スマホ乗り換え時に必須なのが旧端末から新端末へのデータ移行です。最近は写真や連絡先だけでなく音楽・アプリ情報など、移行するデータは以前に比べて膨大な量になりつつあります。
データ移行をスムーズに行うための前準備とデータ移行方法、iOS11から追加された「クイックスタート」もあわせて詳しくご紹介します。
Androidスマホのデータ移行方法は別記事で紹介していますのでそちらをご覧ください。
機種 | iPhone15 | iPhone15 Plus | iPhone15 Pro | iPhone15 Pro Max |
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本体 | ||||
価格 | 70,392円~ | 78,384円~ | 89,880円~ | 112,392円~ |
特徴 | iPhone15シリーズを コスパで選ぶならこれ | 低価格で大画面の iPhoneならこれ | ハイスペックかつ コンパクトならこれ | 大画面でサクサク 使いたいならこれ |
購入 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
iPhoneでのデータ移行方法は大きくわけて3パターン
これまでの「iCloudによるデータ移行」と「iTunesによるデータ移行」に加えて、iOS 11から「クイックスタート」という新機能が追加され、初期設定の入力を簡略化することが可能になりました。
iCloudによるデータ移行はインターネット上のクラウドを利用し、iPhone本体で行います。PCが無くてもWi-Fi環境であれば簡単にデータ移行が完了しますが、容量に制限があり5GBを超える場合は容量をアップグレード(有料)する必要があります。
iTunesによるデータ移行はiPhoneとPCをUSBケーブルで繋いで行います。容量に制限が無いので音楽データなどが多い方におすすめですが、iTunesのダウンロードされたPCが無いと行うことができません。
クイックスタートは旧・新の2台のiPhoneを近づけるだけで旧端末の設定を新端末に引継ぎ、初期設定の入力を簡略化する機能です。名前から全てのデータ移行ができると思いがちですが、初期設定の一部のデータをコピーして設定を簡単にするだけでその他のデータ移行は行えません。
しかし、もともとiCloudやiTunesに定期的にバックアップをとっている方にとっては、クイックスタート設定完了後にそのままバックアップを復元する作業に入れるので、これまでよりも簡単にデータ移行が可能になっています。
主なデータ移行方法の特徴をよく理解し、自分に合った方法でデータ移行を行うようにしましょう。
スマホ乗り換え時のデータ移行 前準備【iPhone編】
スマホ乗り換え時のデータ移行を簡単に行うためには、事前の準備が重要になってきます。前もって必要な情報を準備したりデータをバージョンアップしておくことで、問題なくスムーズにデータ移行を行うことができます。
Apple ID・パスワードを確認しておく
画像引用元:https://support.apple.com/ja-jp/ht201487
まず、データ移行の前準備として必須なのはApple IDとパスワードです。Apple IDは通常はご自分のメールアドレスですが、たくさんのメールアドレスを利用している場合はどのアドレスだったかわからなくなる場合もあるでしょう。
iPhoneでiTunes StoreやApp Store、iCloudにサインインしている場合はiPhone本体から確認することができますので、データ移行を行う前に必ず確認をしておきましょう。
iTunes Store・App Storeの場合
ホーム画面の「設定」⇒「iTunes Store と App Store」⇒Apple ID (メールアドレス)
iCloudの場合
ホーム画面の「設定」⇒「iCloud」⇒Apple ID (メールアドレス)
どうしても思い出せない場合はApple IDのアカウントページを使って検索することが可能です。
もしクイックスタートを利用する場合はサインインした状態であればApple IDは入力せずにそのまま引き継ぐことができますが、パスワードは入力が必要になります。
Apple IDのパスワードを忘れてしまった場合はAppleサポートからリセットすることができます。
iPhoneのパスコードを確認しておく
Apple IDやパスワードと同じく、iPhoneのパスコードも重要です。いつもはロック解除にTouch ID(指紋認証)などを利用していてまったくパスコードを覚えていないという方もいるかもしれません。
パスコードを忘れてしまうと、端末の電源を入れる時や再起動時、ソフトウェアのアップデートをする時などに操作ができなくなってしまいます。
もし忘れてしまっている場合は端末を初期化してパスコードを消去し、iTunesなどからバックアップを復元するとパスコードを再設定することが可能です。
引き継ぎが必要なアプリの設定をしておこう
アプリやゲームの中には機種変更時に特別なデータ移行の手続きを必要とするものがあります。
例えばLINEを利用している場合は事前にメールアドレスの登録や履歴のバックアップを行い、引継ぎ設定をしなければ新端末でログインすることができずにデータが消失してしまいかねません。
