
今回は、通話ができてなおかつ1,000円以下の格安SIMを比較していきます。
音声通話機能付きで、しかも基本料金が月額1,000円以下となると、どうしてもその選択肢はおのずと限られてしまいます。しかし1,000円で通話が可能な料金プランを提供している格安SIMが全く存在しないということではありません。
通信速度や、通信容量はさておき、スマホを利用するのに毎月1,000円も掛からないというのが実現すれば相当なコストダウンが可能ともなります。
また、通話ができて1,000円以下の格安SIMとなるとその特性上、データ通信には弱く、音声通話に重点を置いている端末に適しているともいえます。
例を挙げるとすれば、ガラケーのスマホである、ガラホなどが適しています。ガラホ用の格安SIMとしてその真価を発揮する事が期待されます。
ここでの月額1,000円以下というのは基本料金にフォーカスし、通話料金・データ基本料金などは考えに入れていませんのでご注意下さい。もちろん通話やSMSを送信するなどをした場合には、それに伴い別途料金が発生します。
それでは、1,000円以下で通話が格安でできる格安音声SIMのご紹介と各社の比較をしていきます。
1,000円以下で通話が格安でできる格安SIM事業者5選
格安SIM事業者同士の比較の前に、1,000円以下で通話が可能な料金プランを提供している格安SIM事業者と、それぞれが提供している料金プランなどをご紹介していきます。
b-mobile
画像引用元:トップページ | b-mobile S 990ジャストフィットSIM
「b-mobile(ビーモバイル)」とは日本通信が運営している格安SIMとなっており、あまり聞き覚えのない名前ですが、実は日本では本格的な格安SIMの普及が開始される前からサービスの提供がされている老舗格安SIMです。
「b-mobile」では、使用した通信量に応じて基本料金が変動するといった、段階的な定額制を採用しています。通信量が1GBまでであれば、その基本料金は月額990円ですので、通話が格安で出来る1,000円以下の格安音声SIMであるといえます。
通話可能な1,000円以下の格安SIMは数社ありますが、通信容量も1GBが付いているプランともなると、「b-mobile」を含めたとしても一握りとなります。その費用対効果も高くおすすめです。
注意が必要なのは、段階的な定額制という事です。定められた通信容量の1GBを若干でも超過した場合には、基本料金が高くなります。手間ではありますが1,000円以内で利用し続けるには、通信量を確認・調整をし1GB以内に収めるように利用する事が必須となります。
ドコモ回線 データ+SMS+通話プラン | |
15GB/月 ※従量制 | 990円~/月 |
ソフトバンク回線 データ+SMS+通話プラン | |
15GB/月 ※従量制 | 990円~/月 |
プラン名 | b-mobile S 990ジャストフィットSIM ドコモ版 |
---|---|
キャリア | ドコモ |
初期費用 | 3,000円 |
基本料金 | ~1GB:990円/月 ~3GB:1,290円/月 ~6GB:1,790円/月 ~10GB:2,590円/月 10GB~:3,590円/月 |
支払い方法 | クレジットカード |
速度 | 無制限 |
制限時速度 | 非公開 |
容量 | 15GB/月 360MB/3日(制限時) |
通話 | アプリ使用:10円/30秒 アプリなし:20円/30秒 |
通話定額 | 1回5分:500円/月 |
SMS付帯 | 無料 |
枚数 | 1枚 |
サイズ | nano |
最低利用 | 5カ月 |
解約金 | 8,000円 |
MNP転出 | 3,000円 |
プラン名 | b-mobile S 990ジャストフィットSIM ソフトバンク版 |
---|---|
キャリア | ソフトバンク |
初期費用 | 3,000円 |
基本料金 | ~1GB:990円/月 ~3GB:1,690円/月 ~6GB:2,390円/月 ~10GB:3,190円/月 10GB~:4,390円/月 |
支払い方法 | クレジットカード |
速度 | 無制限 |
制限時速度 | 非公開 |
容量 | 15GB/月 360MB/3日(制限時) |
通話 | アプリ使用:10円/30秒 アプリなし:20円/30秒 |
通話定額 | 1回5分:500円/月 |
SMS付帯 | 無料 |
枚数 | 1枚 |
サイズ | nano |
最低利用 | 5カ月 |
解約金 | 8,000円 |
MNP転出 | 3,000円 |
※表内の金額は税別
H.I.S.モバイル
画像引用元:H.I.S.モバイルのおトクな格安スマホ/格安SIM | H.I.S.モバイル
