新一人暮らしのネット環境|回線なし・ありの家賃相場からお得度を計算

  • 21.01.17
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  • ※本記事は21.01.17に作成された記事です。最新情報は公式ページをご確認ください。

一人暮らし用の物件を探している際、『ネット無料の物件が良いな』と考えている方は少なくないでしょう。確かに毎月3,000~5,000円程度のネット料金を節約できるのは魅力的です。

しかし、回線が既に準備されていたり、ネット無料を謳っていたりする物件は本当にお得なのでしょうか?実は一見お得に見えても細かく料金を割り出してみると損をしていた、というケースは多々あります。

そのような思わぬ落とし穴にはまってしまわないには、一人暮らしを始める前にしっかりと通信費についての知識をつけておかなければいけません。ネット回線なし・あり物件について学んでいきましょう。

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インフラの中でも負担の大きい『通信費』

通信費の平均額

広義における通信費とは毎月の携帯料金と電話やネットの固定回線費を足したものを指します。一人暮らしで固定電話を持つ方は少ないため、一人暮らしにおける通信費は『携帯料金とネット回線費用の合計』と考えておけば良いでしょう。

携帯料金は大手キャリアと契約しているか、格安SIMと契約しているかによって異なりますが、大抵は2,000円から高くても10,000円程度に収まることが多いです。今回のテーマであるネット回線の費用は4,000円前後であるケースが大半でしょう。

2つを合計した通信費の平均額は6,000円から14,000円程度、確かに新社会人や進学で親元を離れる方にとっては手痛い出費だと言えます。ネット無料物件を活用するなどしてどうにか出費を抑えたいと思うのも無理はありません。

ネット環境を構築するために必要な出費


回線なし・あり物件の家賃相場を考える前に、ネット環境を構築するために必要な出費についても頭に入れておきましょう。インターネットに接続するための回線はどこにでも用意されているものではないため、マンションに設備が無い場合は工事をしなければいけません

工事費の平均額は20,000円程度、無料な場合もありますが自分で回線を契約するなら必要な出費と考えておいた方が良いです。次にネット回線を引く手続きをする際にはほとんどのケースで3,000円程度の事務手数料が掛かります。

回線なし・あり物件を比較する際に上記の費用を計算し忘れてしまうと、どちらがお得なのか見誤ってしまいかねないため注意しておきましょう。

ネット回線ありの物件は本当にお得なのか

ちょっとした利用ならお得

例えば少しだけネットサーフィンをする、たまにパソコンを使うことがある程度の利用なら回線ありの物件を選んだ方がお得です。動画視聴やネットゲームをしない限りは回線速度に不満が出ることも無いでしょう。

また、手間無く使えるのもネット回線あり物件の大きな利点のひとつです。通常、ネット回線を自宅に導入する際は、回線事業者やプロバイダーに申し込みを行ったり、工事に来てもらったりと手間が掛かります。

しかし、ネット回線あり物件の場合はそれらの手間が一切必要なく、プロバイダー料金まで含めてネット料金が無料の物件であれば引っ越したその日からネットが使えることすらあるのです。

注意点として、回線設備はあってもプロバイダーは自分で選んで契約する必要がある場合は開通までに時間が掛かったり、工事が必要だったりするケースもあります。

引っ越してすぐにネットを使い始めたいのであれば、物件を決める前に『指定のプロバイダーはあるか?』、『最短だとどのくらいでネットが使えるようになるのか』と不動産会社や大家さんに確認しておきましょう。

がっつり使うならおすすめ出来ない


ライトユーザーであれば回線ありの物件でも問題ありませんが、スマホやパソコンでがっつりネットに接続するのなら回線あり物件はおすすめ出来ません

というのも、一人暮らしを考える際の物件として有力なマンションやアパートは集合住宅用の設備を用いてネット接続を行っているため、回線が混雑してしまいやすいのです。

この傾向は特に4、5階程度の中規模のマンションに多く、小規模マンション用の設備でぎりぎり賄っているような状態だと目も当てられない通信状態になります。

例えば光回線であるにも関わらずADSL並の速度しか出ない夕方から夜に掛けて回線が混雑すると動画が見られないなどのトラブルは定番で、酷いケースではブラウザを開くことすら出来ません

予め回線が用意されているというのは非常に便利である反面、同一の回線をマンション全体で共有して使うという性質を持つ故に上記のようなトラブルが頻発してしまいがちです。ストレス無くネットを楽しみたいのなら回線なしの物件を選んだ方が良いでしょう。

例外として光ファイバーは通っているものの、光回線の事業者やプロバイダーは自分で契約するタイプの物件であれば、回線ありの物件でも高速で安定した通信を行えることもあります。

セキュリティに問題があることも

回線あり物件ではセキュリティに問題があるケースも存在します。特にひとつのルーターを共有している物件を検討している場合は必ずセキュリティに問題が無いか事前に確認しておいた方が良いです。

