近年、ディスプレイ性能の向上とともに大画面化が著しいスマートフォン。iPhoneやGalaxyなど人気のハイエンド機も軒並み大きなサイズを採用しています。
一方、片手で容易に操作できるコンパクト機への需要も高まっており、そんなニーズにも応えるべく、2019年春に登場予定なのがAQUOS R2 compact。
2018年6月に発売されたシャープのハイエンドモデル・AQUOS R2のスペックをそのままに、「131×64mm」まで小型化されたR2 compactは、使いやすさを追求した期待のモデルです。
本記事では、そんなAQUOS R2 compactを一足先に徹底レビューし、その実力に迫ります。
機種 | Xperia 5 V | AQUOS sense8 | TORQUE G06 | Xiaomi 13T |
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本体 | ||||
価格 | 82,800円~ | 39,100円~ | 59,800円~ | 39,790円~ |
特徴 | 高性能チップ搭載 ハイエンドスマホ | コスパに優れた ミドルレンジスマホ | 小型&軽量な 高耐久スマホ | 高性能カメラ搭載 ハイエンドスマホ |
購入 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
AQUOSシリーズって?
AQUOSシリーズは、家電メーカーのシャープが発売しているAndroidスマートフォン。
一時は低迷していたシャープですが、2016年に台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入り改革を敢行しました。
それまではキャリアごとにバラバラの機種を提供していたスマートフォンも、2017年からは「AQUOS R」に一本化。
フラグシップ機のAQUOS Rと、ローエンドモデルのAQUOS senseがどちらも出荷台数100万台を突破し、たちまち国内スマホ市場でアップルに次ぐ2位の座を獲得しました。
国内スマホユーザーの認知度も高まっており、依然として好調をキープしています。
AQUOS Rがフラグシップモデル
AQUOSのなかでもシリーズを代表するフラッグシップ機として発売されるのが「AQUOS Rシリーズ」。
初代AQUOS Rは2017年7月に発売され、シャープ躍進の火付け役となりました。
後継機のAQUOS R2は約1年後の2018年6月にリリース。処理性能やディスプレイの大型化など、よりハイエンドモデルらしい正当な進化を遂げています。
AQUOS senseはdocomo with対象機種としてヒット
画像引用元:ディスプレイ|AQUOS sense SH-01K|製品ラインアップ|AQUOS:シャープ
AQUOS Rと並んでヒットしたのが、ローエンドモデルの「AQUOS senseシリーズ」。
初代AQUOS senseはdocomo with対象機種として販売されたのも追い風となり、廉価ながら使いやすいコスパの良いモデルとしてヒットを記録しました。
AQUOS sense liteやAQUOS sense plusといった派生モデルは、格安SIMなどでも多く取り扱いがあり、キャリア以外でも人気を獲得しています。
最新モデルのAQUOS sense2も今冬リリースとなります。
AQUOS R compactシリーズは根強い人気のあるコンパクトモデル
本記事で紹介する「AQUOS R compactシリーズ」は、小型かつ軽量で片手でも使いやすいのが魅力のモデル。
数年前のモデルながら、iPhone SEが未だに一定の支持があるように、小さめの機種も根強いニーズがあります。
AQUOS R2 compactはスペックはハイエンド相当のままコンパクト化した完成度の高いモデルなので、iPhone SEやXperia compactなどのユーザーも乗り換えを検討してみる価値があります。
また、有機ELを搭載したハイスペック機でありながら、146gの超軽量をコンセプトとした若干異色なAQUOS zeroも12月14日から予約受付をスタートしました。
どのシリーズにも属していない機種ですが、こちらも注目の機種といえるでしょう。
AQUOS R2 compactの特徴は?
