iPhone XR / XS 搭載のDSDS/eSIMとは?使い方・お得なキャリアの選び方

  • 21.01.17
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  • ※本記事は21.01.17に作成された記事です。最新情報は公式ページをご確認ください。

2018年モデルとして新しく発売されたiPhoneシリーズのiPhone XRとiPhone XSは全体的にスペックアップされた内容や、カメラ機能、ディスプレイなど表立った変化に目が行きがちですが、今回この2つのモデルに対して大きく変わった仕様があります。

それがeSIMを用いたDSDSが搭載された点です。

”DSDS”と”eSIM”について、ワードだけ聞くとあまりピンと来ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここではそんな新しく追加された機能”DSDS”と”eSIM”についてどう使うと便利な機能なのか、また使ううえでどのようなキャリアを選べばお得になるのかヒントをまとめました。

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”DSDS”とはどんな機能なのか

”DSDS”とは「Dual SIM Dual Standby(デュアルSIMデュアルスタンバイ)」の頭文字を合わせたもので、2枚のSIMを挿入して同時に使用することができる機能ことを言います。

1台のスマホに対して2枚のSIMを挿入することができるので、2つの通信事業者と契約を行うことが可能です。

では、2枚のSIMを挿入することでどんなことが可能になるのか、デメリットはないのか下記項目で掘り下げていきます。

DSDSでできること、メリット

今までもデュアルSIM対応の端末はありましたが、シングルスタンバイタイプのものだと2枚挿入できても待ち受けはどちらか1枚のみで、利用用途に合わせて自分でSIMの切り替え操作をする必要がありました。

しかしDSDSであれば、2枚のSIMを同時に挿入できるのはもちろんのこと、2枚のSIMカードで同時に待ち受けも可能です。切り替え操作が簡単な点は非常に便利なポイントと言えます。

また仕事用とプライベート用で電話番号を1つの端末で2つ使い分けることができたり、通話とデータ通信を別々の会社で契約して持つことも可能になります。

1枚はキャリアSIMで2枚目は格安SIMでと2枚のSIMカードをうまく組み合わせて使い分け、毎月支払う月額料金を上手く押さえるこができるのです。

DSDSが使えることでメリットを感じる最大のポイントではないでしょうか。

デメリットはあるのか

DSDSが搭載されていることで特別デメリットを体感することはないでしょう。

しかしDSDSが搭載されたことによってiPhone XS、iPhone XRの購入を検討している方で、通話と通信を2枚のSIMを使い分け同時使用を予定している方は認識を改めねばなりません。

2枚同時に待ち受けができるとは言え、実は2枚同時に使用することはできません。DSDSはあくまでも”デュアルSIMデュアルスタンバイ”の意味なので2枚同時に待ち受けが可能なだけなんです。

どういうことかと言うと、例えば1枚目のSIMで通話しながら2枚目のSIMの方で通信を行うことはできません。通話中にネットで調べたいことがあっても1枚目のSIMの契約で通話と通信を行うことになります。

せっかく1枚目のSIMで通話をメインに、2枚目のSIMでデータ通信量を安くするために格安SIMでと契約していても、同時使用をする場合は1枚のSIMで通話料もデータ通信量も発生してしまうため、同時使用が多い方は今一度しっかり考え直した方がよいでしょう。

日本は”eSIM”対応

日本国内で購入できるiPhone XS、iPhone XRでDSDSを使用する場合、対応しているSIMは”eSIM”というものになります。eSIMは「embedded Subscriber Identity Module」の略称で、ここ数年の間に登場したばかりのSIMの新しい次世代規格です。

挿し込み型のSIMと異なりeSIMは埋め込み型のSIMです。最初から端末に埋め込まれているものになります。日本国内ですとまだ対応している端末は少なく、最近だとApple Watch Series 3がeSIM対応端末としてリリースされたのが記憶に新しいところでしょうか。

今回発売されたiPhone XS、iPhone XRはこのeSIMとカード型SIM(nanoSIM)の2枚が利用できる状態というわけです。

eSIMのメリット、デメリット

eSIMの大きな特徴は埋め込み型である点と利用者自身がSIMに書き込まれている携帯電話の情報を簡単に書き換えることができる点です。

利用者自身で書き換えが行えることで予想されるメリットは以下になります。

  1. 海外旅行の際に現地SIMの購入、差し替えが不要になる
  2. 機種変更に伴うSIMの書き換えでショップに行く必要がなくなる

利用者自身でSIMの情報書き換えができるので、海外旅行先で現地SIMを購入して挿し替えるなどの設定が要らず現地のキャリアの通信切り替え利用することが可能になります。(この場合eSIM対応のキャリアに限ります。)

