2018年9月1日より、ドコモが提供している割引サービス「docomo with」の対象機種にiPhone 6s(32GB)が追加されます。docomo withは対象機種を購入すると、利用期間中ずっと月額1,500円が割り引かれるプランで、ライトユーザー向けの割安なプランとして支持されてきました。
過去には、docomo with対象機種であるシャープのAQUOS senseがヒットしたこともあり、満を持してのiPhone登場に、さらなるdocomo withへの加入者の増加が見込まれています。
本記事では、前半で「docomo with+iPhone 6s」を利用した場合の料金例などを解説し、後半で3世代前のモデルであるiPhone 6sが現役でも使える機種なのかを比較・検証しています。
ぜひ参考にしてみてください。
機種 | iPhone15 | iPhone15 Plus | iPhone15 Pro | iPhone15 Pro Max |
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本体 | ||||
価格 | 70,392円~ | 78,384円~ | 89,880円~ | 112,392円~ |
特徴 | iPhone15シリーズを コスパで選ぶならこれ | 低価格で大画面の iPhoneならこれ | ハイスペックかつ コンパクトならこれ | 大画面でサクサク 使いたいならこれ |
購入 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
docomo withって?
画像引用元:docomo with | 料金・割引 | NTTドコモ
2017年6月1日からサービスが開始したdocomo withは、対象機種を購入すると、毎月の利用料金から1,500円割引を受けられる料金プラン。
新規端末購入補助の「月々サポート」との併用はできませんが、docomo withの方は対象機種を使用している間ずっと割引が効きます。そのため、1つの機種を長く使うユーザーや、最新機種にあまり機種変更しないライトユーザーは、docomo withを利用した方がおトクです。
新たにラインナップに加わるiPhone 6sのほか、docomo with対象機種は以下のようになっています。(2018年8月時点)
■docomo with対象機種 |
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iPhone 6s(アップル)、arrows Be F-04K(富士通)、LG style L-03K(LG)、AQUOS sense SH-01K(シャープ)、MONO MO-01K(ZTE)、Galaxy Feel SC-04J(サムスン)、らくらくスマートフォン me(富士通) |
iPhone 6sの機種代金はいくら?
ドコモから発売されるiPhone 6sの端末価格は39,600円(税込42,768円)。24回払いで計算すると月額1,782円です。docomo withの1,500円の割引であれば、29ヵ月利用すると割引額が43,500円になり、元が取れる計算になります。これまで端末価格の高いためにiPhoneを敬遠してきたユーザーからも支持が集まりそうです。
サブブランド系の料金プランに対抗
ドコモは報道発表で「ご家族3人なら、一人あたり月1,980円からの通信料金でご利用可能に」という一文を掲げています。参考例として出された料金イメージは以下の通り。
シンプルプラン | SPモード利用料 | ベーシックシェアパック | ずっとドコモ割+(プラチナ) | docomo with割引 | 合計月額利用料 | 一人当たり平均 | |
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代表回線 | 980円 | 300円 | 6,500円 | -900円 | -1,500円 | 5,380円~ | 1,980円~ |
子回線1 | 980円 | 300円 | 500円 | – | -1,500円 | 280円 | |
子回線2 | 980円 | 300円 | 500円 | – | -1,500円 | 280円 |
一見して分かる通り、「3人でベーシックシェアパックを利用した場合の平均額」というのは、かなり狭い例です。そこまでして1,980円にこだわったことからも、サブブランド系の格安SIMに対抗する狙いがうかがえます。
同じくiPhone 6sを取り扱っている、ソフトバンクのサブブランドのY!mobileや、auのサブブランドのUQモバイルは、低容量プランの利用料金が月額1,980円で、ドコモが掲げた通信料金と同額です。ライバル社2社のサブブランドへのユーザー流失を防げるのかにも注目が集まります。
サブブランド系って?
「サブブランド系」というとあまり馴染みのない言葉かもしれません。格安SIMのなかでも、ドコモ・au・ソフトバンクといった大手キャリアが実質運営している会社がサブブランド系と呼ばれています。
ほかの格安SIM会社に比べると、料金プランが若干高めですが、通信環境が安定しているのが特徴で、Y!mobileがソフトバンク、UQモバイルがauのサブブランドに該当します。
iPhone 6s(32GB)を使用するならどこが一番安い?