というのも、自室にルーターを置かずLANポートにケーブルを差し込むだけでネットに接続できるタイプの物件では、ルーターを共有している関係上、用意に通信状況を傍受されてしまいかねないのです。

同じマンションの中に悪意のある人が住んでいた場合、その気になればクレジットカード情報などの個人情報だけでなく、いつどんなサイトにアクセスしたかどのような内容のメールを送ったのかまで調べることが出来ます。

このような状態でネットに接続するのは非常に危険なので、回線ありの物件を選ぶ際は事前にセキュリティに問題はないか確認しておきましょう。

ネット無料物件に隠れた罠


インターネット使用料無料の物件は年々増加していますが、中には『実質的には無料ではない物件』も潜んでいます。よくあるのが家賃や管理費に回線やプロバイダー料金が含まれているケースです。

このケースは最も悪いパターンで、お金を払って混雑しやすく使い勝手の悪い回線を強制的に契約されられたのと何ら変わりありません

マンション全体で加入しているために割引を得られていることもありますが、回線の質を考えればやはり損と言わざるを得ないでしょう。

また、ネット無料なものの光回線ではない、光回線でも古い設備を使っている物件にも注意しておきたいです。例えば『ADSL回線は無料、光回線にするなら自前で』という条件を設定している物件は少なくありません。

そのような物件でも確かにネット接続自体は無料ですが、今どきADSLでは満足にネットサーフィンをすることすら出来ないでしょう。動画視聴やゲームアプリの起動も困難です。

このように、ネット無料を謳っている物件でもよくよく内容を見てみると、料金が家賃や管理費に組み込まれていたり、回線速度が実用的ではないものしか導入されていなかったりすることが多々あります。

入居前に気付くことが出来なければ、家賃や管理費にネット料金が含まれているにも関わらず自前で回線を用意しなければならないなどの不利益を被ってしまう結果になりかねませんから、一人暮らしの物件を選ぶ際は充分注意しておきましょう。

回線なし・ありの家賃相場と費用の比較

回線なし・あり物件の家賃相場

回線なし・あり物件の家賃相場に大きな違いはありませんが、似たような条件の物件を比較すると回線ありかつネット無料の物件の管理費は回線なし物件の管理費に比べて5,000円前後違うことが多いです。

5,000円もあれば自前でネット料金を支払ってもお釣りが来る程であるため、一概にネットが無料な回線ありの物件がお得だとは言えないでしょう。

特に最近はスマホとセットで契約すると割引が受けられる光回線も登場しており、それらを契約した場合と比べると回線あり物件を契約した方が損をしてしまうケースすらあります

回線なし・あり物件の費用を比較


回線あり物件と一口に言っても、その内容にはいくつかの種類があります。代表的なのは、

  • 回線設備がありプロバイダーは自由に選べる
  • 回線設備がありプロバイダーが自由に選べない
  • 指定の回線とプロバイダーならネット無料

の3つです。料金の相場はプロバイダーが自由に選べるかどうかに関わらず4,000円程度となっており、ネット料金が無料の物件では家賃や管理費にネット料金が含まれるかどうかの違いがあります。また、毎月のネット料金の他に初期費用が掛かるケースが存在します。

回線なし物件の費用は初期費用が20,000円から30,000円程度の工事費3、4,000円前後の事務手数料、毎月のネット料金が4,000円程です。

このように回線があるかどうかで月々の料金が変わることは元々無料であるケースを除いて違いほぼ無いものの、初期費用には大きな違いがあります

そのため、極力費用を抑えてお得にネットを使いたいのなら、回線や設備が整ったネット料金無料の物件を選ぶと良いでしょう。ただ、回線ありの物件には回線速度が遅いというデメリットがあるため、その点には注意しておかなければいけません。

逆に少々初期費用が掛かったとしても安定して高速なネット環境が欲しいのなら回線なしの物件を借りて自分でネット環境を整えるか、回線ありでプロバイダーが自由に選べる物件をおすすめします。

最も避けるべきなのは『初期費用が必要で回線設備がありプロバイダーが自由に選べない物件』です。このパターンの物件では初期費用が掛かる上に毎月の料金も支払わなければならず、尚且つネット環境は最悪と良い要素がひとつもありません

また、他の項でも触れていますが、回線ありでネット無料の物件の中には『実は管理費にネット料金を上乗せしている』という物件も存在します。このような物件も損な物件のひとつと言えるでしょう。

回線あり物件を選ぶ際の注意点

注目するべきなのは管理費

前項で少し解説しましたが、管理費にネット料金が含まれている物件はお得とは言えず、それどころか場合によっては最も損な物件となってしまいかねません

ただ、家賃にネット料金が上乗せされているのか見極めるのは非常に困難で、不動産会社や大家さんに聞いても釈然としない回答しか得られないことも多々あります。

そんな時は管理費に注目してみましょう。管理費とは名前の通り『マンションの維持・管理に掛かるお金』のことを指しますが、ネット料金は家賃ではなくこちらに上乗せされていることが多いのです。

