AppleのiPhoneはここ数年高スペック化の一途を辿っており、それに比例して端末代金も高く設定されています。
これまでは端末代金の割引を目当てに大手キャリアで購入していた方が多かったでしょうが、今後は格安SIMで運用した方が安くなるかもしれません。
ここでは注目を集める携帯解約違約金引き下げをポイントに、2019年登場の新型iPhoneの最安購入・運用方法などをご紹介しています。
携帯解約違約金は大幅に引き下げられる?
総務省の働きかけにより、大手キャリアではこれまでに分離プランの導入など様々な改善を行ってきました。
契約条件は目まぐるしく変化し続けていますがその中にあって携帯解約違約金の引き下げは最大の焦点となっています。
まずは現在の大手キャリアの携帯解約違約金について知っておきましょう。
iPhone予約購入が初めての人は必読!準備とトラブル時の対処法現在の携帯解約違約金は9,500円
画像引用元:報道発表資料 : 2年定期契約などの解約金がかからない期間を延長 | お知らせ | NTTドコモ
大手キャリアと一度でも契約した事があるならご存知かもしれませんが、ドコモ・au・ソフトバンクでは携帯解約違約金を一律9,500円(税抜)に設定しています。
この携帯解約違約金は指定された「更新月」以外に解約などを行うと発生するようになっており長らくキャリア変更の妨げとなっていました。
2019年3月以降には大手キャリア揃って「更新月」の拡大を行いましたが、それでも所謂2年縛りの不便が完全に無くなった訳ではありませんでした。
このような業界活性化の妨げになる事態を考慮してか、政府は総務省を通して大手キャリアに違約金の見直しなどを求めています。
現在の大手キャリアの携帯解約違約金
- 携帯解約違約金は9,500円(税抜)
- 主に2年間の自動更新プランで発生
- 携帯解約違約金がかからない「更新月」は3ヶ月間
携帯解約違約金は1,000円以下になる?
スマホ関連のWebメディアなどでは2019年10月から携帯解約違約金が一律1,000円に以下に引き下げられるというニュースを掲載しています。
これは6月に規定整備案が作成された「改正電気通信事業法」という法律の中で、携帯解約違約金の上限を1,000円にするという内容が示されていたからです。
これまでの携帯解約違約金は9,500円でしたからこの法律が施行されれば文字通り大幅な引き下げが行われるという事になります。
携帯解約違約金が大幅に引き下げられる事によりキャリア間の移動が容易に行えるようになり、これまで以上にモバイル市場の活性化を促す事が狙いだと思われます。
施行前のためまだ確定ではありませんが、携帯解約違約金の引き下げが行われるのはほぼ間違いないのではないでしょうか。
この規定整備案では、携帯解約違約金の引き下げの他に端末代金の割引について言及されている点も見逃せません。
規定整備案で示された内容
現在 | 施行後 | |
---|---|---|
2年契約の違約金 | 9,500円(税抜) | 上限1,000円 |
端末の割引 | 旧型モデルの下取り価格を参考として上限を設定 | ・上限2万円前後 ・長期契約前提の割引は全面禁止 |
2019年新型iPhoneはどうなる?
AppleのiPhoneシリーズは、日本はもちろん世界でも多くのスマホユーザーに愛用されています。
今年も発表日が近づくにつれて様々な予想・リークが出回っており多くのAppleユーザーを賑わせているようです。
続いては新型iPhoneに関する情報を中心に、最も気になるポイントである「価格」についてもチェックしてみましょう。
iPhone XSとXRの後継機種か?
画像引用元:iPhone Top | ドコモオンラインショップ | NTTドコモ
2019年9月に発表される予定の新型iPhoneは、2018年に発売されたiPhone XsとXRの後継機種になると予想されています。
海外メディアを中心に最も多く予想されているのは「iPhone 11(XI)」で、ProやPro Maxがつく長いモデル名になるのではと考えられているのです。
これにiPhone XRの後継機種を含めると、2018年と同じく3モデル展開となるのではないでしょうか。
また、モデル名はメディア・リーカーによって差異があるようですがスペックに関しては共通する点が多いのも特徴的。
2019年登場の新型iPhoneは5.8インチ・6.1インチ・6.5インチのディスプレイの3種類あり、6.1インチモデルが廉価版であると予想されています。
まだ確定事項ではありませんが、昨今のスマホ業界の動向を見るに新型iPhoneでもトリプルカメラの搭載などは十分ありえるのではないでしょうか。
新型iPhoneの予想スペック
- 3モデル展開
- 5.8インチ・6.1インチ・6.5インチのディスプレイ
- 3モデルともOELD液晶(廉価版は液晶ディスプレイ?)
