iPhone 7以降イヤホンジャックを廃止したiPhoneシリーズ。2018年モデルのiPhone XS/XS Max/XRにも、もちろん搭載されていません。普段使っているイヤホンをLightning端子へ変換して使うか、付属のEarPodsを使う方法もありますが、Bluetoothのワイヤレスイヤホンを使うとより快適です。
本記事では、新型iPhoneにおすすめのワイヤレスイヤホンを紹介しますので、気になるイヤホンを見つけてみてください。
機種 | iPhone15 | iPhone15 Plus | iPhone15 Pro | iPhone15 Pro Max |
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本体 | ||||
価格 | 70,392円~ | 78,384円~ | 89,880円~ | 112,392円~ |
特徴 | iPhone15シリーズを コスパで選ぶならこれ | 低価格で大画面の iPhoneならこれ | ハイスペックかつ コンパクトならこれ | 大画面でサクサク 使いたいならこれ |
購入 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
iPhoneにイヤホンジャックがないけどどうする?
まずは、イヤホンジャックがないiPhoneで音楽を聴いたり、動画を見たりする場合はどうするのが良いのか、その方法をメリットとともに紹介します。
付属のEarPodsを使う
1つ目はiPhoneに付属しているイヤホンを使う方法です。iPhoneに付属している「EarPods(イヤーポッド)」は、白いカラーリングと楕円形の形状が特徴的。iPhone独自のLightning端子にも、そのまま接続して使用できます。
EarPodsも採用しているインナーイヤー型と呼ばれるイヤホンは、一昔前のモデルでは主流の型でした。そのまま耳にはめ込むだけなので簡単に装着でき、イヤホンをしても解放感があるのがメリットです。
一方、イヤーピースをはめて使うカナル型と比べると、密閉度が低いため周囲の雑音が聞こえやすく、また、大きな音量を流すと音漏れが発生しやすいです。そのため、電車やバスなどの交通機関を利用する通勤・通学にはあまり向いていません。
変換アダプタを接続してイヤホンを使う
イヤホンジャックが廃止となったiPhone 7以降、iPhoneにはLightning端子と一般的な3.5mmのステレオミニジャックを変換できるアダプタが付属していました。そのため、変換アダプタを使用して普段使っているイヤホンをiPhoneでも使うという方も多かったです。
変換アダプタを使うメリットは、普段使い慣れたイヤホンを使えることです。ノイズキャンセリングなどの機能は、付属のEarPodsには搭載されていませんので、多機能なイヤホンを使うこともできます。
ですが、iPhone XS/XS Max/XRでは変換アダプタが同梱していません。アップルもワイヤレスイヤホンの「AirPods」を発売していますので、ワイヤレスへの移行を促す狙いがあるようですが、3.5mm端子のイヤホンを使いたい方は、アップルストアで1,000円で販売されている「Lightning – 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ」などを購入する必要があります。
Bluetoothイヤホンを使う
イヤホンのコードや変換アダプタが煩わしいという方は、Bluetooth対応のワイヤレスイヤホンがおすすめです。iPhoneがイヤホンジャックを廃止してからは、ワイヤレスイヤホンを使っている方も増えてきました。一度使用すると有線には戻りたくないほど快適です。
デメリットとしては、Bluetooth通信を使用するにはバッテリーが必要ですので、ワイヤレスイヤホン自体を充電しなければならない点。ですが、連続使用時間は普通のモデルで約8時間はありますので、通勤通学の使用がメインであれば、1週間程度は持ちます。
Bluetoothイヤホンの選びのポイント
有線よりも快適なワイヤレスイヤホンですが、価格帯や搭載されている機能はさまざまです。身体に身に着けるものですから、ポイントを押さえて、自分の使い方に合ったイヤホンを選びましょう。
iPhone対応のコーデックはAAC
iPhoneとワイヤレスイヤホンの間で使用するBluetooth通信は、高速でデータを送るために音楽データを圧縮してやりとりします。この圧縮方式は「コーデック」と呼ばれ、いくつかの種類に分かれています。
Bluetooth対応機器に標準搭載のコーデック「SBC」は、あまり音質が良くありません。一方、iPhoneなどのiOSで採用しているのは「AAC」と呼ばれるコーデックで、こちらは音質に定評があります。iPhoneで使うワイヤレスイヤホンを選ぶなら、ぜひ「AAC」対応のモデルを選びましょう。
iPhone 8以降はBluetooth 5.0に対応
2017年モデルのiPhone 8/8 Plus/Xからは、Bluetooth 5.0に対応しています。これはBluetooth自体のバージョンで、Bluetooth 5.0は従来のBluetooth 4.2よりも2倍の転送速度、4倍の通信範囲を実現しました。各バージョンの特徴は以下の通りです。
バージョン | 特徴 |