画像引用元:iPhone 6sまたはiPhone 6s Plusを購入 – Apple(日本)
iPhone 6s(32GB)を使用するなら、いったいどこの携帯会社を利用するのがベストでしょうか? ここでは、iPhone 6sを扱っているドコモとその他の格安SIMの月額利用料金を比較していきます。料金については家族プランはなしで、個人での利用を想定して計算します。
「ドコモ」でiPhone 6Sを使う
ドコモの料金プランは「基本使用料+パケットパック+spモード料+各種割引(+機種代金)」で構成されています。基本プランは一番安い「シンプルプラン+ベーシックパック」の組み合わせで、docomo withに加入した場合の月額利用料金を計算します。
なお、ずっとドコモ割は、ユーザーの利用状況によって割引額が変わりますので、考慮しないものとします。
- シンプルプラン(980円)+ベーシックパック(2,900円)+spモード利用料(300円)+docomo with(-1,500円)+機種代金(1,782円)=4,462円
ベーシックパックのデータ容量は最小の1GBまでで、そのほかシンプルプランのオプションとして、家族内通話無料が付いています。
「Y!mobile」でiPhone 6Sを使う
Y!mobile以下、これから紹介する格安SIMの料金プランは、通話・データ通信・プロバイダ料が一括になった「基本プラン+割引(+機種代金)」という構成。加えてY!mobileでは、端末購入で適用される「月額割引」、加入翌月から1年間1,000割引きされる「ワンキュッパ割」が適用されます。
- スマホプランS(3,218円)+月額割引(-1,296円)+ワンキュッパ割(-1,080円)+機種代金(2,916円)=3,758円 2年目以降:4,838円
スマホプランSのデータ容量は1GBですが、データ増量キャンペーンが適用されるので3GBまで、オプションとして国内通話10分以内無料が付きます。
「UQモバイル」でiPhone 6Sを使う
UQモバイルもY!mobile同様に「基本プラン+割引(+機種代金)」という料金プランの構成。割引は「スマトク割/長期利用割引」「イチキュッパ割」と、機種購入が対象の「マンスリー割」が適用されます。
- おしゃべりプランS(2,138円)+マンスリー割(-864円)+機種代金(2,484円)=3,758円 2年目以降:4,838円
データ容量は1GBに無料の増量オプションがついて3GBまで、通話は5分以内の通話無料か、計60分の無料通話のどちらかから選べます。利用料金はY!mobileと同額です。
「BIGLOBEモバイル」でiPhone 6Sを使う
続いてはBIGLOBEモバイル。料金プランはほかの格安SIM同様「基本プラン+割引(+機種代金)」の構成です。現在「iPhone SE・6s + Sプラン(~1GB)」の受付は終了してしまったので、プランはひとつ上のS+プラン(~3GB)になります。
- スマホまる得S+プラン(2,430円)+端末値引き特典(-1,050円)+機種代金(2,350円)=3,730円 2年目以降:4,780円
データ容量は3GBまで。端末値引き特典は2018年8月1日〜2018年9月30日の期間中に、「スマホまる得プラン」に申し込んだ場合のみ適用されます。スマホまる得プランは、オプションとして90分の無料通話か、国内通話10分以内かけ放題のどちらかを選択可能です。
◎iPhone 6s(32GB)の最安月額利用料金
以下の表は、iPhone 6sを購入した場合の月額利用料金・端末価格・2年間の支払総額を比較したものです。
携帯会社 | 端末価格 | 月額利用料金(2年目以降) | 支払総額 |
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ドコモ | 42,768円 | 4,462円 | 107,088円 |
Y!mobile | 70,524円 | 3,758円(4,838円) | 103,692円 |
UQモバイル | 59,724円 | 3,758円(4,838円) | 103,260円 |
BIGLOBEモバイル | 56,400円 | 3,730円(4,780円) | 102,120円 |
※価格はすべて税込みで、公式サイトのシミュレーション結果を参照しています。手続き手数料等は支払総額に加算していません。
また、mineoやJ:COMモバイルでもiPhone 6sを取り扱っていますが、機種やモデルがiPhone 6s(32GB)ではないので、今回は比較対象から省きました。
端末価格で見ると、ドコモが42,768円で最安、2年間の支払総額で見るとBIGLOBEモバイルの102,120円が最安という結果になりました。
オプションの無料通話の内容や、月に使用できるデータ容量など、ユーザーの使い方によってどの携帯会社が安いかは変わってきます。最大でも5,000円程度の差額のため、サービスの充実度と料金のバランスを考慮すると、わずかながらドコモに軍配が上がるのではないでしょうか。
iPhone 6sは現役で使えるのか?