- 上位モデルにトリプルカメラ搭載
- Lightningケーブルを採用
- 新型CPU搭載
端末代金は高額となる?
2018年に登場した3種類のiPhoneは、圧倒的なスペックとともに高額な価格も話題となりました。
iPhone Xsは上位版のiPhone Maxを含めデュアルレンズを搭載したスマホ業界トップクラスのハイエンドモデルです。
一方価格も高額に設定されており、最低容量の64GBモデルも含めてすべて10万円を超えていた事も大きな注目を集めました。
iPhone XRはシングルレンズを搭載した廉価版という位置づけでしたが、それでも最低容量の64GBモデルで84,800円(税別)からと高額です。
ちなみにこれらの金額はApple Storeで扱われているSIMフリーモデルで、大手キャリアの端末代金はもう少し高めに設定されていました。
2019年登場の新型iPhoneも価格帯の大幅な変更などは行われないと予想されています。
Appleがハードよりソフトの売上を重視しているのも一因でしょうが、ユーザー側から見ればあまり良い傾向とは言えないかもしれません。
iPhone Xs/Xs Max/XRの価格(SIMフリー)
すべて税抜 | iPhone Xs | iPhone Xs Max | iPhone XR |
---|---|---|---|
64GB | 112,800円 | 124,800円 | 84,800円 |
128GB | - | - | 90,800円 |
256GB | 129,800円 | 141,800円 | 101,800円 |
512GB | 152,800円 | 164,800円 | - |
何故格安SIMで安くなるのか?
「改正電気通信事業法」がどのような内容となるかはまだ分かりませんが、携帯解約違約金と端末代金割引額の見直しが行われるのは確定的ではないでしょうか。
続いては規定整備案通りの内容となった場合、新型iPhoneは大手キャリアと格安SIMどちらで購入した方がお得となるのかチェックしてみましょう。
2019年秋発売の新型iPhoneは11、9、SE2どれが濃厚?最新iPhone情報乗り換えで安くなる
画像引用元:ギガライト | 料金・割引 | NTTドコモ
2018年後半から2019年にかけて、大手キャリアは料金プランの大幅な変更を行ってきました。
次々に新プランが登場する中、徐々にですが通信料金も安くなりつつあるようです。
2018年には「通信料金が4割下がる」という報道があった事もあり、通信料金の大幅な値下げを期待したユーザーも多い事でしょう。
しかし現時点であれば通信料金の安さはまだ格安SIMに分があります。
例えば2019年4月に発表されたドコモの新プラン「ギガホ/ギガライト」はこれまで以上にシンプルな分離プランとなっており、通信料金の2~4割値下げを謳っていました。
段階制のギガライトであれば最安1,980円で利用できる事になりますが、これはあくまで各種割引を適用した場合の金額です。
12ヵ月間1,000円引きとなる「はじめてスマホ割」などを併用する事も可能ですが、条件を考えるとすべてのユーザーが適用できるものではありません。
格安SIMであれば1人で契約しても同じような金額を実現できますから、大手キャリアよりもメリットが多いのではないでしょうか。
ドコモのギガライト最安プラン
ギガライト | 月額 |
---|---|
ギガライト 1GB未満 かけ放題なし | 2,980円 |
みんなドコモ割 3回線以上 | -1,000円 |
合計 | 1,980円(税抜) |
端末代金割引が無くなる
画像引用元:アップグレードプログラムEX/EX(a) | スマートフォン・携帯電話 | au
通信料金が安い一方、格安SIMの端末代金割引は決して多くはありません。
また、iPhoneシリーズの最新機種を取り扱っている格安SIMは存在しないため、必然的にApple StoreでSIMフリー版を購入して利用する事になります。
一方大手キャリアでは新型iPhoneを発売日から取り扱いますし、端末の返却などを条件として大幅な割引が可能でした。
通信料金は格安SIMの方が高いのですが、割引などで高額な端末を安く購入できる点は大手キャリアならではの魅力だったのです。