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ver 1.1 | 普及バージョン |
ver 1.2 | 2003年11月公開。2.4GHz帯域の無線LANへの干渉対策が実装 |
ver 2.0 | 2004年11月公開。EDR(Enhanced Data Rate)を使用した通信で最大通信速度が3Mbpsに向上 |
ver 2.1 | 2007年3月公開。ペアリングの簡略化、NFCに対応、バッテリーが最大5倍延長。 |
ver 3.0 | 2009年4月公開。最大通信速度が8倍の24Mbpsに。省電力性が向上 |
ver 4.0 | 2009年12月公開。大幅な省電力化、プロファイルの追加。過去バージョンと互換性なし。 |
ver 4.1 | 2013年12月公開。モバイル通信への干渉対策、データ転送の効率化、自動再接続機能が追加。 |
ver 4.2 | 2014年12月公開。通信速度が2.5倍高速化。4.0から転送速度が2倍、通信範囲が4倍に。 |
ver 5.0 | 2016年12月公開。 |
かつては転送速度や音質の面で劣るとされてきたBluetoothですが、バージョンごとに改善され、新コーデックの登場で音質も大幅に向上しました。2018年9月現在は、Bluetooth 4.2かBluetooth 5.0が主流ですが、音楽や動画再生など普通の使い方であれば、4.2でも十分です。
使い方によりますが、通信範囲についても屋外で使う場合はiPhoneも持ち歩くケースが多いと思われますので、あまりこだわる必要はないかもしれません。
屋外の使用はノイズキャンセリング機能が便利
屋外で音楽を聴く用途でイヤホンを使うことが多い方は、騒音を遮断するノイズキャンセリング機能があると便利です。小さめの音量でもよく聞こえるので、音漏れの心配も少なくなります。
ワイヤレスイヤホンも年々進化を重ね、ノイズキャンセリング機能のほかにも便利な機能が搭載されています。iPhoneで使用するなら通話機能が付いていると便利です。手が離せない場面や、移動中でもiPhoneを持たずに通話することができます。
バッテリー持ちが気になるなら連続再生時間もチェック
ワイヤレスイヤホンの使用には充電が必要ですので、バッテリー持ちも気になります。そうした場合は「連続再生時間」もチェックしましょう。現在の平均的なモデルの連続再生時間は約6~8時間前後のものが多いです。イヤホンはずっとつけているわけではないので、6時間でもそれほど気にならないレベルですが、もちろんもっと時間が長いモデルもあります。
完全ワイヤレス型か左右一体型か
両耳とも分かれている完全ワイヤレス型か、イヤホン同士がつながった左右一体型を選ぶかは悩みどころです。完全ワイヤレス型は、煩わしいコードが一切ないので装着すると快適ですが、外で落とすことを考えると少し怖い気もします。
左右一体型は、コードの部分に音量調整や再生/停止などのコントローラーが付いていることが多いので、操作性に優れます。また、価格的にも手を出しやすい価格のモデルが多いです。ですが、左右のイヤホンがコードで接続されていますので、コードがどこかに引っかかったりする場合があります。
どちらも一長一短ですが、現在は費用をかけたくないなら左右一体型、快適に使いたいなら完全ワイヤレス型がおすすめです。
気になるワイヤレスイヤホンの価格は?
最後は価格とのバランスを見て決める方が多いでしょう。ワイヤレスイヤホンを初めて使う方は、まずは、安めのモデルで試してみるのがおすすめです。ワイヤレスイヤホンの価格は約5,000円~10,000円前後で、左右が分かれた完全ワイヤレス型ですと20,000円を超えるモデルが多くなります。
iPhoneユーザーにおすすめのBluetoothイヤホンは?
ここからは、iPhoneユーザーに向けて、Bluetooth対応ワイヤレスイヤホンのおすすめを紹介します。それぞれのイヤホンのメリット・デメリットをまとめていますので、自分に合ったワイヤレスイヤホン探しの参考にしてみてください。
Apple(アップル) AirPods
画像引用元:AirPodsを購入 – Apple(日本)
アップルの純正ワイヤレスイヤホンがAirPods。日本国内では、2018年のワールドカップで多くの日本代表選手がAirPodsを使用していたことでも話題になりました。アップル製だけあって、iPhoneとの相性が抜群。iPhoneユーザーの定番ワイヤレスイヤホンとなりつつあります。完全ワイヤレス型で価格は16,800円(税別)。
◎iPhone同様日本国内のシェア率高し
日本は世界で見てもiPhoneのシェア率が高いことが知られていますが、やはり日本国内でワイヤレスイヤホンが知られるようになったのも、2016年12月にアップルからAirPodsが発売されてからです。実売データをもとにしたBCNのデータによると、AirPodsはワイヤレスイヤホン市場の46.0%を占めています。
人気の理由はiPhoneとの相性の良さでしょう。AirPodsは、iPhoneの近くでケースのフタを開けるとiPhoneが認識し、接続をタップするだけでペアリングが完了。誰でもAirPodsを開封してすぐに使えます。