例えば似たような規模かつ築年数や立地の条件が同等の物件を比較した時、管理費が不自然に高い物件があれば、その物件は管理費の中にネット料金などの費用を水増ししている可能性があります。

逆に言えば、条件がほとんど同じ他の物件はネット無料では無いにも関わらず、管理費に大きな違いが無くネット無料となっている物件はネット料金が本当に無料である可能性が高いのです。

初期費用が無いか確認しておく

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家賃・管理費にネット料金が含まれない物件でも初期費用が別途掛かる物件は少なくありません。例えばルーター代が掛かる、設備はあるものの部屋まで回線が通っていないために工事費が掛かるなどのケースはよく見られます。

ルーター代は5,000円程度であることが多く、自分で回線を開通させる手間や費用を考えれば安いと言えますが、数万円単位で工事費が掛かる場合は考え物です。

開通工事は自分で申し込みを行ったとしても掛かるものではあるものの、大抵はキャンペーンや割引を利用することで負担をゼロ、もしくは数千円程度まで抑えられます。それにも関わらず工事費を丸ごと負担しなければならないような物件はお得とは言えないでしょう。

狙い目物件の見極め方

光ファイバー対応の物件を選ぶ

回線あり物件の中で最もお得になる可能性が高いのは光ファイバー対応の物件でしょう。というのも、光ファイバー対応の物件には光回線が既に通っているために工事費が安く済む、もしくは工事費が掛からないというメリットがあるのです。

また、通っている回線がフレッツ光である場合はドコモ光、ソフトバンク光などの光コラボを利用することが出来、対応するキャリアで携帯を使っている場合はセット割などの割引が適用され、月々の通信費がお得になります。

セット割は家族の人数が多ければ多いほどお得になりますが、一人暮らしでも毎月1,000円前後の割引を受けられます。高額になりがちな通信費が割り引かれるのは大きなメリットと言えるでしょう。

更に、光ファイバー対応の物件は大本の設備こそ共有ですが、プロバイダーは他の住人と異なるため全てが共有の物件と比べると回線速度に優れます

料金の面では家賃や管理費にネット料金を含めないネット無料の物件に敵いませんが、回線速度を含めたコストパフォーマンスで考えれば、光ファイバー対応の物件が最もお得になるでしょう。

小規模な物件


回線ありの物件の多くは設備を共有しているために混雑時は回線速度が遅くなりがちですが、小規模物件の場合は共有する人数が少なくなるために回線速度も安定しています。

特に小規模物件の中でも3階建て以下の物件の場合はマンション用の共有設備を使った回線ではなく、戸建て用の設備を使えることもあり、この場合はマンションでは考えられないくらい高速な回線を利用できることもあるのです。

ネット無料で家賃や管理費にネット料金が上乗せされていない小規模物件はかなりの狙い目物件でしょう。ただし、古い物件で設備が共有の場合は回線設備も古くなっている可能性が高いため注意が必要です。

設備自体が悪いとプロバイダーを変えても回線の高速化を図ることが出来ませんから、古い小規模物件を狙う際は回線設備の設置・交換がいつ行われたのか事前に確認しておきましょう。

回線あり物件が必ずしもお得とは言えない


工事費を節約できる回線あり物件や毎月のネット料金が掛からないネット無料物件はお得に思えますが、実態は一概にお得と言えるものではありません

ご紹介したように、一部の回線あり物件には別の部分で出費が必要になったり、管理費にネット料金が上乗せされていたりと損をしてしまう可能性が潜んでいます。また、回線速度に難があることが多いのも回線あり物件の悪いポイントでしょう。

設備や物件の規模によっては光回線にも関わらず1Mbps以下の回線速度になってしまう可能性もありますから、ネットを多用する方は注意しておきたいところです。

とは言え、すべての回線あり物件が損な物件というわけではなく、光ファイバー対応物件で契約している携帯キャリアが提供する光回線を使用した場合などは割引が適用されるためかなりお得にネット回線を利用出来ます

一人暮らし用の物件を選ぶ際はまずネット環境が自分にとってどの程度重要なのかを考え、高速で安定した回線が必要ないのなら回線ありのネット無料物件、高速で安定したネット環境が欲しいのなら光ファイバー対応物件回線なし物件を選ぶと良いでしょう。


この記事を書いた人
empire
スマホ、PCが大好きなガジェットオタクライター。大手キャリア系の記事を中心に担当し、格安SIMやクレジットカードも執筆中。誰が読んでも分かりやすく、どこよりも詳しい解説を心掛けています。