NTTドコモは、2018年5月25日から新たなパケットパック「ベーシックパック」「ベーシックシェアパック」の提供を発表しました。両パックとも、その月に利用したデータ通信量に応じて、月額料金が4段階に変動していく、という仕組みです。
今回は、家族でドコモを利用している人に向けて、月々の支払いがお得になる「シェアパック」の仕組みを解説し、実際にどれだけ得になるのか検証していきます。この機会にみなさんも料金プランを見直してみてはいかがでしょうか。
まずは基本的なドコモの利用料金はどんな組み合わせになっているのかを確認していきます。
ドコモの月額料金の基本組み合わせ
ドコモの月々の利用料金は以下のような組み合わせになっています(2018年6月時点)。
画像引用元:https://www.nttdocomo.co.jp/charge/pricing_structure/
基本プラン
まずはドコモの契約に必要な基本プランです。「データ通信しか使わない」という人以外は、主に通話の用途や利用頻度によって、最適なプランが変わってきます。
プラン | 月額料金 | サービス | 通話料 |
---|---|---|---|
データプラン | 1,700円 | データ通信のみ | なし |
カケホーダイ | 2,700円 | 国内通話が24時間無料 | 無料 |
カケホーダイライト | 1,700円 | 5分以内の通話が無料 | 20円 / 30秒 |
シンプルプラン | 980円 | 家族間通話無料 | |
キッズケータイプラス | 500円 | キッズケータイ専用プラン |
「データプラン」がデータ通信専用のプランで、子回線としてタブレットを使うときなどに使えるプランです。ドコモの回線を利用して通話もする場合は、「カケホーダイ」「カケホーダイライト」「シンプルプラン」から選ぶことになります。
家族との通話がメインで、電話を発信することが少ない人は月額980円の「シンプルプラン」がおすすめです。無料通話がありませんので、30秒当たり20円通話料がかかりますが、家族との通話は無料で、電話の受信はそもそも無料ですから、余計な通話料もかからず、基本料金も安く済みます。
格安スマホより安い?ドコモのシンプルプランとベーシックシェアパックの使い方
パケットパック
パケットパックはメールの送受信や、動画のストリーミング再生など、インターネット接続に使うデータ通信に関する料金です。
これまではいくつかのパケットパックがありましたが、2018年5月25日からは、単身向けの「ベーシックパック」「ウルトラデータパック」と、家族向けの「ベーシックシェアパック」「ウルトラシェアパック」の4種類にまとめられ、よりシンプルで分かりやすい料金体系となりました。
従来のパケットパック | 新パケットパック | |
---|---|---|
シェアパック5 | ⇒ | ベーシックシェアパック |
シェアパック10 | ⇒ | |
シェアパック15 | ⇒ | |
データSパック | ⇒ | ベーシックパック |
データMパック | ⇒ | |
ウルトラシェアパック | ||
ウルトラデータパック |
定額のパケットパック「ウルトラデータパック」と「ウルトラシェアパック」はそのまま継続です。
インターネット接続サービス(ISP)
「ISP」は、スマートフォン向けのプロバイダ利用料金です。明細では、月額300円の「spモード利用料」がこれにあたります。wifi回線を自前で用意して、かつドコモメールなどの、ドコモが提供するサービスを使わない、という人以外は必ず加入することになります。
ここまでの3つの料金が、スマートフォンを利用するユーザーに共通する基本的な組み合わせです。
端末代金、付加サービス代金、割引キャンペーン
さらに分割払いで端末を購入した場合の月割りの端末代金、「ケータイ補償サービス」や「あんしんパック」といったサポートサービス利用料を加え、「ずっとドコモ割プラス」や「端末購入サポート」といったキャンペーンの割引額を引いた総額が、月々の利用料金になります。
新パケットパックの仕組みと注意点
ドコモの料金の組み合わせがわかったところで、今回新たに登場した二つの新パケットパックを確認していきましょう。
「ベーシックパック」「ベーシックシェアパック」の仕組み
新パケットパックの具体的な料金は以下のようになります。
パケットパック | ステップ | データ量 | 月額料金 |
---|---|---|---|
ベーシックシェアパック | ステップ4 | ~30GB | 15,000円 |
ステップ3 | ~15GB | 12,000円 | |
ステップ2 | ~10GB | 9,000円 | |
ステップ1 | ~5GB | 6,500円 | |
ベーシックパック | ステップ4 | ~20GB | 7,000円 |
ステップ3 | ~5GB | 5,000円 | |
ステップ2 | ~3GB | 4,000円 | |
ステップ1 | ~1GB | 2,900円 |
従来のパケットパックでは、ユーザーが上限のデータ量と料金を決めていましたが、新しい「ベーシックパック」「ベーシックシェアパック」では、利用したデータ量に応じてステップが上がっていき、自動で料金が決まる仕組みになりました。