また、iPhoneからAirPodsのジェスチャー機能を設定でき、左右のイヤホンに「Siri」「再生/一時停止」「次のトラック」「前のトラック」「オフ」を振り分けることができます。さらに、性能の優れたイヤホンマイクが搭載されており、装着した状態でAirPodsをダブルタップすると電話に出ることも可能。通話の品質も相手が気づかないレベルに優秀です。
◎ワイヤレスイヤホンとしてのスペックも十分
ワイヤレスイヤホンとしてのスペックも十分です。バッテリーは、連続再生時間は最大5時間、連続通話時間が最大2時間。ケースに入れた状態で充電できるのも便利です。
コーデックはもちろんiPhoneが採用している「AAC」に対応。音声の遅延が少なく、音質も優れています。重量は左右各4g。
△フィット感と遮音性はイマイチ
インナーイヤー型イヤホン全体に言えることですが、遮音性が悪いです。ただし、外の音が聞こえるというのは使い方による部分が大きいですが、通勤中や屋外で使う場合は、デメリットになります。
また、カナル型のようにサイズの異なるイヤーピースが付いていませんので、フィット感は耳の穴の大きさによります。サイズなどはiPhone付属のEarPodsとほぼ同じですので、気になる方は試してみるのが良いでしょう。
SONY(ソニー) WF-1000X
画像引用元:WF-1000X | ヘッドホン | ソニー
オーディオメーカーとしても知られるソニーのオーディオ技術が詰まった高機能なワイヤレスイヤホン。ノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレス型で、価格は22,880円(税別)。
◎AirPodsが合わない方におすすめ
iPhoneユーザーだけどAirPodsが合わないという方におすすめのモデル。Androidのことを考えるとBluetoothのコーデックは「aptX」に対応しておきたいところですが、WF-1000Xは標準搭載のSBCのほかにはAACのみ対応ということからもiPhoneユーザー向けの印象です。
通話機能やノイズキャンセリング機能を搭載するなど高機能で、イヤーピースを使用するカナル型のため、AirPodsがフィットしなかった方も自分に合ったサイズのイヤーピースを選択できます。
連続再生時間は最大3時間、連続通話時間が最大3.5時間で、重量は左右各6.8g。Bluetooth規格は4.1です。
△場所によっては音飛びが気になる
都心部の駅など、通信電波が多く飛び交う場所では、通信が不安定になる場面があります。これはBluetooth通信の弱点でもあるので、ある程度は仕方がない部分です。
SoundPEATS(サウンドピーツ) Q35 PRO
画像引用元:Amazon | SoundPEATS(サウンドピーツ) Bluetooth イヤホン
コストパフォーマンスが高いワイヤレスイヤホンを数多く出しているのがサウンドピーツ。Q12やQ30などのモデルもありますが、iPhone向けとしてはAACに対応した「Q35 PRO」の方がおすすめです。左右一体型で、価格は5,000円を切ります。
◎必要な機能を備えたコスパの良いワイヤレスイヤホン
左右のイヤホンがコードで繋がった左右一体型ではありますが、価格がリーズナブルなのは魅力的です。イヤーピースを使用するカナル型で、iPhone向けのコーデックAACに対応。ノイズキャンセリング機能・ハンズフリー通話機能搭載と欲しい機能も備わっています。
連続再生時間は約8時間で、重量は左右合わせて15g。Bluetooth規格は4.1です。ワイヤレスイヤホンは欲しいけど、あまりお金はかけられないという方におすすめです。
iPhoneとBluetoothイヤホンの接続方法
iPhoneでワイヤレスイヤホンを使用するには、ペアリングなどの設定が必要になります。設定方法は以下の通りです。
- 「設定」から「Bluetooth」をオンにする
- iPhoneでイヤホンを検出するために、イヤホンをペアリングモードにする
- iPhoneが検出したBluetooth機器のなかから、接続したいイヤホンを選択する
- 「接続済み」と表示されて、ペアリングが完了する
イヤホンをペアリングモードにする方法は、端末によって異なります。電源ボタン長押しなどの場合が多いですが、詳しくは説明書などで確認して、ペアリングモードにしてください。
Bluetooth接続時はiPhoneの画面上のステータスバーにヘッドホンのマークが表示されます。その状態で音楽を再生すると、接続したワイヤレスイヤホンで聴くことが可能です。1回設定しておけば、2回目からはBluetoothをオンにすると自動で接続してくれます。AirPodsの場合のペアリングは、ケースを開けてiPhoneに近づけ、「接続」をタップするだけです。
イヤホンジャックがないiPhoneならワイヤレスイヤホン
一度廃止されたイヤホンジャックが、今後の発売されるiPhoneで復活するとは考えにくいです。さらに2018年に発売されたiPhone XS/XS Max/XRは、Lightning – 3.5mmの変換アダプタも同梱されなくなりますので、ますますワイヤレスイヤホンの需要は高まります。
やはりiPhoneユーザーには定番のアップルのAirPodsの人気が高いですが、そのほかオーディオに定評があるソニーやBOSEといったメーカーもBluetooth対応のワイヤレスイヤホンを発売していますので、この機会に試してみてはいかがでしょうか。