機種変更も現状はSIMサイズが変わったり、SIMの情報書き換えが必要な場合基本的にはショップなどの店頭での手続きが必要です。

しかしeSIMが主流となれば今後ショップなど来店せず書き換えが可能となります。

カード型SIMは情報の上書きができないため機種変更の際にSIMの書き換えを行うとその度に使い捨てるかたちでしたが、eSIMは何度も書き換えが可能なのでSIMを使い捨てることもなくなるでしょう。

eSIMの情報の書き換えやキャリア切り替えが簡単にできるというメリットは、今後の通信業界の流れを大きく変えていくものと言えます。しかし日本国内では大手3キャリアからの囲い込みが激しいのが現状です。

キャリアの切り替えが今よりも簡単に行える以上、大手3キャリアでそうやすやすとeSIM対応の端末が一挙にリリースされるとは考えにくく普及に時間がかかる可能性があります。

また、日本国内販売のiPhone XS、iPhone XRもeSIM対応とはいえ2018年10月現在ではeSIMの情報書き換えを行うことはできません。

eSIMのメリットに飛びつき購入してもすぐには利用できませんので注意しましょう。

Appleの発表では年内にはソフトウェアのアップデートでeSIMを活用できるようになるようです。ただし各キャリアでどのような対応になるのかはまた別の話です。

各キャリアからの詳細発表も待ちましょう。

そしてeSIMの最大のデメリットが、もし端末本体が故障した場合にeSIMは取り出せないという点です。カード型SIMの場合手元に他の端末があれば差し替えてすぐ代用できますがeSIMはそうはいきません。

今後修理に出す際に各キャリアやメーカーがどのように対応してくれるのか故障・修理の点でも確認した方が良さそうです。

中国本土はnanoSIM×2対応

日本販売モデルがeSIM対応なのに対して、中国本土での販売モデルはnanoSIM×2枚のDSDSとなっています。またさらに中国版と香港版、マカオ版などと対機種が分かれているそうです。(iPhone XSのみ香港版、マカオ版でもeSIM対応)

eSIMのメリットを知った今物理的にカード型SIMを2枚差し替えたりするのは面倒に感じますが、実は中国本土ではeSIMの使用が禁止されているため実装できなかったという経緯があります。

もし頻繁に中国本土への出張、今後転勤の予定がある方は日本国内モデルをそのまま中国本土で使う場合、結局は現地SIMの契約や購入が必要となるため、中国本土での滞在日数が多い方は中国版のiPhone XS、iPhone XRを現地で購入することを視野にいれて検討してもいいかもしれません。

DSDS機能を使うには

DSDS機能を使うには、カード型SIMで契約するキャリアとeSIMに追加するキャリアを契約しiPhone XS、iPhone XRそれぞれ本体に追加設定を行います。カード型SIMはカードスロットに挿入するだけで大丈夫です。後はeSIMの追加と切り替えするための設定を行います。

eSIMを追加するには

eSIMを追加するにはまずいくつかの利用条件をクリアしていることが前提です。利用条件をチェックしてから、eSIMでの通信設定を行いましょう。

利用条件

まず大前提にお持ちの機種がiPhone XSならびiPhone XRであること。(もちろんiPhone XS Maxも含みます。)次に年内にリリース予定のソフトウェアアップデートを行う必要があります。またQPコードアプリ、もしくはeSIMに対応しているキャリアが専用のアプリを提供していれば専用アプリをダウンロードしましょう。

その他異なる2つのキャリアを利用するのであればSIMロック解除を事前に行います。例えばドコモでiPhone XSを購入し片方の契約をドコモ、もう片方の契約を他社でする場合はSIMロック解除が必要です。

どちらも同じキャリアで契約する場合はSIMロック解除は必要ありません。しかしCDMA方式のキャリアで1つ目の契約をしている場合、2つ目のSIMはCDMA方式の契約では利用することができません。

CDMA方式を採用しているのは国内ですとauのみです。またau系のMVNOキャリアも該当します。世界的にもCDMA方式を採用している会社は少なくそのため対応できるように開発されていないのではと言われています。

au系で2つとも契約をまとめたい場合は各キャリアに問い合わせのうえ契約してください。

eSIMのモバイル通信設定を行う

設定を行うには2つ方法があります。1つ目はキャリアで用意されたQRコードを読み込んで設定を行う方法、2つ目はキャリア専用のアプリを使って設定を行う方法です。また必要に応じて手動で設定も行えます。

QRコードの場合は、「設定」→「モバイル通信」の順にメニューを開きます。次に「モバイル通信プランを追加」をタップし、iPhoneを使てキャリアで用意されたQRコードを読み込み完了です。キャリア専用のアプリはキャリアごとに異なります。