月によってデータ通信量がまちまちなユーザーは、これまでは上限を通信料が多い月に合わせる必要がありましたが、新パケットパックではパケットを使わない月は、その分安い料金が適用されますので、必要以上に大きなパケットパックを利用して損をすることもなくなります。
※割引キャンペーンもステップに応じて変動する
2018年5月にスタートしたばかりの「ずっとドコモ割プラス」と、ドコモ光と併用することで割引になる「ドコモ光セット割り」は、新パケットパックにも適用されますが、2nd~プラチナまでのステージと、ステップに応じて割引料金が違うので注意が必要です。
パケットパック | ステップ | dポイントクラブのステージ | ドコモ光セット割 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
2nd | 3rd | 4th | プラチナ | |||
ベーシックシェアパック | ステップ4 | -600円 | -800円 | -1,000円 | -1,200円 | -1,800円 |
ステップ3 | -600円 | -800円 | -1,000円 | -1,200円 | -1,800円 | |
ステップ2 | -400円 | -600円 | -800円 | -1,000円 | -1,200円 | |
ステップ1 | -100円 | -200円 | -600円 | -900円 | -800円 | |
ベーシックパック | ステップ4 | -100円 | -200円 | -600円 | -800円 | -800円 |
ステップ3 | -100円 | -200円 | -600円 | -800円 | -800円 | |
ステップ2 | -600円 | -200円 | ||||
ステップ1</td | -600円 | -200円 |
ここでいうステージというのは、dポイントクラブのステージのことです。ステージはドコモ回線の継続利用期間か、dポイント獲得数で決まります。
一番上のプラチナは「ドコモ15年以上 or dポイント10,000pt以上」で、そこから4th「ドコモ10年以上 or dポイント3,000pt以上」、3rd「ドコモ8年以上 or dポイント1,800pt以上」、2nd「ドコモ4年以上 or dポイント600pt以上」と、ステージが低くなっていきます。
dポイントクラブがリニューアル!ステージ数が増えて変わったところを解説
「ずっとドコモ割プラス」って?
2018年5月に「dポイントクラブ」がリニューアルされ、「ずっとドコモ割プラス」が加わりました。dポイントクラブのステージに応じて、月額料金割引か、割引額の1.2倍のdポイントが選べるサービスです。
特に「ウルトラシェアパック100」のような大きなデータ容量のパケットパックを利用している場合は、料金割引だと2,500円のところ、dポイントだと3,000ポイントと500円分の得になります。なお、自動的に料金割引が適用されますので、1.2倍のdポイントを希望の場合は申し込みが必要です。
※「データ量到達通知サービス」への加入を忘れずに!
パケットを使わない月が安く済むのはいいですが、データ通信料の上限が事実上なくなったことで、月によって使いすぎてしまうのでは意味がありません。
そのため、料金が変わる前にデータ量を通知してくれる「データ量到達通知サービス」への加入が必須でしょう。こちらは月額利用料は無料ですが、別途申し込みが必要なので、忘れずに申し込むようにしましょう。
通知タイミングはそれぞれ以下のようになります。
対象となるパケットパック | 通知タイミング |
---|---|
ウルトラシェアパック |
|
ウルトラデータパック | |
ベーシックシェアパック |
|
ベーシックパック |
|
※「パケットくりこし」は適用されない
1GB単位で余ったパケットをくりこせる「パケットくりこし」ですが、「ベーシックパック」「ベーシックシェアパック」には適用されません。そもそもパケットを余らせないための新パケットパックですので、当然といえば当然です。
定額の「ウルトラデータパック」と「ウルトラシェアパック」
月々の利用データ量が多い人に向けた定額のパケットパック、「ウルトラデータパック」と「ウルトラシェアパック」はそのままです。
パケットパック | データ量 | 月額料金 |
---|---|---|
ウルトラシェアパック100 | 100GB | 25,000円 |
ウルトラシェアパック50 | 50GB | 16,000円 |
ウルトラシェアパック30 | 30GB | 13,500円 |
ウルトラデータLLパック | 30GB | 8,000円 |
ウルトラデータLパック | 20GB | 6,000円 |
こちらは定額のパケットパックですので「パケットくりこし」にも対応しています。
家族で使うなら断然「シェアパック」がお得
家族3人でドコモを利用する場合
「シェアパック」は家族でパケットをお得に分けあえるパケットパックです。たとえば、家族3人がドコモを利用していた場合、本来はそれぞれに「基本プラン + パケットパック + ISP」がかかります。
ですが、3人の中で代表回線と子回線を決めて「シェアグループ」をつくることで、子回線は月額500円のシェアオプションに加入するだけで、パケット通信を利用することができます。