スマホのデータ移行を行う前に、利用しているアプリ等の説明を良く読んでデータ引継ぎも忘れずに行っておきましょう。
個別に引継ぎが必要なもの
- LINE
- ゲームデータ
- Apple Payのデータ(Suica・クレジットカード)など
電池残量に注意
データ移行を行う前に事前に充電をしておくか、充電しながら作業を行うようにしましょう。データ量によっては復元完了するまでに時間がかかることがあります。途中で充電が切れてしまうことが無いように注意しましょう。
iTunesの自動同期をオフにする
iTunesでデータ移行を行う場合、PCの設定で自動同期が有効になっていると接続と同時に自動的にiTunesの同期が開始されます。データが消えたり重複する可能性がありますので、iPhoneとPCを接続する前に自動同期の設定が解除されているかを確認しましょう。
iTunesの自動同期をオフにする方法
「iTunes」⇒「環境設定」⇒「デバイス」のページで「iPod、iPhone、およびiPadを自動的に同期しない。」にチェックを入れる
「iPhoneを探す」をオフにする
「iPhoneを探す」機能はiPhoneを紛失したり盗難にあった場合に必要な機能ですが、iPhoneを復元する際に「iPhoneを探す」をオフにしていない場合はアクティベーションロック機能が働き復元を行うことができません(iOS7 以降)。
データ移行を行う場合は忘れずに事前に「iPhoneを探す」をオフにしておきましょう。
「iPhoneを探す」をオフにする方法
ホーム画面「設定」⇒「Apple ID、iCloud、~」⇒「iCloud」⇒「iPhone を探す」をオフにする
iOS、iTunesを最新バージョンにしておく
新しい端末にデータ移行をしようとするとソフトウェアが古すぎるため、バックアップを行えない旨のメッセージが表示されることがあります。データ移行前には新・旧端末それぞれのiOSを最新バージョンにしておくように気を付けましょう。
iOSのアップデートはワイヤレスまたはiTunes経由でおこなえます。iTunes経由でアップデートする場合はiTunesの自動同期機能をオフにしないとデータが消える可能性がありますのでご注意ください。
iTunesを利用してiOSのアップデート方法・データ移行を行う場合は事前にiTunesも最新版にアップグレードしておきましょう。
iOSのアップデート方法(ワイヤレスの場合)
ホーム画面「設定」⇒「一般」⇒「ソフトウェアアップデート」⇒「今すぐインストール」⇒パスコードを入力
iOSのアップデート方法(iTunesの場合)
端末をPCに接続⇒iTunes⇒デバイスを選択⇒「概要」⇒「アップデートを確認」⇒「ダウンロードしてアップデート」⇒パスコードを入力
画像引用元:https://support.apple.com/ja-jp/ht204204
Windows版iTunesアップデート方法
画面上部のメニューバーから「ヘルプ」⇒「更新プログラムを確認」(最新版であれば非表示)を選択
Mac版iTunesのアップデート方法
画面上部のメニューバーから「iTunes」⇒「アップデートを確認」(最新版であれば非表示)を選択
スマホ乗り換え時の簡単なデータ移行方法【iPhone編】
クイックスタートでデータ移行を行う方法
クイックスタートでデータ移行する場合の特徴
- 言語設定・キーボード設定情報、Wi-Fi設定情報・パスワード、Apple IDの引継ぎが可能
- 写真やデータ、メッセージ内容、アプリなどは引き継げない
- 旧・新の2台のiPhoneが必要
- 設定中は両端末が使えない状態になるので注意
クイックスタートは旧・新端末の両方がiOS 11を搭載している場合に利用できる、初期設定を簡略化する機能です。旧・新の2台のiPhoneを近づけるだけで旧端末の設定を新端末に引継ぐことができます。
iCloudやiTunesに定期的にバックアップをとっている方は、クイックスタート設定後にそのままバックアップの復元を行うことで簡単にデータ移行が完了します。
クイックスタート 手順
- 新端末にSIM カードを挿入して電源を入れる
- 国・地域を選択
- クイックスタートの画面が表示される
- 旧端末と新端末を近くに置く
- 旧端末に「新しいiPhoneを設定」と表示されるので「続ける」をタップ
- 旧端末の画像を新端末のカメラで読み取る
- 新端末に旧端末のiOSロック画面解除のパスコードを入力
- クイックスタートが完了すると「Appとデータ」画面が表示される
画像引用元:https://support.apple.com/ja-jp/HT202033
iCloudやiTunesにバックアップをとっている場合はクイックスタート設定後に「Appとデータ」から復元を行うことができます。
iCloudを使ってデータ移行を行う方法
iCloudでデータ移行する場合の特徴
- 比較的簡単
- Wi-Fi環境が必要
- データ容量が5GBまでは無料だがそれ以上は有料
iCloudでデータ移行を行う場合、PCが無くてもWi-Fi環境とiPhone本体があればインターネット上のクラウドを利用しデータ移行することができます。