画像引用元:デザイン|AQUOS R2 compact|製品ラインアップ|AQUOS:シャープ
2018年も国内スマホ販売台数でアップルに次ぐ2位を維持するシャープは、フラグシップモデルの「AQUOS Rシリーズ」、docomo with対象機種でもあるローエンドモデル「AQUOS senseシリーズ」、ハイエンド機ながら軽さにこだわった「AQUOS zero」など幅広いラインナップを展開しています。
今回紹介する「AQUOS R2 comapct」は、AQUOS Rシリーズをベースにしたコンパクトモデルで、2019年1月中旬以降にソフトバンクから発売予定のAndroidスマホ。
SIMフリー機としてリリースの噂も流れていますが、今のところドコモ・auでの取り扱いは発表されていません。
片手で操作できるサイズ感が魅力
最新のスマホはもはや男性でも両手で操作する端末になりつつありますが、AQUOS R2 compactは、ハイエンド機のスペックを備えながらも、片手にすっぽりと収まるサイズ感が魅力の機種。
本体のサイズは「約131(縦)×64(幅)× 9.3(厚み)mm」となっており、iPhone XRが「約150.9(縦)×75.7(幅)× 8.3(厚み)mm」、Xperia XZ3が「約158(縦)×73(幅)× 9.9(厚み)mm」であることを考えても、コンパクトさという部分では抜きんでています。
体感的には幅が6.5mmを切ってくるとはっきりと持ちやすさを実感でき、文字入力など片手での操作が容易な印象を受けます。
加えて、重さも約135gとスマホとしては最軽量の部類に入り、実用性に優れたモデルといえるでしょう。
ディスプレイは5.2インチのハイスピードIGZOを採用
画像引用元:ディスプレイ|AQUOS R2 compact|製品ラインアップ|AQUOS:シャープ
サイズ感の割にディスプレイは意外なほど大きい5.2インチ。
サイズがほぼ同程度であった前モデルのAQUOS R comapctの4.9インチから、ダブルノッチデザインを採用したことで大画面化に成功しています。
ダブルノッチの形式もAndroid 9.0で既に対応済み。ナビゲーションバーが表示される領域なので、普段使っていて機能面でのネックになることはありません。
他社の機種ではあまり見ない特徴的な下部のノッチには、指紋センサーを搭載。
「ホームボタン」「戻る」などのジェスチャー操作に対応し、片手での操作をサポートしてくれるのも、機種のコンセプトにしっかり合致しています。
液晶にはAQUOSシリーズでお馴染みのハイスピードIGZOパネルを採用。
120Hz駆動の滑らかな操作感とレスポンスの良さは、ハイスピードIGZOならではです。
処理性能はハイエンドモデル相当
前モデルAQUOS R compactでは、CPUにSnapdragon 660とミッドレンジ向けのものを搭載していましたが、R2 compactでは、CPUにクアルコム製のSnapdragon 845を採用。メモリは4GB、ストレージは64GBを搭載と、処理性能はハイエンドモデルに相当します。
コンパクトモデルでありながら、メインのスマホとして使えるスペックが備わっているのは、コンパクト機好きにはありがたい限り。扱いやすくあらゆるアプリが快適に動作する機種に仕上がっています。
画質は十分きれいだが……
AQUOS R2 compactは、最新モデルで搭載することが増えてきた有機ELではなく液晶ディスプレイで、解像度もFHD+(2,280 × 1,080)とハイエンドモデルとしてはそれなりですが、画面が小さめなこともあり十分きれいに見えます。
シャープのAQUOSシリーズといえば液晶テレビも有名ですので、ディスプレイの完成度も申し分ありません。
ですが、やはり普段6インチを超える大画面モデルを使っていたユーザーにとっては、本機の画面を小さく感じるのも確かです。
処理性能を見ても、動画再生や高負荷なアプリゲームが快適に動作するスペックを持ち合わせていますが、そういった使い方よりは、外ではSNSや通話がメインという方に向いている機種といえます。
カメラ性能は控えめなスペック
カメラはアウトカメラとインカメラともにシングルカメラ。
アウトカメラは広角レンズを搭載した2,260万画素で、広角と接写のどちらも対応可能です。
写真撮影時には光学式手ブレ補正、動画撮影時には電子式手ブレ補正が効きますので、手ブレの心配もなく高画質な写真・動画を撮影できます。
また、AQUOS R2では、動画撮影用のカメラも搭載されていましたが、R2 compactでは非搭載となりました。
インカメラは800万画素で、背景ぼかしや美顔補正といった機能によりセルフィーも綺麗に撮影可能。
そのほか撮影シーンに応じて最適な撮影モードを選択するAI機能など、必要な機能がひと通り搭載されています。
シングルカメラなこともあり、尖った機能もない無難な構成。
流行りのポートレートモード(背景ぼかし)もありますが、HUAWEIやiPhoneなどデュアルカメラ機種と比べると、精度・クオリティともに劣ります。その他のカメラ性能についても期待しすぎは厳禁です。
おサイフケータイや防水防塵にも対応
国内では需要の高いおサイフケータイと防水防塵機能はしっかりと対応しています。
おサイフケータイに必要なFeliCaや防水防塵機能は、海外メーカー製ですといまだに対応していないこともありますので、その点も好印象です。
また、おサイフケータイを通勤・通学に使うなら、本体がコンパクトで握りやすい点もメリットになり得ます。
スーツのポケットに入れて使うこともできるサイズですので、通勤・通学時の使い勝手が良いですね。
シンプルで使いやすいデザイン
正面のダブルノッチはなかなか珍しいですが、背面は光沢感のあるアクリル樹脂製で、側面はダイヤモンドカットが施されたアルミフレームとシンプルなデザイン。
カラーはスモーキーグリーン、ディープホワイト、ピュアブラックの3色が用意されています。
サイドにはnanoSIMとmicroSDを1枚ずつセットできるトレーを配置。ストレージはmicroSDXCで最大512GBまで拡張可能です。
下部には充電などにも使用するUSB-C端子と、最新モデルでは排除されがちなイヤホンジャックも搭載。充電のあるワイヤレスイヤホンよりも有線のイヤホンを好んで使う人も重宝します。