「ベーシックパック」より「ベーシックシェアパック」の方がお得
具体的に数字を上げると、3人がそれぞれベーシックパックに入っていた場合のパケットパック料金は、もっとも安いステップ1(~1GB)に収まっても、2,900円×3人分で8,700円です。
一方、3人がシェアパックを利用した場合、代表回線が6,500円(~5GB)に、子回線のシェアオプション×2人を足して7,500円です。さらにシェアパックの方が2GB多くパケットを利用できます。
ドコモの料金プラン|ベーシックパックとベーシックシェアパックを徹底解説
従来のシェアパック利用者は「ベーシックシェアパック」へ移行のデメリットなし
上で説明したように、3種類のシェアパック「シェアパック5 / 10 / 15」は、新しく「ベーシックシェアパック」にまとめられ、従来のパックに新規で申し込むことはできなくなりました。
両パックの同じデータ通信料の料金を比べると、「シェアパック5(~5GB)」と「ステップ1(~5GB)」はどちらも月額6,500円で同額ですが、「シェアパック10(~10GB)」と「ステップ2(~10GB)」では、9,500円と9,000円で500円安、「シェアパック15(~15GB)」と「ステップ3(~15GB)」が12,500円と12,000円でこちらも500円安と、どちらも「ベーシックシェアパック」に軍配が上がります。
加えて、毎月利用したパケットに適した料金になるというメリットもあり、デメリットはありませんので、特に「シェアパック10」と「シェアパック15」を利用中のユーザーは「ベーシックシェアパック」へ乗り換えた方が賢明です。強いて挙げるならば、上限がなくなってしまうと使いすぎてしまう、という人は契約中のシェアパックを継続してもいいかもしれませんね。
とはいえ、「データ量到達通知サービス」もありますので、多くの人は乗り換えても大丈夫ではないでしょうか。
毎月30GBフルに使う場合は「ウルトラシェアパック」
家族全員のパケットの合計が毎月30GBに達する場合は、「ベーシックシェアパック」より「ウルトラシェアパック30」の方が1,500円ほどお得になっています。元から「ウルトラシェアパック30」を利用していた場合は、現状維持がベストな選択です。
また、「ウルトラパック50」にすれば、ステップ4より1,000円高いだけで、パケットが50GBまで増えますので、一考の余地があります。
※シェアパックの不安なところはオプションで解決
シェアパックは大変お得なパケットパックですが、意外な落とし穴もあります。それを把握したうえで、オプションサービスでしっかりとフォローしておきましょう。
子供の使い過ぎには「データ量上限設定オプション」
家族でパケットをシェアしても、子どもに自由に使わせていてはあっという間に上限に達してしまいます。今回新たに登場した「ベーシックシェアパック」は、自動で上のステップに上がってしまうのでなおさらです。
そこで「データ量上限設定オプション」の出番です。ひとりひとりのデータ通信量に上限を設定できますので、子どもの使い過ぎを防止することができます。もちろん、親のデータ量は上限なしに設定することもできます。
離れて暮らしているなら「シェアパック分割請求オプション」
家族が離れて暮らしている場合、代表回線だけにパケットパック料金がかかるとなると、毎月の計算が面倒です。
「シェアパック分割請求オプション」を利用すれば、シェアパック定額料、ずっとドコモ割プラスの割引額、シェアオプション定額料、スピードモード/1GB追加オプション利用料を対象に、シェアグループ内で均等に分割されます。
月々の利用料をできるだけ安く済ませたいなら、離れて暮らしている家族とでも、積極的にシェアパックを活用していきましょう。
いずれのオプションもドコモインフォメーションセンター、My docomoのどちらからも手続きできます。
ドコモの携帯電話から | 一般電話から |
---|---|
151 | 0120-800-000 |
受付時間:午前9時~午後8時 |
◎家族向けの現在の最安運用はコレ!
ここまで新しくなった料金プランを解説してきましたが、今回紹介した家族向けのプランで、現状最安運用できる組み合わせはこうなります。
- 親回線:シンプルプラン(980円)+ベーシックシェアパック(6,500円)+spモード(300円)‐ずっとドコモ割+(-900円)-docomo with(-1,500円)=5,380円
- 子回線:シンプルプラン(980円)+シェアオプション(500円)+spモード(300円)-docomo with(-1,500円)=280円
ドコモ格安スマホプラン|docomo withとシンプルプランで最安280円~
docomo withも活用する形になりますが、驚異的な安さです。
MVNOや格安SIMの登場でドコモも安くなる傾向に!
数が増え続けているMVNOや格安SIMに対抗して、ここのところドコモでも料金プランやキャンペーンの改訂が続いていますね。しばらく、今まで気にしていなかったという人も、月額料金を一度見直してみてはいかがでしょうか。家族でドコモを利用していたり、長い間継続してドコモを利用していたりする場合は、大幅に安くなる可能性もありますよ。その際には、今回紹介したポイントと注意点をぜひ参考にしてみてください。