「H.I.S.モバイル」とは、日本通信と旅行会社でおなじみのH.I.Sとの合弁会社が提供している格安SIM事業者で、国内だけでなく海外70カ国でサービス展開をしている、グローバルな格安SIM事業者となっています。
昨年、既存のSIMカードに貼って利用する海外利用専用の「変なSIM」が話題となったのが記憶に新しい事業者です。
「H.I.S.モバイル」では、通話が可能な1,000円以下のプランが2種類用意されています。
段階的な定額制のプランであれば、1GBまで月額990円の「ネットピタットプラン」、そして完全定額制の500MBが月額945円の「きままベストチョイスプラン」の2種類となっています。
通信容量を重視するのならば、「ネットピタットプラン」、基本料金の安さを追求するのなら、「きままベストチョイスプラン」を選択する事をおすすめします。それぞれのプランにはメリット・デメリットがありますので、どちらか片方が特にお得という事も一切ありません。
どちらのプランにおいても、3日間の通信量が360MBを超えた場合には、かなりの低速に速度が制限されてしまいますので、500MBを使い切った時点で低速になる「きままベストチョイスプラン」では、速度制限にストレスを感じる事が多いといえます。
ドコモ回線 データ+SMS+通話プラン | |
15GB/月 ※従量制 | 990円~/月 |
500MB/月 | 945円/月 |
プラン名 | H.I.S.モバイル NTTドコモ回線 ネットピタットプラン |
---|---|
キャリア | ドコモ |
初期費用 | 3,000円 |
基本料金 | ~1GB:990円/月 ~2GB:1,490円/月 ~3GB:1,990円/月 ~4GB:2,490円/月 ~5GB:2,990円/月 ~6GB:3,490円/月 ~7GB:3,990円/月 ~8GB:4,490円/月 ~9GB:4,990円/月 ~10GB:5,490円/月 ~11GB:5,840円/月 ~12GB:6,190円/月 ~13GB:6,540円/月 ~14GB:6,890円/月 14GB~:7,240円/月 |
支払い方法 | クレジットカード |
速度 | 無制限 |
制限時速度 | 非公開 |
容量 | 15GB/月 360MB/3日(制限時) |
通話 | アプリ使用:10円/30秒 アプリなし:20円/30秒 |
通話定額 | 1回5分:700円/月 |
SMS付帯 | 無料 |
枚数 | 1枚 |
サイズ | 標準 micro nano |
最低利用 | 5カ月 |
解約金 | 8,000円 |
MNP転出 | 3,000円 |
プラン名 | H.I.S.モバイル NTTドコモ回線 きままベストチョイスプラン 500MB |
---|---|
キャリア | ドコモ |
初期費用 | 3,000円 |
基本料金 | 945円/月 |
支払い方法 | クレジットカード |
速度 | 無制限 |
制限時速度 | 非公開 |
容量 | 500MB/月 360MB/3日(制限時) |
通話 | アプリ使用:10円/30秒 アプリなし:20円/30秒 |
通話定額 | 1回5分:700円/月 |
SMS付帯 | 無料 |
枚数 | 1枚 |
サイズ | 標準 micro nano |
最低利用 | 5カ月 |
解約金 | 8,000円 |
MNP転出 | 3,000円 |
※表内の金額は税別
nuroモバイル
画像引用元:料金・サービス | nuroモバイル
「nuroモバイル」も、1,000円以下で通話が可能な格安SIMとなります。
ドコモ回線の「Dプラン」では通信容量が200MBのお試しプランを選んだ場合には、音声通話が付いて月額1,000円という驚きの料金プランです。さらにお得な事に初月は無料という特典付きです。
一方ソフトバンク回線の「Sプラン」の場合では月額1,200円となり、惜しくも1,000円を超えてしまいますが、それでも十分安い料金設定といえます。ソフトバンクからの乗り換えなどで端末を再利用する場合には、候補として検討するとお得に利用が可能となります。
また、お試しプランでは基本料金が安い代償として、通信容量を使い切った後の通信速度が下り最大32kbpsと相当な減速となってしまいます。
しかもそれだけではなく、通信容量の繰り越しなども出来ないなどの制限があり、安い反面欠点も多いプランとなっていますので、注意が必要でもあるプランとなります。
ドコモ回線 データ+SMS+通話プラン | |
200MB/月 | 1,000円/月 |
プラン名 | nuroモバイル (D)プラン 音声通話付き お試しプラン |
---|---|
