今や生活必需品となったスマホですが、落下による破損や水濡れ及び水没故障など、精密機械であるが故に偶発する故障リスクは高く存在します。加えて、モバイルデバイスとして何処へでも持ち歩くので、端末ごと紛失する可能性もあります。
しかし、そんな不測の事態が起きても、端末内部のデータのバックアップがあれば、新しい端末を購入してデータを移行することで、これまでと同じ使い勝手のスマホを再び手にすることが出来ます。
もちろん、通信手段や使用機器としてのスマホというだけでなく、データ自体が大事な思い出や資産である方も多いと思います。大切なスマホデータを保護するためにも、データのバックアップはこまめに行いたいところです。
定期的に行うべきAndroidスマホのデータバックアップ方法をお伝えします。
機種 | Xperia 5 V | AQUOS sense8 | TORQUE G06 | Xiaomi 13T |
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本体 | ||||
価格 | 82,800円~ | 39,100円~ | 59,800円~ | 39,790円~ |
特徴 | 高性能チップ搭載 ハイエンドスマホ | コスパに優れた ミドルレンジスマホ | 小型&軽量な 高耐久スマホ | 高性能カメラ搭載 ハイエンドスマホ |
購入 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
OS標準のバックアップ機能
Android OSで標準装備されているバックアップです。Googleアカウントに紐付いた下記データが暗号化されて自動で保存されます。バックアップ方法としてはとても手軽で簡単に実行できます。
ただし、データの復元は、端末やAndroidのバージョンにより異なります。基本的に、バックアップを作成した端末よりも古いバージョンのAndroid端末にデータを復元することはできません。
バックアップデータを保護するため、画面ロックにはスワイプやSmart Lockではなく、PIN、パターン、またはパスワードを使用する必要があります。
バックアップ可能なデータ
- 連絡先(Googleコンタクトのデータ)
- 通話履歴
- Googleカレンダーの予定と設定
- Wi-Fiネットワークとパスワード
- 壁紙
- Gmailの設定
- アプリ
- ディスプレイ設定(明るさ、スリープ)
- 言語と入力の設定
- 日付と時刻
- Google以外のアプリの設定やデータ(アプリにより異なる)
Googleのバックアップでは、アプリ内のデータもバックアップされます。しかし、1アプリあたり最大25MBまでの制限付きかつ、Androidのバージョンが6.0以上である必要があります。
また、端末verがAndroid6.0以上かつ25MB以内のアプリデータであっても、アプリによっては、設定やデータの一部をバックアップまたは復元できないこともあります。
バックアップ手順
- システム
- 詳細設定
- バックアップ
- Googleドライブへのバックアップを有効化
上記からバックアップが辿れない場合は、設定アプリで[バックアップ]を検索して下さい。また、端末変更をする場合は、[今すぐバックアップ]をタップして、現在の端末の最新バックアップをとるようにして下さい。
バックアップを有効にしていても、個別設定でバックアップがされていない設定もあります。また、端末によって、名称の表示が異なる場合もあります。
バックアップをオンにしても、必ず[有効なバックアップ]などの項目で、必要なデータがバックアップ有効となっているか確認して下さい。
復元手順
新端末に Google アカウントを追加すると、その Googleアカウントを使って以前バックアップしておいたデータや設定が自動的に復元されます。アプリデータを復元する場合は、下記の手順で行います。
- バックアップ
- アプリのデータ
- 自動復元を有効化
写真と動画のバックアップはGoogleフォトを利用
Android OS標準のバックアップでは、写真や動画などは自動保存されません。Googleフォトアプリを利用すれば、16MP(1,600万画素)までの静止画と1,080p(フルHD)までの動画は無制限・無料でバックアップがとれます。16MB以上の高画質画像や4K動画も、Googleドライブの容量一杯まで保存できます。
バックアップ手順
- Googleフォトをダウンロードし、起動
- 画面左上のメニューボタンをタップ
- [設定] > [バックアップと同期]をタップ
- [バックアップと同期]設定を有効化