ここからは、iPhone 6s(32GB)が現役で使える機種なのかどうかを見ていきます。
今年9月にも例年通りであれば新型iPhoneが発売されます。去年がiPhone X/8/8 Plus、その前の年がiPhone 7、さらに前の2015年がiPhone 6sですので、2018年モデルから数えると3世代前の機種です。現行機種とスペックを比較してみると、どうでしょうか。
iPhone X | iPhone 8 | iPhone 7 | iPhone 6s | |
---|---|---|---|---|
発売日 | 2017年11月3日 | 2017年9月22日 | 2016年9月16日 | 2015年9月25日 |
サイズ (高さ/幅/厚さ) | 143.6/70.9/7.7 mm | 138.4/67.3/7.3 mm | 138.3/67.1/7.1 mm | |
重量 | 174g | 148g | 138g | 143g |
ディスプレイ | 5.8インチ有機EL | 4.7インチ液晶 | ||
解像度 | 2,436 × 1,125 | 1,334 x 750 | ||
CPU | A11 Bionic | A10 Fusion | A9 | |
容量 (GB) | 64 / 256 | 32 / 128 | ||
連続通話時間 | 21時間 | 14時間 | 14時間(3G) | |
ネット利用時間 | 12時間 | |||
カメラ(F値) | 広角(1.8)&望遠(2.4)デュアルカメラ | シングルカメラ(1.8) | シングルカメラ(2.2) | |
画素数 | 1,200万画素 | |||
ビデオ | 4K(最大60fps) | 4K(最大30fps) | ||
認証 | Face ID | Touch ID | ||
Apple Pay | 〇 | アプリ内・ウェブ上の支払いのみ | ||
耐水防塵 | 〇 | × |
〇iOSで考えてもiPhone 6sは未だ現役
2018年の秋には、アップルから最新OS「iOS 12」が配信されます。対象となる機種は、iPhone 6sよりさらに2世代前のiPhone 5s以降の端末です。
アップデート内容は、カメラやアプリの起動が高速化するなど、パフォーマンス改善が中心で、iOS 12に対応するすべての機種で改善されます。さらに、新たに実装される最大32人のグループ通話「Face Time」にも対応しているので、iPhone 6sはバリバリの現役機種といえます。
iPhone 5sが今回のアップデートの対象になったことから予測すると、少なくともあと3年、2021年秋までは新iOSの対象機種に入ってくる可能性が高いです。iPhone 6sは、これから3年以上現役で活躍する、今買っても損しない機種です。
〇スペックも普段使いには十分
CPUのA9チップは、少し前のモデルですが処理性能は十分で、現行iOS 11でも快適な動作を見せています。4.7インチの液晶ディスプレイとサイズ感はiPhone 8、7とほぼ同じ。重さも軽量で、スマートフォンの大型化を不便に感じているユーザーにとっては、使いやすいサイズ感です。
また、iPhone 7以降はイヤホンジャックが廃止されていますが、iPhone 6sはイヤホンジャックがあるのも、一部のユーザーにはありがたい機能でしょう。
〇カメラ性能も優秀
画素数で見ると、iPhone 6sのカメラは1,200万画素と、iPhone Xとも同等。日中の撮影であれば十分きれいに撮影できます。
ただし、iPhone 7からはF値が1.8のより明るいレンズを搭載しています。F値は小さいほど明るい写真を撮影できますので、F値が2.2のiPhone 6sのカメラより、7以降の機種の方が暗所でもより鮮明に撮影可能です。また、画素数では大きく進化していませんが、実際に撮影してみると写真のディティールの部分などで、はっきり差が出ています。
iPhone Xなどのデュアルカメラ機種であれば、背景をぼかすポートレートモードなどが搭載されており、カメラにこだわりがあるユーザーにとってiPhone 6sは物足りないスペックかもしれません。
△Apple Payには非対応
スペックの向上もさることながら、iPhone 6s→iPhone 7の間で一番大きな進化は、Apple Payが利用できるようになった点でしょう。それまでのiPhoneシリーズは、日本国内で電子マネー決済を利用できませんでしたが、iPhone 7で満を持してFeliCaが搭載され、Apple Payのアプリからスマホでの支払いが可能になりました。
現在おサイフケータイやApple Payを利用しているというユーザーには、一番のネックになるかもしれません。
また、防水防塵性能もiPhone 7から備わり、水没や故障に強くなりました。端末が高額なiPhoneなだけに、ある程度安心して使用することができるのは、嬉しいかぎりです。
△32GBモデルのみなので容量が少ない
iPhone 6sは、処理性能などは優秀ですが、容量が32GBしかない点は気になります。
最新のiPhone Xであれば容量は最小でも64GBからです。iPhoneシリーズには一貫してSDカードスロットが非搭載ですので、32GBというのは、普段から画像や動画を多く撮影するユーザーにとって心許ない容量。iCloudやDropboxといったクラウドサービスが活躍する場面も多くなりそうです。
iPhone 6に向いている人・いない人
9月1日からdocomo withの対象機種に追加されるiPhone 6s(32GB)は、ひと通りの処理はサクサクとこなせるスペックは備わっているので、割安でiPhoneを利用したいライトユーザーに向いています。iPhone 5sが2018年秋の「iOS 12」に対応していることを考慮すると、iPhone 6sは少なくともあと3年はiOSのアップデートの対象となりそうなので、その間は現役機種として活躍しそうです。
一方で、Apple Payに非対応であったり、容量が物足りなかったりといった欠点もありますので、普段スマートフォンを使って買い物をしたり、交通機関を利用したりしている方は不便に感じます。容量が少ないので、写真や動画をよく撮る人も、iPhone 6sにあまり向いていません。
また、docomo withで運用するのと、iPhone 6sを取り扱っているほかの格安SIMで運用するのを比べてみると、2年間で3,000円~5,000円程度の差しかありません。サービスの充実度を考慮すればdocomo withで運用するのがおトクです。これまでdocomo withに加入したいけど欲しい機種がないと二の足を踏んでいた方も、この機会に再検討されてみてはいかがでしょうか。