キャリア | ドコモ |
初期費用 | 3,394円 |
基本料金 | 1,000円/月 ※初月無料 |
支払い方法 | クレジットカード |
速度 | 788Mbps |
制限時速度 | 32kbps |
容量 | 200MB/月 |
通話 | アプリ使用:10円/30秒 アプリなし:20円/30秒 |
通話定額 | 1回10分:800円/月 |
SMS付帯 | 無料 |
枚数 | 1枚 |
サイズ | 標準 micro nano |
最低利用 | ー |
解約金 | ー |
MNP転出 | 3,000円 |
※表内の金額は税別
ロケットモバイル
画像引用元:ロケモバ – 格安SIMが業界最安値!! | ロケットモバイル
「ロケットモバイル」の通話プランには、通信速度が下り最大200kbpsの低速で、基本料金が月額948円である「神プラン」と呼ばれるプランが提供されています。
「ロケットモバイル」の「神プラン」は完全定額制となっており、いくらデータ通信を利用したとしても基本料金が1,000円を超える事は一切なく、安心して利用が可能です。利用開始月の基本料金が無料という特典も、ユーザーから高い支持を得ています。
欠点を挙げるとすれば、やはり一番は通信速度の遅さになります。この速度をどのようにして割り切って使えるかどうかが鍵となります。
ドコモ回線 データ+SMS+通話プラン | |
低速 | 948円/月 |
プラン名 | ロケットモバイル Dプラン 通話プラン 神プラン |
---|---|
キャリア | ドコモ |
初期費用 | 3,400円 |
基本料金 | 948円/月 ※初月無料 |
支払い方法 | クレジットカード デビットカード |
速度 | 200kbps |
制限時速度 | ー |
容量 | ー |
通話 | 20円/30秒 |
通話定額 | ー |
SMS付帯 | 無料 |
枚数 | 1枚 |
サイズ | 標準 micro nano |
最低利用 | 12カ月 |
解約金 | 9,500円 |
MNP転出 | 3,000円 |
※表内の金額は税別
0 SIM
画像引用元:0 SIM | nuroモバイル
基本料金の安さだけにフォーカスした場合に、「0 SIM」の右に出る格安SIMプランはありません。
データ+音声プランで、1,000円を大幅に下回る驚異的な月額700円で利用が可能となっています。しかもこれだけ安くて、通信容量も500MBまで使えてしまうというのは他では見当たりません。
さらに、月額800円となる「かけ放題」のオプションを追加したとしても、月額1,500円の支払いにしかなりません。
いかに「0 SIM」でも「かけ放題」付きで1,000円以下のとまではいきませんが、これだけの料金設定であれば、それだけで検討するに値する価格といえます。一方では、基本料金が安い反面、通信速度が極端に遅いというユーザーの声も聞こえてきます。
500MBまでは他の格安SIMと同様にストレスフリーで利用が可能だろうと思っていると、足元をすくわれてしまうかも知れませんので注意が必要です。ちなみに「0SIM」はnuroモバイルの中の一つのプランとして扱われています。
ドコモ回線 データ+SMS+通話プラン | |
5GB/月 ※従量制 | 700円~/月 |
プラン名 | 0 SIM データ+音声プラン |
---|---|
キャリア | ドコモ |
初期費用 | 3,394円 |
基本料金 | ~500MB:700円/月 ~2GB:100円/100MB 2GB~:2,300円/月 |
支払い方法 | クレジットカード |
速度 | 300Mbps |
制限時速度 | 200kbps |
容量 | 5GB/月 |
通話 | アプリ使用:10円/30秒 アプリなし:20円/30秒 |
通話定額 | 1回10分:800円/月 |
SMS付帯 | 無料 |
枚数 | 1枚 |
サイズ | 標準 micro nano |
最低利用 | 翌月から12カ月 |
解約金 | 5,000円 |
MNP転出 | 2,000円 |
※表内の金額は税別
1,000円以下で通話が可能な格安SIMの比較
ここでは、1,000円以下で通話が可能な格安SIM事業者の料金・通話・仕様・割引などにフォーカスを当てて、比較をしていきます。
比較をする事により、各事業者の長所・短所がわかりやすく浮かび上がり検討の際の活きた情報ともなり得ますので詳しく解説していきます。
料金比較
容量 | 最安値 | 2nd |
---|---|---|
なし | ロケットモバイル | ー |
948円 | ー | |
200MB | nuro | ー |
1000円 | ー | |