その他の設定も併せて行って下さい。
アップロードサイズの設定
アップロードサイズを下記より選択します。
- [高画質]無料・無制限
- [元のサイズ]Googleドライブの空き容量を消費
バックアップのタイミング
基本的には「Wi-Fiのみ」でバックアップするようにして、パケットデータを無駄に消費することのないようにします。
バックアップアプリの利用:JSバックアップ
画像引用元:JSバックアップ 公式サイト
下記のデータをバックアップできます。Android OS標準バックアップと比べて、写真や動画などのメディアデータも一括でバックアップできる点が優れています。
一方で、アプリ内データはバックアップが出来ないこと、バックアップに少し手間がかかることには注意が必要です。
バックアップ可能なデータ
- 電話帳
- 通話履歴
- SMS
- カレンダー
- ブックマーク
- システム設定
- ホームショートカット
- アラーム
- 辞書
- ミュージックプレイリスト
- アプリ(アプリ一覧:アプリ内データは対象外)
- メディアデータ(画像、音楽、動画、文書)
バックアップ手順
- JSバックアップアプリをダウンロードして起動
- [バックアップ&復元] > [バックアップする]
- バックアップ元を選択
Google(推奨)/Dropbox/データ管理BOX(ドコモ)/SugerSync/SDカード - [バックアップスタート]ボタンをタップ
復元手順
- JSバックアップアプリを起動
- [バックアップ&復元] > [復元する]をタップ
- 復元データの内容を確認して[復元スタート]をタップ
- データが復元されたら[アプリの復元へ]をタップ
- 必要なアプリあるいは[すべてのアプリを選択]をチェックして[OK]
- アプリの再インストールが完了すれば、データ復元完了
バックアップアプリの利用:auデータお預かり
画像引用元:データお預かり au公式サイト
au独自のバックアップサービスで、auスマホにはプリンストールされているアプリです。「au ID」設定をしている必要があり、他のキャリア及び格安SIMにて使用している場合は利用できません。
端末内とオンライン上の2箇所に同時バックアップがされます。アプリ内のデータは保存できない点、バックアップできる容量に限りがある点に注意が必要です。
- 通常:1GB
- スマートパス/スマートパスプレミアム会員:50GB
スマートパス/スマートプレミアム会員は、10GBごと月額利用料金100円を支払うことで、データ増量が可能です。
バックアップ可能なデータ
- アドレス帳
- 写真
- 動画
- カレンダー
- auメール
- SMS
- +メッセージ
- ブックマーク
- 発着信履歴
- ユーザー辞書
- アプリリスト
- auベーシックホーム
- 壁紙
- 着信音
- 通知音
- Wi-Fi設定
バックアップ手順
- 「データお預かり」アプリを起動
- [利用を開始する]をタップ
- 利用規約が表示されるので、[同意する] > [次へ]をタップ
- アプリに写真、メディア、ファイルへのアクセス許可が求められるので、[許可]を数回タップ > [次へ]をタップ
データがバックアップされ、「データお預かり」アプリが利用できるようになります。
復元手順
- 「データお預かり」アプリを開いて[戻す]をタップ
- 復元するデータをチェックして[戻す]をタップ
Wi-Fi接続を利用していない場合、注意喚起画面が表示されるので、Wi-Fi接続を使わない場合は[開始する]をタップ、Wi-Fi利用する場合はWi-Fi接続後、最初から操作 - データの復元が始まり、終了したら[完了]をタップ
アプリ単体でのバックアップ
画像引用元:LINE公式サイト
アプリ単体でバックアップ機能が利用できる場合があります。特に通信アプリのLINEは、複数端末へのインストールが不可能なため、アプリデータの保存を唱ったバックアップ方法であっても、正しくデータ保存することは出来ません。
代わりに、アプリ単体でバックアップ機能を有しています。LINEなどの情報ツール、ゲームなどのアプリの多くはアプリ単体でデータ引き継ぎに対応しています。
新端末を利用する際に、絶対に引き継いだデータで使用したいアプリがある場合、まずはアプリ単体でのバックアップの有無を確認してみてください。
LINEトーク履歴のバックアップ方法
Googleドライブを使ってトーク内容のバックアップが出来ます。
- [友だち]タブ > 歯車マークの[設定] > [トーク]をタップ
- [トーク履歴のバックアップ-復元]をタップ