しかし先にご紹介した「改正電気通信事業法」の規定整備案では端末代金の割引も見直される可能性が示唆されています。
端末代金の割引は2年契約などの長期契約を含め、最終的に端末を返却する「スマホおかえしプログラム」などのキャンペーンも含まれています。
こちらもまだ確定ではありませんが、仮にこの法案が施行された場合10万円クラスの高額な端末はこれまで以上に手が出しにくくなるはずです。
大手キャリアの主要な端末代金割引(最新iPhone対象)
割引プログラム | 内容・注意点など | |
---|---|---|
ドコモ | スマホおかえしプログラム | 対象機種を36か月分割で購入 最大12ヵ月分の支払いが免除 |
au | アップグレードプログラムEX アップグレードプログラムEX(a) | 機種代金が最大半額 アップグレードプログラムEX(a)はプログラム料が必要 |
ソフトバンク | 半額サポート | 対象機種を48か月分割で購入 機種代金が最大半額 |
新型iPhoneの最安検証
現段階では新型iPhoneの正確な価格は分かりませんが、海外メディアの情報を参考にすると2018年と同じような価格になると考えられます。
この情報が正確だとすれば、新型iPhoneはどのモデルも10万円前後となるはずです。
仮に新型iPhoneが10万円だとして、大手キャリアと格安SIMを現行のプランで比較すると以下のようになります。
シェアの高いドコモと格安SIMのmineoで大まかに比較しましたが、通信料金に差があるため端末代金の割引額が下がった大手キャリアより格安SIMの方が安くなります。
ドコモに限らず家族契約や他の割引で通信料金を下げる事もできますが、例えば初スマホ割など条件が厳しい割引もあるため適用できるユーザーは限られるでしょう。
ただし家族3人以上で加入する場合は「ファミリー割引」などの適用を受ける事が出来るため、2年間の契約なら端末割引がある大手キャリアの方がお得です。
1人での契約比較(ドコモ&mineo)
キャリア(ドコモ) | 格安sim(mineo) | |
---|---|---|
新型iPhoneの価格 | 10万円 | |
端末代金の割引 | 2万円 | -(Apple Store購入) |
通信料金(月額) | 2,980円 (ギガライト/1GB未満) | 1,400円 (dプラン/500MB) |
2年間の通信料 | 71,520円 | 33,600円 |
乗り換えの注意点
携帯解約違約金の引き下げを機に格安SIMに乗り換えようと考えている方もいるでしょうが、いくつか注意しておきたいポイントもあります。
まず携帯解約違約金が仮に1,000円になっても、総合的な費用はそれ以上になる可能性があります。
例えば現在使っている電話番号を引き継ぐ場合は契約しているキャリアに「MNP転出手数料」を支払う必要があります。
また、転出先のキャリアでも別途「契約事務手数料」が必要です。
契約事務手数料はキャンペーンなどで無料にできますが、1,000円ではMNPを行えないという点は覚えておいた方が良いでしょう。
更に、今後の法改正に合わせて大手キャリアから新たなプランが登場する可能性もあります。
大手キャリア側としてはなるべくMNP転出などを避けたいでしょうから、端末代金割引以外で魅力的なサービスを打ち出してくるかもしれません。
- これまで9,500円(税抜)だった携帯解約違約金は1,000円以下になる可能性が高い
- MNP転出手数料、契約事務手数料は別途費用がかかる
- 大手キャリアが行なっている端末代金の割引も見直される可能性が高い。そうなると端末代金の割引額が下がった大手キャリアより格安SIMの方が安くなる
スマホ業界の動向に注目しよう
携帯解約違約金が大幅に引き下げられるのを機に、現在のキャリアからMNPを検討しているユーザーも多い事でしょう。
1人での契約で考えると、新型iPhoneの購入・運用は格安SIMで行った方が断然お得ではないでしょうか。
ただし「携帯解約違約金1,000円」はまだ確定していませんし、今後大手キャリアが新たなプラン・サービスを打ち出してくる可能性もあるのです。
キャリアの動向を見守りつつ、最もお得な方法で新型iPhoneを購入してみてはいかがでしょうか。