500MB | 0 SIM | H.I.S. |
700円 | 945円 | |
1GB | b-mobile S 990ジャストフィットSIM H.I.S. | ー |
990円 | ー |
※表内の金額は税別
通話ができて1,000円以下の格安SIMでありながら1GBも仕様が可能な「b-mobile S 990ジャストフィットSIM」と「H.I.S.モバイル」大きなアドバンテージを感じる結果となりました。
その他、1,000円を大幅に下回る料金プランを誇る、「0 SIM」の驚異的な料金プラン設定も目立っています。
通話オプション比較
オプション項目 | b-mobile S 990ジャストフィットSIM | H.I.S. | nuro | ロケットモバイル | 0 SIM |
---|---|---|---|---|---|
通話割引アプリ | ◯ | ◯ | ◯ | ー | ◯ |
通話定額 | ◯ | ◯ | ◯ | ー | ◯ |
IP電話 | ー | ー | ー | ー | ー |
転送電話 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
迷惑電話ストップ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ー |
留守番電話 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
キャッチホン | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
「b-mobile S 990ジャストフィットSIM」・「H.I.S.モバイル」・「nuroモバイル」の3社がとりわけ充実している結果となりました。
「ロケットモバイル」に関しては、通話料金を安くする為の手段が少ないのが目立ち、「0 SIM」は迷惑電話ストップサービスに対応していないという所がネックでもあります。
キャリア仕様比較
通信事業者名 | b-mobile S 990ジャストフィットSIM | H.I.S. | nuro | ロケットモバイル | 0 SIM |
---|---|---|---|---|---|
ドコモ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
au | ー | ー | ー | ー | ー |
ソフトバンク | ◯ | ◯ | ー | ー | ー |
ワイモバイル | ー | ー | ー | ー | ー |
「b-mobile S 990ジャストフィットSIM」と「H.I.S.モバイル」は、ドコモとソフトバンクの双方に対応可能となっています。
また、「nuroモバイル」のソフトバンク回線プランは1,000円を超えるプランとなりますので、ここでは割愛しています。
割引比較
割引施策名 | b-mobile S 990ジャストフィットSIM | H.I.S. | nuro | ロケットモバイル | 0 SIM |
---|---|---|---|---|---|
初月無料 | ー | ー | ◯ | ◯ | ー |
セット割 | ー | ー | ー | ー | ー |
家族割 | ー | ー | ー | ー | ー |
ポイント還元 | ー | ー | ー | ー | ー |
「nuroモバイル」・「ロケットモバイル」では基本料金が初月無料となっており、他の格安SIMに対しての非常に大きなアドバンテージともなっています。
大手キャリアでは主流である、セット割引・家族割引・ポイント還元サービスに関しては、どの格安SIM事業者でも取り扱いがない事が分かります。
1,000円以下という数字に翻弄されないように注意
1,000円以下で通話可能な格安SIMの中でも、特に1GBまで使えるというその条件の優秀さもあって、「b-mobile S 990ジャストフィットSIM」が特におすすめとなっています。
どの格安SIMにしようか迷ってしまった場合には、とりあえず「b-mobile S 990ジャストフィットSIM」を候補として検討しても問題はないといえますが、使った分だけそのまま使用料金に跳ね返ってくるという事が、不安の種になると感じるユーザーも少なくないと思います。
それでも、使用容量の上限を6GB・10GB・15GBと設定が可能となっているので、6GBに設定しておく事によって、思わぬ通信により使い過ぎてしまったとしても、最小限にとどめる事が可能です。
1,000円以下で通話が可能な料金プランを追求するあまり、「安かろう悪かろう」といった選択をしないように、各社のプランをよく吟味し最適な格安SIM事業者を選ぶようにする事をおすすめします。