その他の設定・使い方

2つのSIMのアクティベーションが終わったら、それぞれに仕事用なのかプライベート用なのかラベルをつけることができます。ラベルをつけることで設定・管理がわかりやすくなるのでつけておきましょう。もちろん後でラベルを変更することも可能です。

次にデフォルトで使用する番号を設定します。番号ごとに設定項目のラジオボタンをタップします「デフォルト回線」を選択するか、「モバイルデータ通信にのみ使用」を選択すると自動的にもうひとつの番号がデフォルト回線に宛がわれます。

”主回線”デフォルト回線として使用を選択した場合、主回線が音声通話、データ通信、SMS、FaceTimeなどのデフォルト回線として使用されます。この時「副回線」は音声通話とSMSのみ使用されます。

”副回線”をデフォルト回線として使用を選択した場合、副回線が音声通話、データ通信、SMS、FaceTimeなどのデフォルト回線として使用されます。この時「主回線」はは音声通話とSMSのみ使用されます。

”副回線”をモバイルデータ通信にのみ使用を選択した場合、例えば海外で旅行中も主回線をデフォルト回線として使いたいのであればこちらを選択しておきましょう。「副回線」をデータ通信に使用できます。

上記設定をしておけば、後は実際に電話を発信する時、SMSを送信したりFaceTimeで会話したりする際に、アプリごとで発信、送信番号を切り替え選択できます。

DSDSの機能はすぐに使えるわけではない

eSIMのメリット、デメリットでも触れましたが、まとめると今回国内販売モデルのiPhone XS、iPhone XRはDSDS搭載のeSIM対応となったもののeSIMが実際使用できるようになるのは2018年中に予定されている大型のソフトウェアアップデートが行われてからとなります。

またiPhoneがソフトウェアップデートでeSIMが使えるように準備が整っても、各キャリアの対応や契約方法がどうなるかこちらもまだ不明瞭です。DSDS機能を使うためにeSIMの追加方法をご紹介しましたが、あくまでもAppleの公式サイトでサポートされている方法です。

キャリアによってはプラスアルファで必要な設定が出てくる可能性もあります。あくまでも現時点での情報として認識してください。

お得なキャリア選び、契約について

DSDS機能を活用し毎月支払う月額料金を押さえるには、2枚のSIMをうまく組み合わせる必要があります。しかし、今のところ格安SIMと呼ばれるMVNOキャリアがeSIMに対応するといった話は聞こえてきていません。

そうなると、大手3キャリアがeSIM対応となればeSIMの契約を大手キャリアで行い、もう1枚空いているカードスロットにカード型の格安SIMを契約して挿入して使うことになると予想されます。

格安SIMを2つ契約して使い分けるといった方法は今のところ難しい状況です。

各MVNOキャリアがeSIM対応にとなれば月額料金を安くおさえられる選択肢が増えることでしょう。

しかし現状eSIM側の契約は大手キャリアしか選択できない可能性が高いようです。DSDSを利用しないのであれば今まで通りSIMロック解除さえを行えば格安SIM単体の利用は可能です。

また大手3キャリアがeSIM対応となった際にはeSIM用料金プランが打ち出される可能性もあり、正直今の段階でははっきりとどのような組み合わせをすればいくらに収まるといった見積もりが難しい状態です。

お得なキャリアを選ぶにはしっかり情報が出揃った段階で検討する方が確実と言えます。情報が出揃い次第どう組み合わせるか悩むことになりますが、それまでにどう使いたいかをはっきりさせておくといいでしょう。

例えばデータ通信量が多くがっつりデータ通信を行いたい方は、大手3キャリアのeSIM用のプランが通話プランのみでデータプランを外せるようであれば、データ通信は月額の安い格安SIMで契約した方がお得です。

もしデータプランが外せないのであれば契約しているデータプランの通信量とバランスを見て、2つ目に契約するキャリアを検討する必要があります。

2つ電話番号がほしいのか、月額を安く押さえたいのなら現状毎月データ通信量をどのくらい使っているのか把握しておきましょう。

来るべき日に備えDSDSを活用する方法をしっかりチェック

まだ不明瞭な点が多いとはいえ、今の時代に求められている機能ですから、各キャリア側での対応やサポートも徐々にかもしれませんが整ってくるでしょう。今後に期待するかたちではありますが、まだeSIM対応の機種が少ない中で発売されたiPhone XS、iPhone XRはぜひとも押さえておきたい端末です。

来るべき日に備えて情報そしっかり取り入れチェックしていきましょう。これから更新されるであろう各キャリアの発表から目が離せません。


この記事を書いた人
masyumaron
2匹の猫と暮らす、元・ドコモショップ店員。ソフトバンクもauも販売スタッフ経験あり。スマホ2台持ち10年目。現在もたまに家電量販店で各キャリアのキャンペーンスタッフのバイト中。SHARPとGalaxyシリーズが好き。