バッテリー持ちは現時点で不明
AQUOS R2 compactのバッテリー持ちは、12月時点では明らかになっていません。
バッテリー容量は2,500mAhと少な目ですが、省電力に定評のあるIGZO液晶で画面も小さめと、好材料もありますので、バッテリー持ちがどれほどになるかは予想が難しいところです。
充電機能としては、USB Power Deliveryの急速充電に対応しています。
現時点で価格は未定
現時点では、AQUOS R2 compactの価格は未定ですが、スペックや機能面を見るかぎりハイエンドモデル相当の価格になることが予想されます。
AQUOS R(2017年7月7日発売)の価格が93,120円(ソフトバンク版)に対し、前モデルAQUOS R compact(2017年12月22日)の価格が76,320円(ソフトバンク版)だっとことを考えると、AQUOS R2の93,120円(ソフトバンク版)よりは安くなる可能性が高いのではないでしょうか。
AQUOS R2・前モデルAQUOS R compactとのスペック比較
画像引用元:ディスプレイ|AQUOS R2 compact|製品ラインアップ|AQUOS:シャープ
AQUOS R2 compactは、2018年6月に発売されたAQUOS R2を踏襲しています。
両機種+前モデルAQUOS R compactでどこが違うのかスペックを比較して見ましょう。
AQUOS R2とAQUOS R compactのスペック比較
AQUOS R2 compact | AQUOS R2 | AQUOS R compact | |
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発売日 | 2019年1月中旬発売予定 | 2018年6月8日 | 2017年12月22日 |
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 約 131 × 64 × 9.3 mm | 約 156 × 74 × 9.0 mm | 約 132 × 66 × 9.6 mm |
重さ | 約135g | 約181g | 約140g |
ディスプレイ | 約5.2インチ ハイスピードIGZO | 約6.0インチ ハイスピードIGZO | 約4.9インチ ハイスピードIGZO |
解像度 | FHD+(2,280 × 1,080) | WQHD+(3,040 × 1,440) | FHD+(2,032 × 1,080) |
OS | Android 9 Pie | Android 8.0 (9.0にアップロード可能) |
Android 8.0 (9.0にアップロード可能) |
CPU | Snapdragon 845 オクタコア | Snapdragon 845 オクタコア | Snapdragon 660 オクタコア |
メモリ(RAM) | 4GB | 4GB | 3GB |
ストレージ(ROM) | 64GB | 64GB | 32GB |
外部メモリ | microSDXC(最大512GB) | microSDXC(最大512GB) | microSDXC(最大400GB) |
バッテリー | 2,500mAh | 3,130mAh | 2,500mAh |
連続通話時間 | 測定中 | 約1,830分 | 約1,440分 |
アウトカメラ | 約2,260万画素 / F値1.9 | 約2,260万画素 / F値1.9 約1,630万画素 / F値2.4(動画専用カメラ) |
約1,640万画素 |
インカメラ | 約800万画素 / F値2.2 | 約1,630万画素 / F値2.0 | 約800万画素 |
通信速度 | 受信時最大676Mbps | 受信時最大774Mbps | 受信時最大350Mbps |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
生体認証 | 指紋/顔認証 | 指紋認証 | 指紋認証 |
おサイフケータイ | 〇 | 〇 | 〇 |
ワイヤレス充電(Qi) | × | × | × |
防水・防塵 | IPX5,8 / IP6X | IPX5,8 / IP6X | IPX5,8 / IP6X |
イヤホンジャック | 〇 | 〇 | 〇 |
カラー | スモーキーグリーン、ディープホワイト、ピュアブラック | ブルーシルバー、ピンクゴールド、プレミアムブラック、プラチナホワイト、ローズレッド | ムーンホワイト、トルマリンブラック、ダイヤモンドイエロー、アメジストパープル |
販売価格 | 未定 | 9万3120円(ソフトバンク) | 76,320円 |
AQUOS R2 compactのサイズはAQUOS R2よりも高さが約25mm、幅が約10mmの小型化。重さは約50g軽量化されました。AQUOS Rベースの前モデルAQUOS R compactが「約132(縦)×66(幅)× 9.6(厚み)mm」なので、ほぼ同じ大きさです。
基本スペックは、CPUにSnapdragon 845、メモリ4GB、ストレージ64GBと共通。
公式サイトの記載によれば、AQUOS R compactより約1.5倍処理性能が向上しています。
おサイフケータイや防水防塵はAQUOS R compactから対応していますが、AQUOS R2 compactでは新たに顔認証にも対応。
使用するシーンに応じて使い分けることができるようになりました。
AQUOS R2 compactは待望のハイエンドコンパクトスマホ
画像引用元:デザイン|AQUOS R2 compact|製品ラインアップ|AQUOS:シャープ
AQUOS R2 compactは、シャープのフラグシップ機AQUOS R2を踏襲したハイエンドなコンパクトスマートフォン。
片手にすっぽりと収まるサイズ感のスマホは、近年これという機種がなかったですが、いよいよ完成度の高い機種が登場しました。
2019年1月中旬よりソフトバンクより発売予定。現在未定ですがSIMフリー機での発売も期待したいところです。
トップ画像引用元:主な特長|AQUOS R2 compact|製品ラインアップ|AQUOS:シャープ