しかし容量制限があり、5GBまで無料で利用できます。もしiCloudの容量が足りない場合はエラーが表示されますので、他のサービスを併用してバックアップするコンテンツを少なくするか、新しいプランを選択してアップグレードを行いましょう。
5GB | 無料 |
50GB | 月額130円 |
200GB | 月額400円(ファミリーと共有可能) |
2TB | 月額1,300円(ファミリーと共有可能) |
iCloudを使ったiPhoneバックアップ方法
- Wi-Fiに接続
- iCloudバックアップの画面を開く
- 「iCloudバックアップ」がオンになっていることを確認
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
- バックアップが完了するまでWi-Fiに接続したままにする
「設定」⇒「Wi-Fi」⇒「Wi-Fi」をオンにする⇒使用するネットワークを選択⇒「パスワード」を入力
「設定」⇒「ユーザ名」⇒「iCloud」⇒「iCloudバックアップ」
画像引用元:https://support.apple.com/ja-jp/ht203977
前回のバックアップの右にバックアップをした時間が表示されれば完了
iCloudでバックアップを取った場合の復元方法
- 新端末にSIM カードを挿入して電源を入れる
- 流れに沿って手動で初期設定を行うか、クイックスタートを実行する
- Wi-Fiに接続
- 「Appとデータ」画面の「iCloudバックアップから復元」をタップ
- 旧端末で使っていたApple IDとパスコードを入力
- 「バックアップを選択」画面から復元するバックアップをタップ
- 復元が完了するまでWi-Fiに接続したままにする
新端末が初期化されている状態でなければ、次の手順に進む前にリセット(初期化)しておく必要があります。
画像引用元:https://support.apple.com/ja-jp/HT202033
iCloudの機能と使い勝手を徹底解説|iPhone使うならフル活用しないと損
iTunesを使ってデータ移行を行う方法
iTunesでデータ移行する場合の特徴
- 容量の制限がない
- PCとUSBケーブルが必要
- PCへiTunesのダウンロードが必要
iTunesでデータ移行を行う場合、iPhone本体とPCをUSBケーブルで繋いで行います。iTunesをダウンロードしたPCが無い場合は行うことができません。
容量に制限がないので音楽データや動画などがたくさんある場合に便利ですが、原則としてiTunesで購入したミュージックライブラリの音楽は転送されませんので、再ダウンロードするかiTunes経由で転送しなおす必要があります。
iTunesを使ったiPhoneバックアップ方法
- 旧端末とPCをケーブル接続する
- iTunesを起動する
- 最初の画面に表示されるiPhoneのアイコンをクリック
- 「今すぐバックアップ」を選択する
iTunesでバックアップを取った場合の復元方法
- 新端末にSIM カードを挿入して電源を入れる
- 新端末をPCにケーブル接続してiTunesを起動する
- iTunesが新端末を認識すると「新しいiPhoneへようこそ」と表示される
- 復元するバックアップを選択する
- 復元が完了するまで接続したままにしておく
- 復元完了後に手動で初期設定を行うかクイックスタートを実行する
新端末が初期化されている状態でなければ、次の手順に進む前にリセット(初期化)しておく必要があります。
画像引用元:https://support.apple.com/ja-jp/ht204184
スマホ乗り換えに関わらずこまめにデータバックアップをしよう
iOS 11から追加された新機能「クイックスタート」によって、旧・新の2台のiPhoneを近づけるだけで旧端末の設定を新端末に引継ぎ、初期設定での入力の手間が減り簡単に設定を行うことができるようになりました。
スマホ乗り換え時のデータ移行というととても大変なイメージを持ちますが、日頃からこまめにバックアップをとっておき初期設定をクイックスタートで行うことで、驚くほど簡単にデータ移行を行うことができます。
「iTunesによるデータ移行」では手動での初期設定とそこまで手間は変わりませんが、「iCloudによるデータ移行」についてもクイックスタートを利用することでWi-Fi設定情報・パスワード、Apple IDの引継ぎを省くことができ、より簡単にデータ移行ができるようになりました。
定期的なバックアップは慣れてしまえば簡単です。iCloudで自動バックアップの設定をしておけば、iPhoneがWi-Fiにつながっていて充電中でありなおかつ画面がロック状態の時など、条件がそろった時に自動的にバックアップをとることができます。
しかし、バックアップをとっていれば大丈夫という保障はありません。iCloudの利用規約に明記されているとおりiCloud上に保存されているデータが破損や消滅してもデータの保障はありませんし、iTunesでPCにバックアップを残していても突然PCが壊れる可能性があります。
可能な場合はPC・iCloud 両方でバックアップを行っておくと、もし急にiPhoneを紛失したり故障した場合にもデータを失うリスクを軽減することができ安心でしょう。
これまで定期的なバックアップを行ってこなかったという方も、今後はこまめなバックアップを心がけてみてはいかがでしょうか。