- [Googleドライブにバックアップする]をタップ
Googleアカウントが未設定の場合、バックアップを保存するGoogleアカウントを選択あるいは、「アカウントを追加」で設定します。Googleアカウントが設定されたら、もう一度、[Googleドライブにバックアップする]をタップ
キャッシュデータはバックアップの対象には含まれないため、トーク履歴内の画像やスタンプが一部復元されない場合があります。
アプリ内データのバックアップ:Helium
バックアップアプリの多くは、アプリ内のデータは保存できません。また、OS標準のバックアップ機能も、最大25MBの容量制限が存在します。
しかし、「Helium」というアプリを利用すれば、Androidスマホのアプリデータを丸ごとバックアップすることができます。ただし、このアプリはPCを利用して有効化する手順を踏まなければ利用できません。PCのOSはWindows、Mac、Linuxに対応します。
Helium有効化の手順
PCの設定
Android版Heliumアプリで案内されている公式サイト(http://www.clockworkmod.com/carbon)から利用するPCのOSに応じた「Helium Desktop」をダウンロードします。
2020年1月現在、公式サイトアドレスを入力すると、GitHubの該当ページに転送されるようになっています。ダウンロード後はインストーラーを起動して画面に従ってセットアップします。
PCがWindowsの場合、adbドライバーのインストールが必要です。スマホのメーカーサイトなどを通じて、必要なadbドライバーをインストールして下さい。
Androidスマホの設定
USBデバッグモードを設定します。
- [設定] > [開発者向けオプション] > [USBデバッグ]をオン
Android版「Helium」アプリをインストールして起動
Googleドライブへバックアップをするかどうか確認画面が表示されます。Googleドライブへ保存する場合は[OK]をタップして下さい。PCを経由してバックアップする場合は、[いいえ、不要です]を選択して下さい。
PC版アプリ「Helium Desktop」のインストールを呼びかけれます。既にインストール済みの場合は[OK]を、先にAndroid版アプリをインストールした場合は、上記の通りPC版アプリ「Helium Desktop」をインストールして下さい。
PC側で「Helium Desktop」を起動してから、PCとスマホをUSB接続して、AndroidのUSB接続モードを[写真を転送する(PTP)]へ変更します。USBデバッグの許可を求められた場合は、許可をして下さい。
接続が成功しすれば、PC、スマホ両画面にアプリ有効化の確認画面が表示されます。
バックアップ手順
- スマホの「Helium」で[バックアップ]タブを開き、バックアップしたいアプリを選択
- [バックアップ]をタップ
バックアップ先(SDカードかGoogleドライブ)に「carbon」フォルダが生成され、内部にバックアップフォルダが保存されます。
復元手順
- 復元先の端末に「Helium」アプリをインストールおよびPC接続して有効化
- PC経由あるいはGoogleドライブ経由で「carbon」フォルダ内の全データを復元先の端末へ移動
- 新端末の「Helium」の[リストアと同期]のタブで、バックアップデータ移動先(Googleドライブはクラウド、PC経由はInternal Strage)をタップ
- 復元したいアプリデータにチェックして[リストア]をタップ
リストア完了の画面が表示されれば復元完了です。「Helium」はAndroidアプリデータのバックアップのためのツールですが、環境によってはうまく復元できないケースがあります。万能のアプリデータバック方法でない点は注意が必要です。
データバックアップのポイントまとめ
OS標準のバックアップ機能のポイント
- Googleアカウントに紐づいた情報はOS標準のバックアップで容易にバックアップが取れる
- OS標準のバックアップは暗号化され、自動で行われる
- OS verの新しい端末のバックアップデータは古いverの端末で復元できない
- 画像や動画のバックアップはGoogleフォトアプリを使用
バックアップアプリのポイント
- 「JSバックアップ」は画像と動画もバックアップ可能だが少し手間がかかる
- 「auデータお預かり」はauユーザーのみ利用可能
- アプリ内のデータもバックアップしたいなら「Helium」が便利だがPC利用必須
- 重要なデータはアプリ単体でのバックアップができるか要確認