導入費用も必要なうえ、実際に現金が手元に入るまでにタイムラグがあるのです。
けれども「ドコモ払い」なら手数料率は3.25%と低めになっているうえ、導入費用は実質0円であり、入金されるまでの日数は最短で翌日とお店側にとってのメリットが大きく、導入しやすくなっています。
これが「ドコモ払い」に対応しているお店が増えている理由で、サービスを利用できる場所が増えると利便性が高まり、ますますそのサービスへの需要が増えます。「ドコモ払い」も利用できるお店が増えて、同じような過程を進んでいるようです。
「ドコモ払い」の利用代金はクレジット払いになる?
「ドコモ払い」の支払い方法は、「電話料金合算払い」か「ドコモ口座充当」の2つから選ぶことができます。ところが電話料金をクレジットカードで支払っている場合には、「ドコモ払い」の利用代金は最終的にクレジットカードを利用して支払ったことになるのです。
つまり「ドコモ払い」で買い物するときにクレジットカードは使いませんが、電話料金と一緒に基本還元率分のポイントを獲得することができることになります。
この方法なら、クレジットカードは自宅に保管しているので、落とす心配やカード情報が盗まれる心配はありません。クレジットカードを持ち歩くことなくクレジット決済を利用できることになり、ポイント還元も受けられるのです。
「ドコモ払い」と「d払い」はなにが違う?
「ドコモ払い」と間違えやすいのは、「d払い」です。どちらもドコモの決済サービスで名前も似ています。「ドコモ払い」と「d払い」はなにが違うのでしょうか。
「d払い」はドコモの決済サービス
「d払い」はドコモが提供している決済サービスです。「ドコモ払い」はドコモ回線の契約者でなければ使えませんが、「d払い」はdアカウントを持っている人なら誰でも使えます。
ローソンをはじめマツモトキヨシやタワーレコードなどのd払い加盟店舗で利用でき、スマホの「d払い」アプリを起動して表示されるバーコードやQRコードをお店のレジで提示するだけで支払いが完了。お手持ちの端末がおサイフケータイやApple Payに対応していなくても利用できます。
オンラインショップの無印良品やマツモトキヨシをはじめ、メルカリやDHCなどでも「d払い」で支払いが可能です。「d払い」なら、クレジットカードのようにたくさんの情報を登録する必要はなく、4ケタのパスワードを入力するだけで決済ができるのでとても手軽です。
特にパソコンではなくモバイル端末を利用している方にとって、入力項目が少なくてすむ「d払い」は大変利便性の高いものといえます。
「ドコモ払い」と「d払い」の違い
「ドコモ払い」「d払い」とも、お買い物代金を毎月のケータイ利用代金と合算して支払うもので、両者の違いは利用代金の支払い方法にあります。
「ドコモ払い」は、利用代金を電話料金と合算して銀行口座から引き落とすか、ドコモ口座から充当して支払うかとなっています。一方「d払い」は、電話料金と合算して銀行口座からの引き落としもしくはドコモ口座充当に加えて、クレジットカード決済とdポイント充当での支払いにも対応しています。
d払いアプリで利用した場合は、dポイント充当かドコモ口座充当のいずれかとなります。また、dポイントについては「ドコモ払い」だと貯めることしかできませんが、「d払い」では貯めるだけではなく、利用代金の支払いに充てることも可能です。
dポイントをたくさん貯めたいという方には、「d払い」の利用代金をドコモのdカードでクレジット払いすることをおすすめします。
d払いって何?使い方・使えるお店・決済方法とメリット・デメリット
「ドコモ払い」の利用条件
「ドコモ払い」を利用できるのは、ドコモのi/spモード契約がある方です。ここからは「ドコモ払い」の電話料金合算払いとドコモ口座充当のサービス利用条件について、詳しく解説します。
電話料金合算払いの利用条件
契約種別 | FOMA/Xi(クロッシィ) |
ISP契約 | spモード、またはiモードのどちらかの契約が必要 |
支払い方法 | 携帯電話料金の支払方法に準じる |
1回の購入可能金額 | 1円~利用限度額 |
利用限度額 | 1契約回線毎に1ヵ月間の利用上限を設定 |
請求方法 | 月々の携帯電話料金と合算して請求 |
毎月の携帯電話料金を支払期限内に支払わないと、電話料金合算払いを利用できなくなります。また、電話料金合算払いの合計金額が利用限度額に達している場合や、購入しようとしているものが利用限度額を超えている場合なども、電話料金合算払いを利用できません。
電話料金合算払いでは、都度決済代金・継続課金代金・随時決済代金の3つが利用できるので、コンテンツの月額利用料や健康食品などの定期購入の支払いもできます。
ドコモ口座充当の利用条件
契約種別 | FOMA/Xi(クロッシィ) |
ISP契約 | spモード契約、またはiモード契約のどちらかの契約が必要 |
利用条件 | ドコモ口座に残高があれば利用可能 |
1回の充当可能金額 | 1円~50万円(ドコモ口座残高の範囲内) |
利用限度額 | ドコモ口座の残高の範囲内 |
請求方法 | 購入時にドコモ口座残高から充当金額を出金 |
その他 | 利用代金「都度決済」のみ充当が可能 |
充当しようとしている金額がドコモ口座の残高を超えている場合は、ドコモ口座充当サービスを利用できません。また、利用できるのは「都度決済」のみです。ドコモ払いでドコモ口座充当する方法として、ショッピングサイトでの買い物を例に紹介しましょう。
- 商品を選択したら、お支払い方法確認画面でドコモ払いを選択
- 購入内容を確認して、お支払い手続きへ進む
- お支払い方法確認画面でドコモ口座をタップ
- ドコモ口座残高から支払い金額を入力して内容確認に進む
- パスワードを入力し、承諾して購入ボタンを押す
- 決済番号が表示されて完了
このあと「次へ」を押すとショッピングサイトに戻ります。手続きが完了したのち、ドコモ口座の入出金連絡メールとレシートメールが届くので、利用内容を確認してください。
「ドコモ払い」で気軽にキャッシュレス
2020年開催のオリンピックに向けて、国が音頭を取ってキャッシュレス推進に努めているにもかかわらず、クレジットカード決済がなかなか増えません。そんななかでも、「ドコモ払い」は少しずつ浸透しています。
スマホユーザーが増え続けるとともに、スマホが一台あれば事足りるようになりました。多くのユーザーはスマホを肌身離さず持ち歩いているので、キャッシュレスで買い物ができる「ドコモ払い」の利便性はますます認識されているのです。
クレジットカード決済に抵抗があった方々であっても、常に持ち歩いているスマホでの「ドコモ払い」で気軽にキャッシュレスを実行しています。「ドコモ払い」でとクレジットカードの違いを理解すれば、もっと安心して「ドコモ払い」を利用できるようになりますよ。